レストランの従業員たちの食事を賄い食といいます。もちろん、それは、シェフが作るのではなく、新人が作ります。賄い食は、すぐに作れ、早く食べられるものが中心です。イタリアでは、生ハム、チーズ、トマトパスタが中心でしたが、たまに、肉も焼きました。出来上がると、みんなでワインをたくさん飲みながら、黙々と食べ、仕事を始めます。ワインをたくさん飲みながら、食事をとるのは、やはり、イタリア人の素晴らしいところです。日本の、賄い食では、あり得ません。
自分たちは、大学生と高校生のアルバイトと、4人で一つのテーブルでいつも食事をとっていたのですが、自分たち夫婦は日本語、イタリア人の二人はイタリア語、自分と大学生は英語と4人しかいないのに、3か国語で話します。意志疎通が大変です。しかし、人は、少しくらい言葉が違っても何とかなるものです。改めて、面白いものだと感じました。
自分が、賄いの担当の時は、とても大変でした。日本の食材をほとんど持って行かなかったので、イタリアのもので準備しなければならず、また、作り方も違うので、日本では喜ばれる、とろとろのオムレツは、誰も食べていただけませんでした。イタリアでは、すべての食材に、これでもかというくらい、火を入れなければ、食べてもらえません。好みも、国によってそれぞれです。
イタリアの厨房では、地元チームのサッカーの試合が始まると、誰もいなくなってしまい、みなテレビを見ています。いくらオーダーが入ろうが、一人で作らなければなりません。国民性の違いをとても感じました。
次回は、料理作りを紹介します。