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酒造コンサルタント白上公久の酒応援談 

日本文化の一翼を担い世界に誇るべき日本酒(清酒)および焼酎の発展を希求し、造り方と美味さの関係を探究する専門家のブログ。

鉄の女は日本酒を変えた。

2013-04-10 09:01:44 | 総合
サッチャー元英国首相が亡くなった。彼女は日本の酒税法を変え日本酒を変えた。彼女は日本の酒税法がスコッチウイスキーに著しく不利な内容になっていることを問題にし、ウイスキーの従価税と他の酒類と比べ税負担が重いことは不公平だと改正を求めた。結果として平成元年の酒税法改正でウイスキーおよび清酒の級別が廃止(日本酒は特級が廃止、1級は3年後廃止)されビールとワインを除き税格差もほとんどなくなった。日本酒は級別がなくなったことにより差別化が本醸造酒、吟醸酒に求められ製造比率が高まり日本酒の品質向上が推進された。

味と時代(6)

2013-03-11 20:06:54 | 総合
現代の消費者の嗜好はどうだ。最近までは端麗辛口が主流であったが変化が見える。最近の消費者は自分の好みを知っており、好みに従って酒を選別している。代表が甘口だ。吟醸香のかなりあるフルーティなタイプが人気が高い。一方、個性的なものも興味があるらしい。最近長期熟成酒の利き酒会に行ってきた。30、40代女性がかなり多くいた。女性も積極的だ。長期熟成酒というと我らの世代はヒネ香を連想するが出品されていたものは昔のヒネ香はなく、熟成香(ソトロン、カレー的な焦げ香、トリスルフィッド)が香りの主体である。純米酒がほとんどであったので香りも米の味もしっかりあり個性的なものが並んでいた。おいしい、おいしいという声が聞こえてくる。消費者はそこにある物を飲む時代から自分で好みの物を探す時代になっている。未来の酒は消費者が創っていくと強く思う。

桃色濁り酒

2013-02-28 11:54:10 | 総合
間もなく桃の節句次いで花見の季節が到来する。寒さよさらば、待ち望んだ暖かい春よこんにちわだ。暖かさはを人の心に解放感を呼び起こす。なぜかうきうきする。桃の節句と言えば白酒だが最近は桃色濁り酒の人気が高まっている。飲み屋さんの春のイベントに引っ張りだだ。この季節限定の酒だ。桃色濁り酒は酵母が赤色で米の白さと相まってピンク色に見える。まさに桜の薄いピンクだ。桃色濁り酒はアルコール分10~13度、日本酒度-50~ー70、酸度3~5で低アルコールで甘酸っぱい。今年の桃色濁り酒はフルーティで甘い酒の大好きな若者の間で好評だ。

残念なこと

2013-02-27 10:20:24 | 総合
2月26日大阪府の浪花酒造が純米大吟醸に吟醸酒を混ぜ国税当局に指摘され商品回収したということがネット新聞TVで大きく報道された。不正表示である。社長はTVカメラの前で消費者には味をみても判らないだろう、小売店において自社商品棚に空きが出て(売れすぎて供給できないため)他社品に棚を取られることが怖かったと釈明。自己中心的な言い訳だ。製法表示基準(平成元年11月22日国税庁告示第8号http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/hyoji/seishu/gaiyo/02.htm)は級別制度に代わり日本酒の品質を示す基準で四半世紀にわたり官民で定着に努力してきた。消費者の間でも純米酒、大吟醸酒などことばの認知度及び品質に対する信頼性が増してきたこの頃である。今回の事件は誠に遺憾であり業界の信用を失墜させるものである。消費者は表示に大きな信頼を寄せているということの重さを肝に銘じなければならない。消費者は誤魔化せても国税当局の目は誤魔化せないということも。

分かりやすさ

2013-02-17 11:53:46 | 総合
オリンピック競技でレスリングが競技種目から外れる可能性があることが話題になっている。なぜ除外なのか。IOCの方針に若者の支持、競技の見やすさ、分かりやすさという基準があるという。レスリングはその方針に対し努力を怠ってきたというのだ。伝統の上に胡坐をかいていたのでは支持されないという。現代に合った工夫が必要なのだ。
日本酒はどうだろう。伝統は素晴らしいものであるが伝統に頼れば日々に陳腐化し若者にはカビが生えたものにしか見えない。伝統という信頼と安全をベースに味わいやすさ分かりやすさを製品に反映させていかなければ突然退場を消費者から宣告されかねない。

ビールはお茶、日本酒はお酒

2013-02-14 20:09:09 | 総合
ビールはとりあえずビールと最初に飲まれることが多い。なぜ最初にビールなのか。ビールはお酒であるがお茶のような機能を持った飲料と思う。麦芽とホップが原料のビール風清涼飲料水を飲めばこれはお茶だと気づく。ビール風と思うからビールを飲んでいるような気持になるのだ。ビール風清涼飲料水がアルミ缶(すっかりビールの容器として定着している)でなく〇〇茶のペットボトルであればお茶と感じるだろう。
お茶代わりの日本酒は出てくるのだろうか。お茶代わりならやはり低アルコール分は必須条件だろう。日本酒は米を磨くので味が蛋白だ。アルコール分を低く造った日本酒はお酒でもなく水でもなく中途半端だ。低アコール日本酒は難問である。日本酒には本格的なお酒としての品質が求められている。金魚酒ではないようだ。

味と時代(5)

2013-02-08 08:46:31 | 総合
今後日本酒の品質はどのように変わっていくのだろうか。いつの時代でも未来を見通すことは非常に難しい問題だ。現在の特定名称酒が高級酒として日本酒を牽引することは三増批判の高まりや級別制度廃止に伴い業界では見通されそのように動いた。結果もそのようになっている。しかしながら消費量は最盛時の3分の1と激減だ。
品質面における今後の予測についてはよく分からないというのが本音だ。日本酒の問題点は消費が減り続けているということである。日本酒は美味いという意見が多くまずいから飲まないということない。飲酒に対する考えが変わってきたのは間違いない。日本人にとって日本酒はさー飲むぞという覚悟の要る酒らしい。日本酒の低アルコール製品は売られているがビールと渡り合える低アルコール日本酒はまだ出ていない。

味と時代(4)

2013-02-01 20:39:37 | 総合
新たな清酒の時代へ
バブル以降最大の話題は2006年の酒税法改正であろう。清酒の定義が変わり三倍増醸酒が清酒の定義から外れたことである。また、戦前のように米と米麹と水から造った時代に戻ることはなかった。アルコール添加は技術として認められることになった。これで戦後がようやく終わったと言える。

これから日本酒はどこに向かうのだろうか。
40年前に現在の日本酒を予想しただろうか。多くの酒造家は吟醸酒のようなすっきりと香りのよい酒は理想であるとしながら、技術的には可能だが経済的市場的に現実離れし困難であるとの認識が大方であったろう。可能にしたのは技術の進歩もさることながら経済の発展ではなかったのか。
それでは海外でも品質が認められている現在最強の吟醸に死角はないのか。一方普及品の課題は。

味と時代(3)

2013-01-18 14:03:06 | 総合
昭和60年代平成初期 級別制度廃止
級別制度の混乱も極まり矛盾は覆いがたく平成元年に特級が廃止され、3年後に級別制度はなくなった。本醸造酒、純米酒、吟醸酒が高級酒として認知されるようになった。他方三倍増醸造酒の生産量も以前の半分くらいになり脱三倍増醸造酒の傾向が鮮明になった。大手酒造メーカーは三倍増醸造酒から手を引いていた。級別廃止の動きに応じて大手メーカーは設備の大型化に向かいコスト競争力を強化していった。地方にも有力な地酒メーカーが勃興した。

バブル経済の落とし子、吟醸酒の時代
昭和50年の中ごろ全国新酒鑑評会が金賞を出すことになり鑑評会の注目度が上がった。新たな品質基準の出現である。金賞を取れば全国から引き合いがあり小さなメーカーでもビッグネームになるチャンスなのだ。これはバブル経済の時最高潮になる。1升何万円もする酒は珍しくなかった。高ければ売れたよき時代であった。バブル景気さまさまも破裂すれば二日酔いのごとき憂鬱がくる。バブルのころは米が高かった。山田錦は1表(60キログラム)4万円前後した。それも入手困難だ。1キログラム670円。50%精米で1340円、YK35と言われた35%では1900円である。それに精米費がかかるのだ。
吟醸造りの革命
この時代は誰でも大吟醸を作れる革命の起きた時代でもある。魔法の技術はカプロンさんエチル(リンゴの香り、現代の吟醸香の主流の香り成分)高生産酵母の分離法発見と高グルコアミラーゼ生産麹菌の開発である。現在もより優良な酵母の開発は続けられている。

バブル経済が吟醸酒の認知度を一挙に高めるとともに本醸造、純米酒、吟醸酒の比率が飛躍的に高まった時代である。

味と時代(2)

2013-01-11 13:04:31 | 総合
昭和50年代。品質・価格の激動混乱始まる

昭和50(1980)年代に入ると甘さ(日本酒度)が最小(マイナス)のピークを付け以後辛口に向かう。この頃は小売価格が乱れ2本付きとか3本付き(10本入り木箱にオマケとして)、5本付きという話も聞いた。この頃はまだ調合酒(普通アルコール添加酒と三倍増醸造酒の調合)の時代である。本醸造酒がボチボチ出始めたころである。日本酒業界の価格破壊と品質競争の始まりが昭和50年代である。後半に低価格酒が登場しはじめやがて紙パック酒へと移っていく。2級酒は価格競争の結果、品質玉石混交の時代で消費者は迷惑だったろう。品質と価格に対し消費者が疑問を抱き

注 三倍増醸造酒については過去に書いたが、この頃日本酒に対する誤解が広がり日本酒とは三倍増醸造酒であるとか、合成アルコールが使われているかのごとき他社の酒を誹謗する同業者が現れたのは誠に情けないことである。それをマスコミが拡大した。誤った情報を真実と思っている消費者がいまだにいる。自傷行為による傷は深かったのだ。この時代はマスメディアの日本酒バッシングは最高潮を極めむしろ酷かった。まともな話もあるが言いがかりと言うか法律に違反していないことにも営業妨害と受け取れる記事もあった。例、某大手酒造会社の酒は80%が未納税移入酒で自社生産ではない。今ならOEMは悪であるというふうな論調である。社会面見開きに大きく書かれた記事によりこの会社は大打撃を受けた。私はこの新聞を取っていない。子供にも言い聞かせている。

注 合成アルコールとはエチレンから作る合成アルコールで、清酒に使われているアルコールはサトウキビ由来のアルコールである。

注 級別制度は価格統制を前提として成り立っていた。この頃は価格統制がない時代であったにも拘わらず級別の税率が対応しておらず想定外の変なことが起こった。特級酒より値段の高い2級酒の登場である。なぜかというと酒税は2級は従量税のみ、1、特級は従量税と従価税の2本建てだった。たとえば特級はある価格までは従量税のみであるが、その価格を上回ると上回った価格に応じた税金が課せられ、価格の上乗せ分のほとんどが税として徴収される懲罰的な税制度であった。一方2級酒は価格をどれだけ上げても税金は一定であるので価格の上乗せ分は全て業者側の手取りとなった。特級酒で製造原価の高い商品を出すことは不可能で(あるメーカーはあえて多額の税金を払って高価格品を出していた。銘柄のイメージを税金を払ってまで守りたかったのだ)品質と価格の面で級別制度に混乱が顕著に生じたのが昭和50年代である。

注 無鑑査(酒) この頃出現した。本醸造酒規格の酒を2級酒で出し品質は特級酒より上だと宣伝。消費者によっては特級酒より2級酒のほうが高級と思う人まで出た。混乱も極まった感がある。


安すぎるワイン

2013-01-07 17:25:57 | 総合
本日(1月7日)の日経夕刊1面に輸入ワインの記事が出ている。輸入量は前年比3割増、店頭価格は1割安だそうだ。輸入統計では昨年1~11月の750ミリリットル瓶1本の平均輸入額は340円、フランス産は517円、スペインやチリ産は200円を切っているという。小売値では500~600円。確かに近所のスーパーではカリフォルニア、チリ、アルゼンチン、スペイン、イタリア産が安い時は500円である。品質はプレスランの重さがあり素晴らしいとは言えないがブドウ味は充実している。ほとんどのワインにはブドウ品種名が記されビンテージイヤーの記された物もある。
輸入価格が200円というのはどういうマジックなんだろう。酒税を除けば140円だ。瓶詰経費、輸送経費(中国が輸出した帰り船の輸送費は安いらしい)だけでも相当かかる。日本で詰めたら中身は0円でも困難だろう。輸入ワインの中身は数十円?。円高の効果でこうなったのか。
ワインはなぜか税金面で優遇されている。清酒並みにする時代はとっくに来ているのではないか。担税力は十分にある。

味と時代(1)

2013-01-05 09:11:35 | 総合
日本酒の味の変遷は社会状況に伴い変化している。
古い時代、戦前は辛口がほとんどであった。この当時の酒造技術では甘口酒を造るのが難しい時代甘口酒は高級酒の証でした。また、この時代は小売り免許がなく、誰でも酒を売ることができ原酒を仕入れ水で薄めて売っていました。そのため、薄めすぎ金魚が泳げると揶揄される酒もあったようです。どれだけ玉割り(薄められるか)の利く酒が良い酒(小売が儲かる)とされていました。この当時の有名な酒造りの先生に杉山さんがいました。杉山流といい徹底的に醪を溶かすことに主眼が置かれていました。杉山流の造りをしている蔵は昭和55年ころ訪れきましたが、ウワサに聞いたほどではありませんが片鱗は残っていました。

初めてお酒を経験したのは10歳くらい(昭和30年代前半)で口に入れるとアルコールがカーっときて甘さは感じませんでした。おちょこ一杯の初体験でした。匂いの記憶はかすかに残っているのですが現在の酒で同じような酒は見当たりません。この当時の酒は戦前の造りの名残があり、醪を徹底的に溶かした普通アルコール添加酒と甘い三倍増醸造酒の混和酒でありました。米は黒く(75~78%)粕歩合が20%くらいで上品さより飲みごたえ(ゴク味)優先だったのでしょう。また、この頃は米が黒いことと濾過に使う活性炭素の量が次の時代より少ないのでいろいろな味や香りがあったのかと思います。

酒造りと関わるようになった昭和40年(1970年)代後半は日本酒の甘さがクライマックスに達する頃で未納税酒全盛のころでした。甘さはどこから来るのかと言えばやはり三倍増醸造酒です。甘さが美味さという時代だったと思います。製造数量も最高に達していました。この時代のもう一つの特徴は徹底した濾過すなわち活性炭素を使った無色透明な酒です。製造から出荷までキロ3キロというメーカーもありました。すなわち生酒で酒1キロリットルに活性炭素1キロリットル、火入れ前に同量、出荷前に同量の活性炭素を使うというものです。米の味は大きく失われ香りは良いもの悪いものも取られ正体がはっきりしないものの消費者から文句のつけにくい酒の時代でした。このような酒造りはメーカー主導でなく大手卸主導でありました。現在も大手卸主導の酒は同様の傾向(活性炭素は昔のように大量に使われていない)と認められます。リスクをとらない酒造り&酒販売の始まりです。

つづく



酒粕がカスでなくなる日

2012-11-10 09:50:33 | 総合
本日の日経新聞ニッケイプラス1の11ページに酒粕の健康に関する効果についての記事(写真)が特集されている。

酒粕の健康面での特性は以前から業界では知られていたがなかなか売れていないのが現状である。新粕を買っている人は砂糖を足して甘酒にしているくらいである。年間供給される使い勝ってのいい商品にすれば酒粕の利用価値商品価値は急上昇し、酒の価格を上回り(新粕は1キログラム小売値で500~1000円で安くはない)酒が副産物の時代が到来するかもしれない。

甘口は本醸造酒・辛口は純米酒

2012-08-19 11:40:01 | 総合
 日本酒の味を分類するものとして甘辛があり、味の特長を示すのが甘辛であると思う。日本酒がTVなどで話題になることは最近少なくなったが偶に目にすることがある。レポーターが飲んでいる人にどのような日本酒がいいですかと問うと、ほとんど(30代と思しい)が甘くておいしいという。若者の間では甘口の人気が高い。ただ香りがフルーティということはたぶん前提になっているのだと思うが甘口酒は広く受け入れられているようである。実際酒造会社の話によると東京市場では甘口化が進んでいるという。
 以前日本酒の美味さの根源は甘さであると書いたが嬉しさ半分の心境である。というのも最近日本酒に対する考え方が変わってきた。日本酒の美味さは米の旨さによるところこそ大事でではないかと。米の旨さを引き出した酒を賞味してもらいたいのだ。

甘口は本醸造酒、辛口は純米酒
 本醸造酒はアルコール添加しているのでフルーティさを出しやすい。酸味や米の味も薄まり、日本酒度をマイナスにすれば甘くて飲みやすい初心者にも抵抗が少ない酒になる。純米酒は香味が重いので甘口は鈍重になりやすい。むしろ日本酒度をプラス5以上の辛口にすると重さが取れじっくり米の旨さが味わえる。どちらかと言うと甘さだけでは物足りない上級者向き。秋の夜長に味わってもらいたい。

韓国に日本酒を輸出できなくなる

2012-05-28 17:37:04 | 総合
 TV報道によれば韓国の業者が日本酒に関する言葉たとえば辛口、甘口、山廃、特選及び銘柄を商標登録をしその文言の書かれている日本酒の廃棄を要求しているとのこと。韓国は過去にも日本の名だたる企業名を商標登録し問題化したことがある。今回このようなことになったのは韓国特許庁の審査に問題があるのはあきらか。まともな国ではない。昔本田宗一郎氏が言っていた言葉を思い出した。韓国には関わるな。