最近、釣りに出かける私に向けられる家族の視線が冷たい。
理由は、手ぶらで帰ることが多くなったからだ。
先日も、「パパ、最近釣りが下手になったよね」と言われた。
ななな、なんですと。失礼な。
確かに手ぶらで帰ることは多くなったが、それは釣りに対する考え方が少し変わったから。
やみくもに釣果を求めるのではなく、釣りたい魚を自分の好きなスタイルで狙うというプロセスを楽しめるようになってきたからである。
現在、ブータン国王夫妻が来日中だが、かの国では、国の豊かさを測るために、GNP（国民総生産）等の一般的な経済指標ではなく、GNH（国民総幸福量）という独自の指標を用いているという。
人の幸せは、お金やモノの豊かさだけではないということだ。
釣りも同じ。
たくさん釣ればいいというものではない。
大切なのは、そのプロセスを自分がどう楽しむかだ。
とはいえ、わが家の今後を考えれば、家長の権威失墜はゆゆしき事態である。
たまにはパッと目の覚めるような釣果を家族に見せてやらなければならない。
しかし・・・物事はそう簡単にはいかない。
予報によれば今週末もまた天気が崩れるらしい。
土曜日未明から強い西風が吹き、うねりも入るようだ。
金曜の夜までなら大丈夫そうだが、土曜日朝マズメの釣りはきついかもしれない。
場合によっては、今週末の釣行は見送りかな・・・
と、半ば諦め気味だった金曜日の午後、外房へ平日出撃中の釣友から迷惑メールを受電。
なんと、昼間からアジが爆釣。さらに、泳がせで釣ったというイナダ画像のおまけ付き。
おお～、居るじゃないか！イナダちゃん♪
強風下での泳がせは難しいが、ショアジギングならいけるかもしれない。
ダメで元々。朝マズメ一本勝負で出撃することにした。
かくして、土曜日未明。
やってきたのは風裏になる某所。
前日の釣友のャCントではない。
航空地図とさんざん睨めっこをして見当をつけた、西の強風時でも（おそらく）ウネリの入らないャCントだ。
たとえ一日違いでも、海況が変われば選ぶャCントも変わるのである。
荷物を担ぎ、数名入れば満員の堤防先端の釣り座に向かう。
強風で波立ち、時折しぶきを被ってはいるものの、ウネリの影響は許容範囲。
よっしゃ、予想通り♪
さっそくタックルをセットして、夜明けとともに釣り開始。
すると、数投目ですぐに本日１本目がヒット。
約40cmのイナダかワカシか微妙なサイズだったが、今日釣った魚はキープすると決めていたのですぐに活き締め＆血抜き処理。
続いて２本目を狙ってキャストを繰り返したが・・・・・その後はアタリ無し。
あれれ？さっきのは通りすがりの魚だったのか？
もしかして、やっちまったか（汗）。
やがてすっかり日も昇り、周囲の海面の色がはっきりと分かるようになってきた。
私がそれまでキャストしていたのは、隣接するサーフ方面から流れてくる薄茶色がかった濁り潮のエリア。
ところが、少し方角を変えて見れば、青みがかった比較的澄んだ潮のエリアがある。
そして、その境界は、混ざり合うことなく沖に向かって伸びている。
海面が波立っていたためわからなかったが、典型的な「潮目」である。
立ち位置を変え、潮目に沿って澄み潮側にルアーを通してやると、さっきまでの沈黙が嘘のようにアタリが出始めた。
なるほど、こっち側か。
すぐに40cm級を数本追加した。
そして、なおもキャストを続けていると・・・・
突然「ドスン！」とそれまでとは違うアタリが出た。
イナワラサイズか？
しかし、一本目はまさかの合わせ切れ（泣）。
強風対策のつもりで細糸（PE 1.5 号）を使っていたのが裏目に出た。
ノットが傷んでいたか、ラインのどこかに傷でもついていたのだろう。
すぐにPE 2.5号を巻いたスプールに交換して再開すると、再びいい感じのアタリ。
今度は順調に足元まで寄せてきたが、なかなか浮いてこない。
もたもたしているうちに障害物にラインをとられてしまった。
あちゃあっ、下手糞っ！（汗）
ラインを緩め、魚が動き出したところで勝負を試みたが、リーダーの上から無念のブレイク。
ぐわあっ・・・・・！（泣）
その後は再び40cmクラスのヒットが続き、計９本をキープ。
ベイトが沈んでいるのかイナダも底層を回っているようで、ジグの着底後、数シャクリ目で食ってくるパターンが多かった。
クーラーボックスが一杯になってきたので、10本目が釣れたら終わりにしようと決めてラストキャスト。
ところが、不思議なもので、「ラスト一匹」と意気込んだとたんアタリが遠のいた。
もしかして、殺気を発して気づかれてしまったか（笑）。
しばらく悶絶タイムが続いたが、最後は、本日最小のおチビちゃん（38cm）がピックアップ寸前のルアーに横っ飛びでアタック。
思惑通りクーラーボックス（小型だけど）を満杯にして、本日の釣りを終了した。
イナダ、ワカシ 38～42ｃｍ
わっはっは！
どうだ、パパがちょっと本気出せば、ざっとこんなもんだ。
見直しなさい。
尊敬しなさい。
友達に自慢しなさい。
ああ、そうだ。
ついでにママは、パパのために晩酌用のお酒を買ってきなさい。
・・・なんてことを言うと二度と家に入れてもらえなくなるので、帰りがけに自分で調達した。
御宿：岩瀬酒造の「岩の井」純米酒
残る問題は、この魚を、いかに家族に飽きられないように料理するかである。
これは正直、釣りよりも難しい（汗）。
＜本日のタックル＞
ロッド：ダイコー／タイドマークロッキーショア98/10
リール：シマノ／ステラSW5000HG（スプール交換後、6000HG）
ライン：PE1.5号＋フロロ6号（スプール交換後、PE2.5号＋フロロ8号）
ルアー：メタルフリッカー、ヒラジグラ、ブランカ各60g
＜11月21日追記＞
イナダ料理の件ですが、初日はやはり新鮮なうちにお刺身でいただきました。
わさび醤油、生姜醤油、にんにく醤油を用意しましたが、好評だったのはにんにく醤油でした。
口臭注意！（笑）
二日目は、これも定番メニューの照り焼きでいただきました。
たれを少し焦がして香ばしさを出すのがコツです。
あと6本残ってますが、3枚おろしの状態でとりあえず冷凍しています。
次はさつま揚げにトライしてみるつもりです♪
