万城目研究

「鴨川ホルモー」とか「プリンセス・トヨトミ」とか「鹿男あをによし」とか

『プリンセス トヨトミ』観て来ました

2011年06月01日 | 『プリンセス・トヨトミ』

公開日5日目にもなると、既に色々他人様の感想を読んでしまってるわけで、悩ましいなぁと思ってたのだけど、それなりに楽しめました。

原作を3度くらい読んでいるので、「実は大阪国と言うものがあってな」と言うところから説明を受けずに済んだのはラッキーだったと言うべきか。
どちらかと言えば、ああ、空堀から大阪城へ続くトンネルはこんな風になったのか、ああ、「太閤」、えらいレトロなお好み焼屋だなとか、それはそれで面白いです。
中井貴一さんが、とてもいい演技をしていて、原作の真田幸一さんよりはるかにかっこいい。
沢木ルカちゃんが、たまらん。
原作では、茶子の細い目にこだわっていたけど、ルカ茶子の目ヂカラも素晴らしい。
あと、大阪城があんなにデカいと初めて知った。
あれは、府庁から撮影してるんだろうか。
あれほどデカく感じられる構図の大阪城は珍しい。
盛ってないよね・・・?

まぁ、「わけわからん」と前に座ってる人が呟くのも、しょうがないかなぁ、とは思ったけど・・

(ここからネタバレ)

基本、小説と映画は別モノだと思っているので、ストーリーが改変されるのはそんな気にしない方です。
でも、核になるテーマは大事かな、と思う。

大阪と言う街と、そこに暮らす人々を映し取ること

父と息子が紡いで行く物語

この二つは、大事にして欲しかったかなぁ。
大阪人ではないけど、大阪に長いこと住んで、今も仕事してる身としては、もっと普通の大阪の街を見せて欲しかった。自分の知っている大阪とはあまりにもかけ離れていて(新世界や道頓堀も確かに大阪ではあるけれど)、これはどこのアジアの街かどだろう、と思ってしまった・・。
空堀商店街も、あの辺りは大阪でも随一の文教地区と言われて、どちらかと言うとのんびりし過ぎて眠たくなるような所です。

大輔と茶子を中心とした、大阪人の物語を大阪人側から描いて欲しかったとか、松平の父親の設定は変えて欲しくなかったなぁ、とか、ちょっと気にはなりました。

大阪を丁寧に描かなければ、大阪国と言うものにリアリティーを持たせられない。
松平の父親が官僚のエリート中のエリートであり、息子に対しても温かい言葉のひとつも掛けないような冷酷な男だったからこそ、そんな男をしても、息子にどうしても大阪国の事を、大阪国人として生きる事を伝えたいと思わせた、父としての息子への義務の大きさを知らされる。絶ち難い父と息子の物語を理解したからこそ、それが大阪国の存在意義なのだと理解したからこそ、松平は手を引いたのではないのか。

・・などとは、少し思いました。

うーん、でも、最後のクレジットで大阪関連の名前がずらずら出て来た時、たくさんの思いが詰まってるんだなーと思って、「わけわからん」と片付けられてしまうと、ちょっと悲しい。


赤く燃える大阪城

2011年05月11日 | 『プリンセス・トヨトミ』

facebook「大阪城天守閣復興80周年記念プロジェクト」さんページで、大阪城のテスト赤ライトアップの画像がアップされてます。

http://www.facebook.com/osakacastle80

実写見て、そうかぁ~と言う感じです。

小説読んでると、もっと燃えるような赤く染まる大阪城を想像していたんですが、こう言う感じかぁ。

って、facebookやってないと見れないから、申し訳ないですが・・

どうやら私は16日の映画イベントははずれたようです。

当たった方は、赤大阪城堪能して来て下さい。

肉眼で見ると、もっと真っ赤かなぁー。


「大阪国の観測史上最も熱い夏 ~メイキング オブ プリンセス トヨトミ~」

2011年05月03日 | 『プリンセス・トヨトミ』

@日本映画チャンネル

とても楽しそうな現場風景を見ることが出来ました。


エキストラの大阪のおっちゃんたちのノリの良さに驚愕w
堤真一も思わず迫力に押されて笑いだす始末。
ただ、バラエティー番組に出て来るようなどぎつい大阪人じゃなくて等身大の大阪人で良かった。
関西テレビのヤマヒロさんも居た。泉佐野市出身なんで、大阪国が本当にあるとすれば、正真正銘大阪国民には違いない。

岡田将生が綺麗過ぎ。旭役でも違和感なし。

綾瀬はるかのミラクル鳥居も可愛い。

文庫版『プリンセス・トヨトミ』のあとがきに出て来るエピが挿入されてる。

でも、『鹿男』の時の細かい設定の改変はあるけど、ストーリー的にはほぼ変更なしみたいな感じになるのかなぁ。

赤く染まる大阪城と、都市機能が停止した大阪の街を男ばかりを乗せた電車が大阪城に向かうシーンを実写で見るのが楽しみ。


『プリンセス・トヨトミ』の泣きどころ(ねたばれ)

2011年04月29日 | 『プリンセス・トヨトミ』

ねたばれです。







もちろん、松平が父親が自分に伝えたかった事を知るシーンは大好きだけど、なぜか思いもかけず「ぐっ」と来てしまう一文がある。

それはあまりにやりすぎじゃないか。
そう人々が思ったとき、すべては始まったのだという。


ここから始まる、大阪国成立までの物語にやられてしまう。
判官びいきとも浪速節とも違う。
ただ、「放っておけない」と言う、大阪人のお節介気質。

「これは、あまりにかわいそうじゃないか」

と言う気持ちだけで、大胆な、とひとことで片付けるにはあまりにも大胆な行動に出てしまう、直情気質。
そのくせ、緻密なのかいい加減なのかわからない、のらりくらりとした態度で強い者からの追求をかわしてしまう。
根っからの「町人」気質。

「大阪国」と言う、とことんファンタジーな物語に、でも、ひょっとしてほんとにあるんじゃないの?と疑ってしまう程にリアリティーを持たせ得ているのは、ひとえに、「大阪人ならやりかねない」と言う、そのひとことに尽きる。

大阪人って言うのは、おもろくてえげつないだけじゃなく、お節介で、「人情」と言うようなちょっと古臭い言葉を使って照れ隠しをしているけれど、実は、とても優しい。
それを知っているから、

「それはあまりにやりすぎじゃないか」
「これは、あまりにかわいそうじゃないか」

と言う理由だけで、天下をコケにする大阪人の姿が容易に想像できる。
何て、あほなんだろう。
あほ過ぎて、泣ける。


まぁ、憎たらしいこともあるんですけどね。
でも、時々、大阪に生まれたかったなぁ、って正直思うことはある。


万城目さん、プロモ

2011年04月29日 | 『プリンセス・トヨトミ』

『プリンセス トヨトミ』ツイッターから流れて来ました。

5月1日(日)朝7:00~ フジテレビ「ボクらの時代」
5月7日「LEE」 対談(綾瀬はるか、万城目学)
5月15日
「ロケーションジャパン」 インタビュー(原作:万城目学、監督:鈴木監督)