ADHDの特性を持つ人は、時に刺激的な言動が多く魅力的な存在である。彼らは尽きないエネルギーを持っていて、閉塞した状況を打ち破る突破力がある。また周囲の思惑を気にしない、物怖じしない発言は、周囲の人からは一目置かれることも多い。
成人おけるADHDの有病率は、3~5%程度とする報告が多い(小児ではさらに高い)。もっともADHDを疾患(障害)と考えるか、特性(性格)とみなすかについては様々な議論がある。
米国のトム・ハートマンによれば、ADHDの症状と考えられているものは、長所ともみなせるという。例えば、「計画性がない」点は「柔軟である」とも言えるし、「指示に従うのが苦手」であるのは「自立している」とも考えられると述べた。
かつて「月曜の夜にOLが街から消える」と言われた、90年代を代表するこのドラマのヒロイン赤名リカは、鮮烈なキャラクターの女性であるが、ADHD的な特性が濃厚である(ドラマより原作の方がさらにADHD的な言動が多い)。
原作は、1988年からビッグコミックスピリッツに連載され、1991年1月からフジテレビ系でドラマ化された。この作品はタイトル通り4人の男女を巡るラブストーリーで、印象的なテーマ曲を懐かしく思い出す人も多いかもしれない。
主な登場人物は、愛媛から東京に出てきたばかりのサラリーマンである永尾完治、完治の同僚である赤名リカ、完治の高校時代の同級生だった医学生の三上、同じく元同級生のさとみの4人で、彼らが繰り広げる恋愛模様が描かれている。
帰国子女であるリカは、自由奔放で周囲のコントロールがきかない女性。何事においても他人の思惑を気にすることなく、自分の感情のままに動いてしまう。
そんなリカの行動に完治は翻弄され、振り回されるが、リカに悪意があるわけではなくわざと操作しようとしているわけでもない。
完治に恋をしたリカは、不倫中の上司とあっさりと別れ、一途に完治に気持ちを向けるが、彼はそれを受け止めきれない。「明日、この恋がどうなるって考えて人好きになるわけじゃないし」とリカは心のままにぶつかっていく。だが過剰集中的な恋愛は長続きせず、「もうだめ、ここまで。電池切れちゃったみたい」と別れを告げてしまうのだ。