35歳からのアメリカ行政学・公共経営PhD挑戦

ノンキャリ国家公務員を辞め、アメリカ行政学・公共経営のPhDに挑戦するオッサンのブログ(毎週1回更新...たぶん)

30代からの数学

2014-07-11 11:40:31 | PhD生活
 7/19から約1ヵ月ミシガン大学で開催される統計強化研修に参加する予定です。この夏期研修プログラムは、政治、行政、社会学などの若手研究者(助教授~博士課程の学生)に対し最新の統計手法を教え、統計の社会科学への応用を促進することを目的としています。同プログラムは、ICPSR(Inter-University Consortium for Political and Social Research)という740の大学、研究機関及び政府からの出資をもとに組織された機関によって、50年以上運営されてきました。いつか日本でも大学の枠を超えて、最新の研究手法を若手研究者に教えるような機関ができればいいのですが(^ ^; 学閥などで難しいのでしょうね...アメリカの細かな運営は雑ですが、学問発展のために大きな視点でこんな組織を創れてしまうところは感心せざるを得ません。
 同研修プログラムの講師として、統計を得意とする政治学者だけでなく、理系で統計を専攻する若手研究者(主に助教授)も参加しています。実際自分が受講する統計クラスの講師は、腫瘍学の若手助教授で30代前半です。現在彼が事前に配信したYouTube動画をもとに、線形代数を勉強しているのですが...完全にレベルの違いを見せつけられています(゜д゜ノ)ノ ヒィィ!!
 このブログのプロフィールにもあるように、自分は中堅私立大出身で、大学受験の際も真面目に勉強しなかった人間です。統計や数学を始めたのは、32歳で初めてアメリカに修士留学したとき。以来、ミミズのような数学記号に悩まされてきたのですが(*_*) 個性的な数学者に関する伝記などを読むうちに興味が湧き、何とか苦行の末ミミズ君たちと知り合いぐらいにはなれた気分でいます。
 数学と聞くと敷居が高く感じますが、受験を離れて自分の趣味として勉強すると、数学の概念が実社会の事象を考えるうえでも役に立つように思います。例えば、対数や行列などを勉強すると、1つの数・集合(実社会では集団)には様々な性質・側面があることに気づかされます。つまり、受験数学は一部の公式に縛られた画一的な世界ですが、大学数学まで概念を進めると、数学の世界は無限の広がりの一部を垣間見せてくれます。自分の専攻する政治・行政の世界にも、「○○は絶対こうだ!」などと断言する人達が間違っている可能性が高いという示唆を与えてくれているようにも思います。
 私たちは何かを学ぶにはとても良い時代に生まれ、YouTubeで大学の講義をアップしておられる大学の先生方もいます。特に自分のお勧めは、筑波大学 照井准教授(数学)のYouTube講義(微積分I & 線形代数I)です。丁寧でゆっくりとしたペースで進んでいくので、初学者の私達にはとても理解しやすいです。夏の手習いとして、数学を始めてみてはいかがでしょうか(^ ^;


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3 コメント

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はじめまして (アラン)
2014-07-17 08:42:09
はじめまして。先日偶然このサイトに辿り着き、大変興味深く読ませていただきました。何よりユーモアに溢れた文章が面白くもっと読みたいと思わされるような記事が多かったです。
私はカナダでPhDを昨年からはじめたものです。専門は応用言語学、英語教育関係です。私もPhD出願時は教員を退職することを決めてからでしたので、それはもうハラハラで、なんとか今の大学に受け入れてもらえてラッキーでした。このブログ記事もそういう意味で共感しながら読んでいました。
分野は違えど、私も統計を勉強していますが、このミシガン大学のプログラムは魅力的ですね。自分のような言語系の人でも参加できますか?自分は心理学部の上級統計まで履修する予定ですので、社会科学系とはちょっと違うかもしれませんが、統計の基本はどの科目も同じだと思いますので、もしプログラムがマッチすればこういうサマーコースもぜひ参加してみたいです。
長々と失礼しました。これからもブログを楽しみにしています。
Re: はじめまして (ブログ主)
2014-07-17 10:52:11
アランさん、コメントありがとうございます!言語学のPhDの方に記事が面白いなんて言われたら...嬉しすぎて顔が緩みっぱなしです(´ー`*) 教員の退職を決められて、しっかりPhDに合格されてしまうのは凄いです!!
 ICPSRのSummer Programは分野に関係なくどなたでも参加できます!Structural Equation ModelingやCategorical Data Analysisなどの授業はアランさんの分野にもフィットすると考えます。
 ただICPSR Summer Programは、かなり割引されているものの、タダではありません。自分は授業料($2,300)を自費で払いました(うちのDeanがお情けで$500支給)。かなり痛い出費ですが、いま統計の技術を拡げておくことが、10年先の自分を助けてくれると信じています。
ありがとうございます (アラン)
2014-07-17 12:22:05
ブログ主様

返信ありがとうございます。お世辞ではなく、本当に面白いと思いますよ。特に、研究室に遅くまでいる理由とか爆笑しました(笑

自分は8個くらい受験してことごとくアメリカやオーストラリアに落ちて、でも最後は行きたかったカナダの大学からの補欠合格繰上げで合格です。ただ授業料の奨学金しかなくて、生活費は退職金などを切り崩す生活です。TAもあまりなくて1年目は苦労しました。自分は現場(中高)で10年くらい英語を教えて来たのでブログ主さんと年齢も近いと思います。MAは休職して自費でイギリスで取りました。

統計のプログラムのページをみましたが選択科目が多いのでしょうか?コースがきめられていますか?2セッションありましたよね。ゲーム理論などは自分には必要ないかと思ったので。。費用は仕方ないですね、無料とは思っていませんでしたので大丈夫です。来年は自分も参加しようと思います。貴重な情報ありがとうございます。

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