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歯科に関する四方山メモ

歯科医学に関わること、主に歯内療法・歯周治療関係を中心にメモ的に集めていきます。

インプラントは歯内療法の一部ですby アメリカ歯内療法学会

2017-06-25 21:48:36 | 歯内療法
なんか数年前に小耳にはさんだような気もするんだけど、すっかり忘れて調べてなかった。

こちらにアメリカ歯内療法学会(AAE)のガイドラインやポジションペーパーが見られるんですが、このリストの中のScope of Endodontics: Dental Implants(歯内療法の範疇:デンタルインプラント)というのがありましてpdfはこちら
直リンして良いものかどうかわからないけど。
この一文目がすこぶるショッキングw
「Placing of dental implants is within the scope of practice of endodontics. (デンタルインプラントの植立は歯内療法の臨床の範囲内です)」
歯があってこその歯内療法なのに…これじゃぁ「歯無い療法」じゃないか(←これが書きたかった)。
後は色々書いてあるけど、この考えに至った経緯を言い訳がましく(不適切?)書いているような印象。

自分の関わる歯内療法の勉強会で往々にして見られたのは「インプラントの施術に関心が大きくなるあまり、歯内療法で保存できる歯でも抜歯されてしまうのではないか」と言った素朴な(この形容詞が正しいのかどうか)議論でした。
ぶっちゃけてしまえば色々勉強されてる先生の診断基準ではそのような心配は実際杞憂に過ぎないんですよね。

そういう議論をウン十年している間にインプラント治療への信頼感は増してきて「特殊なんだけど過去ほどもはや特殊ではない」という感じにはなってきた、ということなんでしょうね。これが2013年のペーパーだから日本の意識がザックリ10年遅れてるとしてオリンピックが終わって数年経つ頃にはインプラントが「一般的な歯科治療」として認知されてるんでしょうかね。いや「一般的な歯内療法(の一部)」…これは無理だろうな。

でも正直言って、AAEの感覚というかコンセンサスとして「歯内療法の専門医が手掛けるインプラント症例」が具体的にどういう
ものか示してほしいもんです。って不勉強なだけでどこかにあるのかな。

ワイン先生の教科書 (表紙の症例)続き

2005-10-19 22:29:16 | 歯内療法
「序文」のところに「表紙について」というarticleがあります。
そこを読むと…
「この表紙にある三枚の写真は472ページの図11-16よりとりました。初診時には歯は根管とポケットとの交通が認められ『治療不可』と思われた。左の写真はイニシャルファイルを適切に挿入したもの。中央の写真はガッタパーチャを側方加圧で充填したところで、ポケットはこの時点ではもうプロービングできませんでした。右の写真は歯内治療後26年後の状態です。」
ってな感じで。
シルバーポイントを使ってたと思ったのは僕の思い違いでした。。。


ワイン先生の教科書 (表紙の症例)

2005-10-18 23:16:33 | 歯内療法

まぁ、表紙は良いかな(何が?)と思いつつ。
最新版の表紙に使われている症例がこれなんですが、これは手用ファイルでの拡大形成です。
充填は確かシルバーポイントだったように記憶してます(って覚えて無いんかい>自分)。
「シルバーポイント自体は最近使用されなくなってきた素材であるが、症例を正しく選べばこのように効果的に歯を残すことができる」とかなんとかそういうようなことがかいてあったかと思います。(激しくうろ覚えなのでそのうち文章が変わるかも?)

でも、まぁ、近いうちにココに書き散らかしたワイン先生のことも、も一度読みやすいように整理しなおさなきゃいけませんね。。。


ワイン先生来日講演&実習

2005-10-17 09:21:59 | 歯内療法
再開の一発目・・・ですが、しばらくはコレで行きます。

エンドの教科書で有名なワイン先生が来日講演されます。おそらく講演目的の来日はこれで最終でしょう。
で、これは聞いた話で、ワイン先生のたってのご希望で、同時にハンズ・オン・セミナー(平たく言えば「実習講義」)も催されるとか。

ワイン先生をご存じない方も多いかもしれないけれど・・・
ここに紹介動画、ここにワイン先生の概要があります。

FlexMasterとタックエンドファイル

2005-09-02 23:36:04 | 歯内療法
すっかりズボラ。
というか、もう少し忙しいので更新はもう少しボチボチになりそうですが・・・

今日ふと気づいたのですが、Flexmasterとタックエンドファイル、見た目がかなり似ていてスタッフでは整理分類ができないような感じ。
カラーリングのところがFlexmasterの方が少しだけ刃部から遠くてカラーリングと線の彫り込みが深いんですね。

同じカラーで同じラインは同じ規格なので、少々間違ってもえらい事にはならないような気がするけど・・・あ、使用回数が解らなくなるのか。。

切り替えが済むまでなんとなく混乱。

Rotary Endodontic Instrumentationより 3

2005-07-28 16:54:11 | 歯内療法
一昨日の続き。

Rotary Endodontic Instrumentationの21~30まで

***** 以下 試訳 *****

21. Guppy, D.R., R.V. Curtis, and T.R. Ford, Dentine chips produced by nickel-titanium rotary instruments. Endod Dent Traumatol, 2000. 16(6): p. 258-64.
ニッケルチタンロータリーファイルによる象牙質削片について
ファイル:Quantec、ProFile、ステンレス製エンジンリーマー
2000年
結論:Quantecによる象牙質削片は大きく丸い。ProFileとエンジンリーマーの削片は同じような形だった。

#Quantecの削片の方が詰まりやすいってことなのかな?ちょいと実験の意義を理解してないまま読んだかもしれない。

22. Griffiths, I.T., S.T. Bryant, and P.M. Dummer, Canal shapes produced sequentially during instrumentation with Quantec LX rotary nickel-titanium instruments: a study in simulated canals. Int Endod J, 2000. 33(4): p. 346-54.
Quantec LXで作られる根管形態について
ファイル:Quantec LX
2000年
結論:この実験の条件下ではQuantec LXは湾曲の始まりと終わり部分で外湾部の歯質を削りすぎる傾向にあるった。作業長に行くまで、より大きなファイルになるにしたがって、この逸脱傾向とその程度は増大した。サイズ8,9,10のQuantec LXファイルは、特に湾曲のきつい根管では十分注意して、短い長さで使用すべきだ。

23. Gambarini, G., Rationale for the use of low-torque endodontic motors in root canal instrumentation. Endod Dent Traumatol, 2000. 16(3): p. 95-100.
根管でのファイル操作時における歯内治療用低トルクモーターを使用する合理性について
ファイル:
2000年
要旨:高トルクモーターを使用した場合、ファイルの制限を越えるようなトルクがかかって、後に問題となるようなニッケルチタンファイルの破折を来たしやすい。この問題を解決する可能性として、制限を越えない低トルクモーターを使用すること。新しいエンドドンティックモーター(step-motor)を使用すると破折の危険性が減る。また術者の使用感も向上する。

24. Bramante, C.M. and L.V. Betti, Comparative analysis of curved root canal preparation using nickel-titanium instruments with or without EDTA. J Endod, 2000. 26(5): p. 278-80.
ニッケルチタンファイルでの湾曲根管の拡大形成にEDTAを使用した場合、使用しなかった場合の比較解析
ファイル:おそらく手用のNi-Tiファイル
2000年
結論:Ni-TiファイルでEDTAを有り/無しの状況でステップバックで形成、レントゲン的に両者を比較→EDTA有りでNi-Tiファイルで形成すると湾曲根管のオリジナルの根管形態を維持する効果が低くなるようだ。

25. Bramante, C.M. and L.V. Betti, Efficacy of Quantec rotary instruments for gutta-percha removal. Int Endod J, 2000. 33(5): p. 463-7.
Quantecによるガッタパーチャの除去
ファイル:Quantec SC
2000年
結論:350r.p.m.、700r.p.m.、1500r.p.m.で除去したが、いずれの場合でも等しく除去できた。1500r.p.m.が一番早くファイルの破折も少なかった。

26. Yared, G.M., F.E. Bou Dagher, and P. Machtou, Cyclic fatigue of Profile rotary instruments after simulated clinical use. Int Endod J, 1999. 32(2): p. 115-9.
根管模型で使用したProfileの繰り返し試用による疲労
ファイル:
1999年
結論:感熱滅菌をし、NaOClとともに根管模型で使用した場合でも、ファイルが早期に破折するようにはならなかった。

27. Serota, K.S. and G.D. Glassman, Root canal preparation using engine-driven nickel-titanium rotary instruments. Pract Periodontics Aesthet Dent, 1999. 11(9): p. 1117-8, 1120, 1122.
engine-drivenのニッケルチタンロータリーファイルによる根管の拡大形成
ファイル:
1999年

#引用論文のサマリーが無い~

28. Schrader, C., M. Ackermann, and F. Barbakow, Step-by-step description of a rotary root canal preparation technique. Int Endod J, 1999. 32(4): p. 312-20.
ロータリーファイルによる根管拡大形成テクニックのステップ・バイ・ステップでの概要説明
ファイル:ProFile
1999年
要旨:歯内療法にニッケルチタンが導入されて以来、ロータリーファイルを含むいくつかの根管拡大テクニックが有名になってきた。このようなエンジンでの回転式のファイルは150~2000r.p.m.で回転させ高トルクや低トルクである。この論文ではProFileテクニックと呼ばれるものを扱う。これはチューリッヒ歯科大学歯内治療学講座で使用されているテクニックである。
・ゲイツ・グリッデン・バーとProFileで根管の歯冠側を削る。
・歯冠部で根管を制限している部分を除去できたら通常のファイルで作業長を決定する。
・最後に、根管の根尖側をProFileのみで形成する。
・臨床例の紹介

29. Schafer, E. and R. Lau, Comparison of cutting efficiency and instrumentation of curved canals with nickel-titanium and stainless-steel instruments. J Endod, 1999. 25(6): p. 427-30.
ニッケルチタンファイルとステンレス鋼ファイルによる湾曲根管でのファイリングにおける切削効率の比較
ファイル:ステンレス製ProFile、ニッケルチタンProFile、ステンレス製Flexoreamer
1999年
要旨:「ステンレス鋼ProFileとニッケルチタンProFile Series 29手用ファイル、ステンレス鋼ファイルFlexoreamerの湾曲根管の形態へのファイル操作の切削効率と影響」を等条件で比較した。Flexoreamerは有意に回転時の切削効率が高かった。根管形態の変化はそれぞれのファイルで大きく異なった。Flexoreamerでの#17や#22も含めた形成後は他二者と比較しても、根管の望ましくない変化は殆ど無かった。この実験ではノンカッティングチップのフレキシブルなステンレスファイルは、湾曲根管の切削効率とファイリングにおいてProFile Series 29に優った。

#Flexoreamerって聞いたことあるような無いようなですが、日本に入ってきてましたっけ?
#んで、ステンレス製のProFileってある(あった?)んですねー。

30. Roane, J., Crown-down, nickel titanium and endodontics. Endod Prac, 1999. 2(4): p. 16-20, 23-4, 26.
クラウンダウン、ニッケルチタン、歯内治療
ファイル:
1999年
結論:

#三大咄みたいに面白そうなタイトルなのに、サマリーが載ってません。

***** 訳 終わり *****

Rotary Endodontic Instrumentationより 2

2005-07-26 16:24:27 | 歯内療法
昨日の続き。

Rotary Endodontic Instrumentationの11~20まで

***** 以下試訳 *****

11. Yared, G.M., F.E. Bou Dagher, and P. Machtou, Cyclic fatigue of ProFile rotary instruments after clinical use. Int Endod J, 2000. 33(3): p. 204-7.
臨床に使用したProFileの繰り返し疲労について
ファイル:ProFile
2000年
結論:ファイルを滅菌したりNaOClの下で使用しても、器具破折の時期が早まるということはなかった。

12. Watson, T.F., D. Flanagan, and D.G. Stone, High and low torque handpieces: cutting dynamics, enamel cracking and tooth temperature. Br Dent J, 2000. 188(12): p. 680-6.
高トルク・低トルクハンドピースについて:切削時の動き、エナメルのクラック、歯の温度など
ファイル:TCバー
2000年
結論:高トルク・低トルクのハンドピース間で、特に負荷と切削率(=cutting rate)を増やした時において、切削機構に違いが見られた。速いタイプのハンドピースでは負荷をあげたほうが結果が良かった。にもかかわらず、このタイプのハンドピースで歯のクラックや過熱が認められるようなエビデンスは得られなかった。このことからもこのタイプのハンドピースは歯に悪影響を及ぼさないものと思われる。

#これは増速コントラとエアータービンの比較の論文?

13. Thompson, S.A. and P.M. Dummer, Shaping ability of Hero 642 rotary nickel-titanium instruments in simulated root canals: Part 2. Int Endod J, 2000. 33(3): p. 255-61.
模型根管でのHero 642ロータリーニッケルチタンファイルの形成能力
ファイル:Hero 642
2000年
結論:この実験の条件下でのHero 642の拡大形成は根管からの逸脱も殆どなく、パーフォレーションも無かった。しかし、短い急な湾曲根管では比較的高い率で逸脱傾向が見られたため、テーパーの大きなファイルを注意して使用したほうがいいようだ。この新しいロータリーファイルの根管拡大での使用に関しての潜在能力を明らかにするためには、さらなる抜去歯での実験が必要だ。

#5年経って、聞いたことが無いってことはあまり良くないファイルだったのかな?

14. Thompson, S.A. and P.M. Dummer, Shaping ability of Hero 642 rotary nickel-titanium instruments in simulated root canals: Part 1. Int Endod J, 2000. 33(3): p. 248-54.
Hero 642の模型根管での形成拡大能
ファイル:Hero 642
2000年
結論:Hero 642は模型根管で素早く拡大形成できたが、三次元的形態としては適切なテーパーではなかった。

#これも酷評されてますね。

15. Shuping, G.B., et al., Reduction of intracanal bacteria using nickel-titanium rotary instrumentation and various medications. J Endod, 2000. 26(12): p. 751-5.
ニッケルチタン・ロータリーファイルと様々な薬剤を使用したときの根管内細菌の減少について
ファイル:??
2000年
結論:この実験の結果から、ロータリーファイルとともにNaOClを用いることが歯内治療時に根管内細菌を減少させる重要なステップである。しかし、この方法でも常に根管内をバクテリアフリーにすることはできない。その目標へ到達し予知性が向上するためには、水酸化カルシウムを併用すべきだ。。

16. Sattapan, B., J.E. Palamara, and H.H. Messer, Torque during canal instrumentation using rotary nickel-titanium files. J Endod, 2000. 26(3): p. 156-60.
ロータリーニッケルチタンファイルでの根管形成時のトルクについて
ファイル:Quantec 2000
2000年
結論:
#意味がよく解らないのだけど、「破折時のねじれモーメントは通常の作業時よりも高くなっており、その時点でのモーメントの値は様々で幅がある」ということかな?
よく解らないので下に本文そのまま貼り付け。

Nickel-titanium engine-driven rotary instruments are used increasingly in endodontic practice. One frequently mentioned problem is fracture of an instrument in the root canal. Very few studies have been conducted on torsional characteristics of these instruments, and none has been done under dynamic conditions. The purposes of this study were to measure the torque generated and the apical force applied during instrumentation with a commercial engine-driven nickel-titanium file system, and to relate torque generated during simulated clinical use to torsional failure of the instruments. Ten extracted human teeth (five with small-sized and five with medium-sized straight root canals) were instrumented with Quantec Series 2000 files, and the torque and apical force generated were measured. The applied apical force was generally low, not exceeding 150 g in either small or medium canals. The torque depended on the tip size and taper of each instrument, and on canal size. Instruments with 0.05 and 0.06 taper generated the highest torque, which was greater in small than in medium canals. The torque at failure was significantly (p <0.001) higher than torque during instrumentation, but with considerable variation in the extent of the difference. 17. Rhodes, J.S., et al., A comparison of two nickel-titanium instrumentation techniques in teeth using microcomputed tomography. Int Endod J, 2000. 33(3): p. 279-85.
microcomputed tomographyを用いた二種類のニッケルチタンテクニックの比較
ファイル:NiTiFlex hand file、prototype ProFile
2000年
結論:どちらのファイルも中心から逸れずに十分なテーパーのついた拡大形成ができた。

18. Kum, K.Y., et al., Shaping ability of three ProFile rotary instrumentation techniques in simulated resin root canals. J Endod, 2000. 26(12): p. 719-23.
レジン製根管模型での三種のProFileの術式での形成拡大能について
ファイル:ProFIle
2000年
結論:作業時間、作業超の変化、オリジナル根管からの逸脱率には差がなかった。ProFile .04だけが有意に歯冠部で除去した歯質が少なかった。

19. Kazemi, R.B., E. Stenman, and L.S. Spangberg, A comparison of stainless steel and nickel-titanium H-type instruments of identical design: torsional and bending tests. Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod, 2000. 90(4): p. 500-6.
ステンレス鋼Hファイルとニッケルチタン製の同一設計のHファイルでの比較:ねじれ試験と曲げ試験
ファイル:特製のファイル?
2000年
結論:素材の異なるファイルのデザインが同一の場合、ニッケルチタンはより柔軟にまがる。しかし、ニッケルチタンはより弱い力で変形し破折にいたる。

20. Jardine, S.J. and K. Gulabivala, An in vitro comparison of canal preparation using two automated rotary nickel-titanium instrumentation techniques. Int Endod J, 2000. 33(4): p. 381-91.
ロータリーニッケルチタンファイルの二種類の自動化したテクニックの根管の拡大形成の比較
ファイル:Flexofile、McXIM、Profile .04
2000年
結論:どの方法を使っても器具の破折さえなければ、根管の湾曲や形態を損ねず形成拡大できた。

***** 終わり *****

なんとなくヤケクソ気味な訳ですが、論文の主旨を把握するときはこんなもん…ということでご勘弁。
にしても、色々なファイルが存在していたようですねー。日本の歯医者は薬事法やら何やらの見えない障壁のおかげで新奇なファイル群に振り回されずに済んでラッキー・・・なんでしょうね。

Rotary Endodontic Instrumentationより

2005-07-25 21:52:41 | 歯内療法
Rotary Endodontic Instrumentation

なんだか論文が一杯。とりあえず、タイトルの訳と実験で使用されてるファイル、発表年度、結論などを。まずは1~10

***** 以下試訳 *****

1. Yared, G.M., F.E. Bou Dagher, and P. Machtou,
Influence of rotational speed, torque and operator's proficiency on ProFile failures. Int Endod J, 2001. 34(1): p. 47-53.
ProFileでの失敗における回転速度・トルク・術者の習熟度の影響
ファイル:ProFile
2001年
結論:器具の破折を防ぎ、噛み込みや変形を生じさせ難くするためには、臨床応用する前に150rpmでのクラウンダウン法によるProFileの訓練が重要である。

2. Yared, G.M., F.E. Bou Dagher, and P. Machtou, Failure of ProFile instruments used with high and low torque motors. Int Endod J, 2001. 34(6): p. 471-5.
高トルク・低トルクで使用したProFileでの失敗例
ファイル:ProFile
2001年
結論:器具の失敗という観点では三種のモーターでは差は無かった。今回の結果ではProFileをクラウンダウン法で使用する場合、エアーモーターが安全だと言える。

3. Szep, S., et al., Preparation of severely curved simulated root canals using engine-driven rotary and conventional hand instruments. Clin Oral Investig, 2001. 5(1): p. 17-25.
ロータリーファイルと従来の手用ファイルを用いた極度に湾曲した根管模型の拡大形成
ファイル:6種類使用(内訳は不明?)
2001年
結論:手用ファイルの方がtransportationの量が少なかったし折れなかった。
ロータリーファイルはトルク制御のモーターを使用したが、transportationを生じ、破折例もあった。

4. Griffiths, I.T., et al., Canal shapes produced sequentially during instrumentation with Quantec SC rotary nickel-titanium instruments: a study in simulated canals. Int Endod J, 2001. 34(2): p. 107-12.
Quantec SCでの拡大形成による根管形態:模型根管での研究
ファイル:Quantec SC
2001年
結論:Quantec SCはサイズ7(25番、0.05テーパー)以上では必ず根管からの逸脱が認められた。実際の歯で使用する際にも注意を要する。

5. Gluskin, A.H., D.C. Brown, and L.S. Buchanan, A reconstructed computerized tomographic comparison of Ni-Ti rotary GT files versus traditional instruments in canals shaped by novice operators. Int Endod J, 2001. 34(6): p. 476-84.
Ni-TiロータリーGTファイルと従来のファイルで未習熟の術者により拡大形成された根管のreconstructed computerized tomographyによる比較
ファイル:GT-ロータリーファイル
2001年
結論:この実験の条件下では未習熟の歯学生でもNi-Tiロータリーファイルを用いると、従来の手用ファイルと比較すると、湾曲根管をtransportationを少なく、歯の構造を十分保存したまま拡大形成することができた。ロータリーファイルを用いた方が有意に早かった。

6. Garip, Y. and M. Gunday, The use of computed tomography when comparing nickel-titanium and stainless steel files during preparation of simulated curved canals. Int Endod J, 2001. 34(6): p. 452-7.
ニッケルチタンファイルとステンレス鋼ファイルでの模型湾曲根管の形成拡大のcomputed tomographyでの比較
ファイル:??
2001年
結論:Ni-Tiの器具ではtransportationの少ない、centring ratioの良好な、適切な拡大形成ができた。

7. Gambarini, G., Cyclic fatigue of ProFile rotary instruments after prolonged clinical use. Int Endod J, 2001. 34(5): p. 386-9.
長期にわたるProFileの繰り返し使用による疲労について
ファイル:ProFile
2001年
結論:Ni-Tiの器具を長期使用すると有意にcyclic fatigue resitanceが低下する。しかし、いずれのロータリーファイルも根管内での失敗なく10症例での良好な使用ができた。

8. Ferraz, C.C., et al., Apical extrusion of debris and irrigants using two hand and three engine-driven instrumentation techniques. Int Endod J, 2001. 34(5): p. 354-8.
二種の手用ファイルと三種のengine-driven instrumentation techniquesを使用した際の、根尖からのデブリーと洗浄薬の溢出
ファイル:ProFile .04、Quantec 2000、Pow-R
2001年
結論:全体的に言って、engine-driven nickel-titaniumのシステムは根尖側への溢出が少ないようだ。

9. Fariniuk, L.F., et al., Modeling capacity of ENDOflash files in simulated root canals. Braz Dent J, 2001. 12(1): p. 39-42.
根管模型でのENDOflash fileの形成能力について
ファイル:ProFileとステンレス鋼のENDOflashロータリーファイル
2001年
結論:ENDOflashロータリーファイルの方が湾曲根管模型でのtransportationが大きかった。

10. Fabra-Campos, H. and J. Rodriguez-Vallejo, Digitization, analysis and processing of dental images during root canal preparation with Quantec Series 2000 instruments. Int Endod J, 2001. 34(1): p. 29-39.
Quantec 2000での根管の拡大形成の画像のデジタル化解析処理
ファイル:Quantec 2000
2001年
結論:この実験の条件下ではQuantec 2000は簡便、安全に使用でき、三次元的にも良好な機械的な形成拡大ができる。

***** とりあえずココまで *****

こうして見ると4,5年前の実験でも試験されているファイルが一昔前のもののような気がしてしまいますねー。

これは一体?

2005-07-24 18:39:15 | 歯内療法
ニッケルチタン~♪と思って検索していると、こんなサイトに行き着きました。
なんか、知ってるファイルが少なくて、知らないファイルがいくつか。
一番上のEndoSequenceっていうのは調べてみるとこないだココでボロクソに書いたEndoWaveと同じものみたい。

フレックスマスターに似たような商品もタックエンドファイルとかK3とかに似たような商品も無いような感じ。Quantecもアメリカでは人気が無いと聞いたことがあるけれど、やはりココのラインナップには無い。所変わればなんとやら。

あれこれ見てると、奇妙な商品が。表の一番下の「libarator」という商品。なんかデザインがユニーク。っていうか変な形。
ちょいとココを見てみてください。ついでに動画による解説も。確かにジップは作らなさそうな気もするけど。

*****

最初に挙げたサイトの表の話に戻りますが、1本あたりのファイルの価格も列挙されていますが、値段に幅がありますねー。6.65ドルから29.99ドルまで。1本30ドル近いファイル・・・って言っても見た目に差は無さそうなんだけど。差があるんでしょうかね。

EndoWaveを使ってみた

2005-07-14 11:16:20 | 歯内療法
04テーパーの#30と#35の在庫が切れそうなのでEndoWaveを買ってみた。

なんか見慣れない形をしている。普段は慣れているという理由でGT-Rotaryファイルを使っているのだけれど、それに比べるとピッチ幅が全然違う。倍以上違う。改めてカタログをよく見てみると(←買う前によく見ろという話も)先端は根管内面に非接触、先端から根元に近づくにつれ1点接触→3点接触になるとか。この辺は食い込みや破折防止なんだろうけど、湾曲根管だと非接触の部分が接触しちゃうじゃないか。それでも良いのかなぁ?と思いつつ、若干湾曲した根管でトライ。・・・たぶん、先端が切れないようになっているのだろう、GT-Rotaryファイルやタックエンドファイルを使ったときのようには入らない。ので、先端0.5ミリ~1ミリは手でやることに。

ラインナップにあるEndoWave LAXも興味はあるのだけれど、どうもこのブランドのファイルは直線的な根管で使えということかな?手で良いじゃん、そんなの。・・・などと思うと材料学は発展しないのか。

ひらたく言えば、なんか今ひとつな印象でした。