35歳からのアメリカ行政学・公共経営PhD挑戦

ノンキャリ国家公務員を辞め、アメリカ行政学・公共経営のPhDに挑戦するオッサンのブログ(毎週1回更新...たぶん)

Are you hungry?

2014-05-29 20:03:52 | PhD生活
 先週より日本に一時帰国しています...6月初旬までの短い滞在(T-T) マザコンの自分は真っ先に、空港で「かあちゃーん!会いたかったよー!!」と迎えに来た母に抱きつこうとしたところ、いつものように蹴り飛ばされました(苦笑)
 そんな家族漫才はさておき、海外生活5年を経て、日本滞在が非日常となった自分には、日本という国の異様さ・凄さを年々強く感じるのです。あ、あ、あまりに便利すぎる!!!こんな便利で何でも簡単に手に入る国にいたら、ハングリー精神なんて絶対育たない(((; ゜д゜)))
 現在千葉の片田舎に両親が祖母と一緒に暮らしているのですが、そんな場所でもコンビニに行けば日用雑貨から雑誌・マンガまで何でも手に入る!店員さんも丁寧!さらに、500円以下でアメリカの数倍美味しいご飯が食べられる...牛丼、ほっともっとのお弁当、ラーメン(高いのもあるけど)!店員さんどこでも超丁寧Again!!
 全然努力するインセンティブないじゃん!必死でたくさん稼がなくたって、幸せな日常が溢れているじゃん!!ニューヨーク近郊の比較的都会な場所に住みながら、近くにスーパーも雑貨屋もない。キャンパス内のコンビニ的小さな店には、ありえない高値で洗剤やパンなどが売られている...店員さん超無愛想。さらに、フライドチキンやハンバーガーなどのファスト・フードが唯一500円以下の食事...店員さん横柄+ミスだらけ。アメリカでは車とお金がないと、人間的な生活はできない...そう、助手兼博士課程の学生である自分はいつでもハングリーなのです。日本を離れるのは本当に辛いけど、自分は日本の便利さ快適さに甘えてハングリーになれなかった人間...異国の地でしか自分を世界レベルに高められないんだ(≧へ≦)と言い聞かせて再びアメリカに発とうと思います。
 

熱狂のあと

2014-05-25 12:37:37 | PhD生活
 90年代アメリカでニルヴァーナとともに、グランジ・ロックの流行を作り出したパール・ジャムというバンドがあります。当時のアルバムセールス記録を打ち立てるなどジェネレーションX(1960-80年生まれ世代のこと)の代表とまで言われた人達ですが、90年代後半には従来とは異なるスタイルの音楽を追求した結果、人気は明らかに衰えていきました。
 パール・ジャムと対照的なのが、人気絶頂期に拳銃で自らの命を絶ったニルヴァーナのカート・コヴァーンです。死を選んだことにより、彼は90年代ロック・シーンの伝説となり、現在でも未公開の古い音源が発表されるたびに、全米チャート上位のセールスを記録するほどです。
 先日パール・ジャムのバンド結成~人気絶頂~現在を記録したドキュメンタリー「Pearl Jam 20」を観る機会がありました。最も印象的だったのが、彼らが3枚のメガヒット・アルバムを出した後、従来の激しいロックとは異なる様々な音楽を模索する過程を、長く音楽を続けていくうえで必要だったと語っていたことです。
 彼らは20代を過ぎ30代になると、シンボルマークでもあったライブ中にギターを壊したり、観客にダイブしたりする行動ができなくなっていったと話しています。つまり、熱狂的に音楽に没頭していった頃から、年齢を重ね客観的に自分を見るようになり、ファンやマスコミが求めるロック・スターとしてのクレイジーなイメージと葛藤するようになったようです。現在彼らはかつてのように数千万枚というセールスはないものの、ボサノバ風な曲を含め音楽の幅を広げつつ地道に活動を続け、非常に強固なファン層を持ち、息の長いロックバンドとして再評価されつつあります。これはロックの狂気の中で伝説となったカート・コヴァーンとは、対照的なストーリーです。
 自分は先日通常2年半~3年かかる博士課程の単位を2年で取り終え、オールAという最高の結果を残すことができました。元来詰めが甘く勉強熱心でない自分が、このような結果を残せたのは、5度のPhD受験失敗の末に掴んだ研究者の道に対する熱狂的な思いがあったからだと考えます。今後数十年研究者として活躍していくために、熱狂が冷めたあと、いかに研究と向き合っていくかが重要だと、パール・ジャムが教えてくれているように思いました。

Comp:PhD適正試験

2014-05-15 03:35:36 | PhD生活
 今週月曜にアメリカ政治史の筆記試験を終え、成績はまだ出ていませんが、ラトガース大学行政大学院博士課程が要求する授業単位を全て終えました(*゜▽゜ノノ゛☆パチパチ
 ただ、アメリカ博士課程単位満了は、規定単位数を満たしただけでは認定されません。Comprehensive Exam(通称Comp-コンプ-, Qualifying Exam, Preliminary Examなど学部・大学により呼び方は様々)と呼ばれるこれまでの授業を総括したような厳しい試験に合格しなければ、次のステップである博士論文に進めません。この試験の問題出題者は指導教授になるため、同試験を受ける前に博士論文の大まかなトピックを決め、試験問題の作成及び博士論文の指導を教授1人に承諾してもらう必要があります(過去記事参照)。
 試験の難易度は、それぞれの大学院及び指導教授ごとに大きく異なりますが、全米20位以内にランクされている社会科学系PhDでは、このPhD取得者としての総合基礎力を判定する試験を受けずに退学したり、あるいは、同試験を不合格となって退学する学生が3割以上いると言われています。試験は通常2回まで受験可能で、2回試験に失敗すると退学しなければならないという規定はどの研究大学でも同じです。ラトガース大学行政大学院では、試験は持ち帰り方式で、問題受け取り後48時間以内で回答を提出することとなっています。
 自分の場合は非常に幸運なことに、博士課程1年目必修科目担当のF教授が自分の期末ペーパーに興味を持ち、昨年既に自分の指導教授を引き受けてくれていました。また、F教授は以前ニューヨーク州立大学公共政策大学院院長として、全米約300の大学院で構成される行政・公共政策大学院協会(NASPAA)の会長まで務めた学会で誰もが知る重鎮です。
 そんな忙しくて偉い方に自分の総括試験の問題作成をお願いするということで、事前にアポイントを取り、先日非常に緊張しながら試験について相談しに行きました...

F教授「えっ、もう授業全部終わったの?早いねー グッドだねー すごくグッドだねー」
※「グッド」は同教授の口癖で、やや長嶋茂雄・巨人終身栄誉監督を思わせる...

自分「ありがとうございます、教授!恐縮です(・・。)ゞそれで今日は、Comprehensive Examの日程及び試験内容を調整させて頂きたく伺ったのですが...6月中旬のご予定はいかがでしょうか?」

F教授「6月中旬!? (手帳を確認)うん、グッドだね~ あと、試験の問題か~ 君すでに論文を学術誌に提出しているし、他の教授とも研究プロジェクト進めているよね~ 俺との含めて今いくつ研究プロジェクト持ってるの?」

自分「3つです。」

F教授「えー そんなに持っているんだ~ 忙しいよね~ 試験勉強しすぎると研究の時間なくなるよね~ よしっ、試験の問題はサプライズなしで行こう!」

自分「それは...どういう意味でしょうか?」

F教授「今から言う問題は、試験の参考問題として教えるが...もしかしたら本番の問題なのかもしれない(*^ー゜) さて参考問題を言うぞ!えへん(ドラマのようなワザとらしい咳払い)..."公共サービスのパフォーマンスとアカウンタビリティーのジレンマについて述べよ"みたいな感じ。」

自分「ええっ!?あっ、はい!ええっ(゜Д゜;)」

F教授「あと、試験の回答10ページぐらいでいいから!」
※先輩方の話では我が大学院の同試験回答ページ要求数の最少記録は20(最長50ページ!)...大幅に記録更新(ノ゜O゜)ノ

 PhD取得に向け、最初で最大の難関などと言われるCompですが...例外もあるということを知って頂けたら幸いです(^ ^; 勿論、教授は自分が日頃十分に努力していると判断し、現在進行中の研究プロジェクトの妨げにならないよう、例外的な措置を講じて頂いたものと理解しています。しっかり準備し、短いページの中でも博士課程単位満了を認定するのに十分な基礎力があることを証明したいと思います!


 



あと1つ

2014-05-10 00:19:27 | PhD生活
 先週から短い投稿が続いて申し訳ありませんが、先ほど最後のペーパーをアメリカ時間午後11時55分(締切5分前...)に提出しました(=。=)ふ~… これまでの学期では締め切り1週間前にペーパーが仕上がっていたのに、オールAを狙うがゆえ、今学期は「いいものを書かなくては」というプレッシャーで、筆の進みが極端に遅かったです。36歳にして未だ邪念だらけの自分...情けない(-_-) 小さな環境の変化に囚われず、無心で学問に向き合える強さが欲しいところです。
 ただ、ペーパーを締め切り間際まで書いていた割には、内容自体は以前より画期的で面白いものになったのが不思議です。無理だと思ったトピックを時間に追われ強引に持っていった結果、綺麗な文章構造はやや失われているものの、今までになく面白い研究の視点を見出せた気がしています。やはり多少プレッシャーに晒された方が、人間思ってもみない力が出るのかもしれません。そういう意味では、教授になっても研究成果次第で昇進や給与が決まるアメリカに留まる方が、面白い研究を生み出せる可能性が高いということでしょうか...
 博士課程単位満了にむけ残る仕事は、月曜日のアメリカ政治史の試験。土日にしっかり準備して、悔いのないよう頑張ろうと思います。

やれんのか!?

2014-05-02 19:36:34 | PhD生活
 「これが最後の追込みだから」と言い聞かせて、心・体に鞭打ち机に向かう日々が続いています。他の同級生より毎学期1クラスずつ多く取り、遂に近づいてきた最速2年での博士課程単位満了(残すは博士論文)...あと一週間で期末ペーパーを仕上げなければ、これまでの努力が水の泡( ̄∀ ̄;) さらに、前回記事でお書きしたとおり、成績オールAなどという単位を取るだけでなく、クラス上位フィニッシュを目論むがゆえのプレッシャーもあり...アントニオ猪木さんの「やれんのか、おい!!」という言葉が頭をぐるぐる回っております(-"-;)
 お恥ずかしい話ですが... できるなら逃げ出したい!! ということで、いつものあれを見て(過去記事"やまとなでしこ"参照)、桜子さんのツンデレに背中を押してもらおうと思います。