将棋王 ツメルモンスターズ

目指せ真の詰キスト!
主に短編詰将棋について書きます

将棋世界2021年4月号詰将棋サロン感想

2021-03-18 00:45:04 | 詰将棋
4月号は毎年恒例の初入選特集。
サロンは詰パラに比べると、軽い好形作が多い印象があります。しかし今月は…。

☆前月結果稿
4…暗算で手軽に楽しめます。パズル的作品。将棋世界読者は詰将棋ヲタクばかりとは限らないので、好形の軽快作はありがたい存在。
8…優秀作。バッテリーを構成していた飛を収束で捨てるのが快感。年間最優秀賞3連覇なるか?それとも阻止する猛者が現れるか?今後も目が離せません。

☆今月出題作
2…爽快な手順で解後感が抜群。軽快作を好む人なら本作を優秀作に選ぶかもしれません。
7…序の紛れ・変化が大変。実戦型でよくここまで難しくできたものだと感心しました。収束に少し物足りなさを感じてしまうのは序に力を入れすぎたせい?
8…今月の優秀作。配置・持駒ともにゴツくて手を出しにくいですが、手順を解析して(自力では解けず)納得。初手の伏線を収束で回収するという重厚な構想作。

☆第2回キッズ創作チャレンジ
第1回よりもさらにハイレベルになった印象。入選級もちらほら。
個人的には小学生が余詰の検証をどのようにしているのか気になります。今どきは小学生でも柿木将棋を使うのかな?


詰将棋パラダイス2021年3月号感想

2021-03-17 00:36:35 | 詰将棋
☆今月の出題
幼稚園
 3…富田林署のあの事件を思い出しました。

ヤング・デ・詰将棋
 3…屈指の美形。

小学校
 作意と変化で攻め駒の動く方向が変わるタイプの作品が、最近増えた気がします。

大学
 投稿作数を明かしていただけるのはありがたい。参考になります。

全詰連の頁
 看寿賞選考の時期が近づいてきました。私の予想は
 短編…高校下半期の最高評点作。
 長編…タイトルがカタカナ5文字の作。これ間違いないでしょう。


☆結果稿より
保育園
 2…誤無解数31名は脅威的。早詰の変化手順が自然なので確かに騙されますね。

ヤング・デ・詰将棋
 3…この初形から「7」が炙り出されるのは凄い。

短編コンクール
 山路氏が堂々の連覇。
 中合を動かす作品が人気でしたが、ちょっと数が多すぎる気がしました。といっても7手・初形10枚以下という条件でバリエーションに富ますのは難しそうですが。
 また、作品の質を保つため、ヤン詰や同人室のように「評点2.2以上で入選」という基準を設けてはどうかとも思いました。因みに2.2点以上だったのは50作中39作。

易しい大学院
 2…凡骨詰キストから言わせてもらうと、407手で易しいわけがない。

ベスト短評
 藤井二冠の作品を宮田七段が評するとかいう奇跡。


☆今月のワイルドカード
 結果稿より、評点が2.7未満or評点なしだった作の中で、これは!と思ったものをいくつか挙げます。

①ヤング・デ・詰将棋7
 単玉&駒取りなしの守備駒連続ルントラウフ(複数地点を経由して元の位置に戻る)は、ひょっとしたら史上初?

②同人室6
 3度に渡る打ち換え。2回ならよくあるが3回は凄い。代打の代打の代打。


ブログリニューアル

2021-03-16 00:46:04 | 詰将棋
この度、長らく休眠していたブログをリニューアルすることにしました。

闇のゲームでプロの先生にボコられて以降自信を喪失してしまいましたが、詰将棋との運命的な出会いを果たし情熱を取り戻しました。

今後は、詰将棋パラダイスや将棋世界・詰将棋サロンの感想を書いていこうと思います。
(一応私も凡骨詰キストなのですが、最近アイディアが枯渇してきたので創作から鑑賞に重点を移すことにしました)

・棋力の都合上、短編作に関する記事が中心になります。
・記事の投稿は不定期です。
・図面や詳細な手順は掲載しません。
・自作についても、あたかも第三者であるかのように書きます。

よろしくお願いします。


高校受験数学 悪魔の技

2020-02-10 00:28:01 | 数学
 普段は将棋のことばかり書いていますが、私立高校入試の日(京阪神地区の統一日は2月10日)ですので、ここは1つ、悪魔の受験テクニックをご紹介します。

 数学の関数の問題で、座標平面上の三角形の面積に絡む問題が良く出題されますが、その面積は次の公式により瞬時に計算できます。



 座標をクロスして掛け算して差の絶対値を取り、2で割るだけ。四角形からいくつかの三角形の面積を引いていくという普通の計算方法よりはるかに楽です。

 頂点がいずれも減点でない場合はどうするか?
 いずれかの頂点が原点に来るように平行移動すればいいのです。

 例えば、3点 A(1,2) B(3,6) C(5,4) からなる△ABCの面積は、全体をx方向に-1、y方向に-2平行移動してできる 3点 O(0,0) B'(2,4) C'(4,2) からなる△OB'C'の面積と等しく、これは公式から│4*4 - 2*2│/2 = 6 と求まります。慣れれば暗算で数秒です。


 学校によっては毎年出題される内容ですので、身につけて損はないでしょう。受験生の皆さんの健闘を祈っています。

 *ただし、解答過程まで記述する試験では、上記の公式は避けたほうが無難でしょう。教科書には載ってませんからね。その場合は検算で利用するのがいいと思います。

【将棋】タイトル戦における振り駒の重要性

2020-02-01 00:34:25 | プロ棋士雑学
 久々にハム将棋やろうと思ったら、アクセスできなくなっていてショック( ;∀;)

 まあ気を取り直して、今日は注目の棋王戦第一局、渡辺棋王-本田五段戦の日。
 開幕局なので振り駒が行われるのですが、ふと疑問に思いました。
 それはタイトル戦の振り駒と番勝負の関係についてです。

 将棋は少しだけ先手が有利なゲーム。ですので、後がない最終局では振り駒で先手を引いた側が勝ち越していると予想されます。
 しかし、第一局の振り駒は、少なくとも確率論的には番勝負の有利不利に影響しません。なぜなら第一局の振り駒がどうであれ、最終局にいきつくまでの先手局数と後手局数は制度上同じになるからです。(千日手や持将棋の場合は除く)

 ただ、これは計算上のお話。人間同士が戦う以上、心理的な有利不利が生じる可能性はあります。
 それを検証するため、過去十年間の8大棋戦について、第一局・最終局の振り駒で先手が引いた側から見た、番勝負の結果(最終結果)をまとめてみました。

 棋戦名 第一局先手 最終局先手
 竜王戦  7-3   2-0
 名人戦  3-7   1-0
 叡王戦  1-1
 王位戦  6-4   2-2
 王座戦  9-1   4-0
 棋王戦  6-4   2-1
 王将戦  6-4   1-1
 棋聖戦  6-4   0-2
 
 以上を合計すると、第一局で先手を引いた場合の番勝負勝率は44-28(0.611)、最終局で先手を引いた場合の番勝負勝率は12-6(0.667)となりました。

 最終局先手番の勝ち越しは予想通りでしたが、第一局先手番の番勝負の勝率6割超は予想外でした。勝率5割とは有意水準5%で有意な差なので、偶然の数字ではない可能性が高いです。
 理由としては 第一局が先手番 ⇒ 開幕戦を制する確率が高い ⇒ 番勝負全体の流れを掴みやすい という感じでしょうか? 実際

 先手番で開幕戦勝利(43/72=0.597)・・・番勝負勝敗34-9(0.791)
 後手番で開幕戦勝利(29/72=0.403)・・・番勝負勝敗19-10(0.655)

 という具合に、開幕戦の勝者が番勝負全体でも有利なのは間違いありません。

 以上を踏まえて、本日の棋王戦開幕戦を楽しもうと思います。