カタカナ英語
研究をしていて大きな発見があると、われわれ科学者は学術論文として学界に発表にする。ふつう論文は英語で書く。その理由は、世界の標準語が英語だからというだけでなく、英語で書かれた論文でないと成果を成果として認めてもらえないという風潮があるからである。実際に、ノーベル賞級の発見をしたのに、それが日本語の論文だったために受賞候補にあがるチャンスを逃してしまった科学者が過去にいる。
そんなわけで私も英語で論文を書くことを余儀なくされている。英語圏の研究者に後れをとるハンディキャップだ。しかし、これは日本人だけの問題ではない。なぜなら、フランス人でもドイツ人でも中国人でも皆、英語で論文を書かねばならないからである。しかし、面白い事実がある。
英語の論文を雑誌に載せるときには、その雑誌ごとに規定がある。つまり、総文字数の制限や、どんなスタイルで書かなければいけないかなどといった制約である。規定を読むと、多くの雑誌で次のようなことが書かれている。
日本人の著者の方へ
英語のネイティブな人に文章をチェックしてもらってから
論文を投稿してください。
もちろん、これは日本人だけが読む規定コーナーではない。世界中の研究者に向けて書かれたページだ。にもかかわらず、日本人向けにこうした一文がわざわざ付け加えられている。そのくらい日本人の英語下手は世界中で有名なのだ。
書く英語だけではない。話す英語も同じである。
先に私の体験として「話した英語が通じない」ことを書いた。これは誇張でない。おそらく英米に渡った多くの日本人も同様な思いをしているだろう。もちろん理由は一つ。日本人独特のナマりやアクセントがあまりにもひどいからである。そう、カタカナ英語なのだ。
私たちの話す英語は、英語圏の国々では「ジャングリッシュ」と呼ばれている。ジャパニーズ(日本語)とイングリッシュ(英語)の合成語だろうと思う。つまり「あなたの英語と私たちの英語は別の言語ですよ」という皮肉なのだ。
もちろんジャングリッシュは彼らには通じない。ジャングリッシュで話しかけられた英米人は、そもそも英語で声をかけられていることに気づかないという。そして「よく聞いてみると日本語は意外と英語に似ているようだ」と勘違いするらしい。そのくらい日本人の発音は正しい英語からかけ離れているというわけだ。
私が思うに日本人の発音が英米人に通じない原因は三つある。
1.発音数の差
2.無母音声の有無
3.推測言語と技巧言語
の三点である。説明していこう。
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