えー
湘南亭朴竜でございますぅ
本日も拳闘寄席にお越し頂き誠にありがとうございます
さてさて、朴竜少年時代のお笑いを一席
私の実家は北海道は風光明媚な室蘭市でして
、自慢は実家の窓からは群青色の波が寄せるイタンキ浜が一望できること。
でもね、七里ガ浜のイタリアンのテラスから眺める湘南の海と違い、ただ錆びた鉄の街の田舎の海ですけれどね。
太平洋岸のこの浜は引き潮が強く早く、波打ち際から少し行くと砂が抉られ深くなっているため、ずっと遊泳禁止とされておりましてね、
夏休み前の終業式には校長が「決してイタンキ浜で泳がないように!」と念を押す程の危険地域なんですよ。
子供の頃は夏になると、遊泳禁止を無視した観光者が波にさらわれ溺死したり、入水自殺と云う記事が民報に絶えることがありませんでした。
ですから両親は「波に足を入れるとたくさんの死人が足を引っ張る」と脅すくらいですわ。
それほど強い引き潮、北国の荒々しい波は人間以外にも決して優しくなくて、群れから逸れた弱った海豚が打ち上げられるくらい激しいんですよ。
今でこそ、沖に巨大なテトラポットをたくさん沈め潮力を弱めたために、サーフィンのスポットとして案外有名みたいですけれどね。
さて、ここからは私と弟のお話。
小学校4年生の私と1年生の弟のふたりで、眼下のイタンキ浜へ遊びに行きました。怖いのでもちろん海に入ることはありません。
波が高かった夏の日。
私と弟は砂浜に打ち上げられて必死にもがくモノを見つけました。
なんだろ?
ヒトかな?
ジサツかな?
弟と私は流木と石を手にして、恐々と砂浜でもがくモノに近づいて行きました。
なんだろ?
え?
顔を見合わせるふたり。
なんとそれは
それは息絶え絶えの
ウミガメだったのでした。
後編に続く