運用の妙(みょう)は一心に存(そん)す
――運用之妙在乎一心
『十八史略』
南宋(なんそう)の時代に岳飛(がくひ)という将軍がいた。北方の異民族金(きん)の侵攻を受けたとき、たびたび戦って勝利を収め、後の人々から「救国の英雄」と仰がれている人物である。
その岳飛の若いころのエピソード。義勇軍に応募して金軍との戦いに参加したが、そのめざましい奮戦ぶりはたちまち上役の目にとまった。上役は大いにたのもしく思ったが、一抹の不安も感じたらしい。あとで岳飛を呼んで、
「なんじの勇智才芸は古(いにしえ)の良将も過(す)ぐる能(あた)わず。然(しか)れども野戦を好むは万全の計にあらず」
と言って布陣の図を与えた。
これに対して岳飛はこう答えている。
「陣して後(のち)戦うは兵法の常なり。運用の妙は一心に在す」
兵法の定石はもちろん必要だが、それよりも肝心なのはむしろ臨機応変の運用だという意味である。これは企業経営にも、そっくり当てはまるかもしれない。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
今日は今週二回目の出張です。
今日も一日がんばりましょう。
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