雑記

世界初の安眠グッズ「マイドーム」やプリントフェイスマスクのPrincipal株式会社 社長ブログ

時は流れて

2015年02月03日 15時07分13秒 | 雑感
いささか心得があるので、放置していた19世紀末のフレンチバソンを修復した。

西洋柘植のボディに植物油を入れ息漏れを直し、しかるべきリードをあつらえ吹いてみる。

しばらく音は安定しないが、やがて呼気が筒の内径を元通りに膨ませ、正しい音程になる。

明るく繊細な音色は、ドビュッシーなど印象派時代の音楽にふさわしい。

昨今は木管楽器も均質化が進み、世界中の楽団が同じような音で響くが、昔は独特の音色を持った名物奏者がいたものだ。
 
「カラヤン全盛時代のベルリンフィル首席オーボエ、ローター・コッホは上半分と下半分別々の楽器を組んで絶妙なソロを披露した」

「同じ頃、パリオペラ座では・・・」と、酒場の蓄音機は名手のソロを奏で、グラスを片手に仲間たちが語り出す。

今度は楽器を持って集まろうぜ、と誰かがカウンターの隅で言った。あいつの命日に集まろう。と。

献杯がひとしきり続き、日付は変わり時計が滲む。心地よい宴に際限はない。





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