子供の頃、家族でよく遊びに出かけていました。
たまに遠出することがあり、私が小学校の低学年の頃だったと思うのですが、父が、
「奈良の大仏さまを見に行こう。奈良の大仏さまは日本一大きくてりっぱな仏さまなんやで。」と言って奈良に連れて行ってくれました。
初めて見る大仏さまに感動して、大仏さまの鼻の穴と同じ大きさの柱くぐりもワクワクして通り抜けました。
その時に父がおみやげとして買ってくれたのが、『地獄と極楽』という漫画の絵本でした。
読み始めてすぐにその面白さにはまってしまいました。
閻魔さまの裁き、八大地獄で苦しむ人々、極楽の美しい景色とその生活。
「ねぇ、おばあちゃん、地獄って本当にあるの?閻魔さまって本当にいるの?地獄に落ちないようにするにはどうしたらいいの?」
当時私の家は商売をしていて両親は忙しく、いつも私は同居していた祖父母と過ごしていました。
祖母は毎月欠かさずお大師様の日にお寺にお参りするのを習慣にしていて、子供の頃私は月に一度祖母と電車に乗ってお寺に行くのがとても楽しみでした。
時々仏教の話しをしてくれて、その時も私の質問に地獄に落ちて苦しむ人々を救ってくれる西方極楽浄土の阿弥陀さまのお話や、賽の河原で泣いている子供を救ってくれるお地蔵さまのお話をしてくれました。
そんな祖母の話を私はとても興味津々に聞きました。
この絵本は、10年ほど前家族で奈良の大仏さまを見に行った時に買いました。
「お母さんが子供の時に好きだった絵本なんだけど読んでみて。懐しいわ~。」
と子供に渡したところ、息子が興味深そうに読んでくれました。
振り返ってみれば、私が死後の世界に初めて興味を持ったのはこの絵本でした。
地獄は本当にあるのか、どうやったら地獄に落ちずにすむのか。
大人になってから、源信の『往生要集』や、スウェーデンボルグの『霊界探訪記』や、ダンテの『神曲』などを読みましたが、読んだといっても原典は難しいので抄訳を読んだだけなのですが、やっぱり何か足らない気がしてもっと納得できるものを探したいと思いました。
だから霊魂学に出会えて本当によかったです。
霊魂学が教えてくれる死後の世界は、他のどの説よりも具体的でわかりやすくて迫力があって面白いです!