吹く風ネット

図画が嫌い

 小学二年の秋だった。図工の時間に、前の日曜日に行われた運動会の画を描くことになった。
 ぼくは、数人で走っている場面を描いたのだが、出来がよかったので、一人で満足していた。

 ところがだ。先生が、わざわざぼくの画を黒板に貼り、皆に向かって、
「よく見て下さい。この画はおかしいですね。先生の目には、中に描かれた人たち全員が倒れているように見えるんですが、N君はどう思いますか?」
「全員倒れているように見えます」
「Kさんはどうですか?」
「はい、倒れているように見えます」
「そうですね。しんたくん、もう少し工夫して描いて下さいね」

 これで自信をなくしたぼくは、わりと好きだった図画が嫌いになった。
 以来、犬を描けない、猫を描けない、人物画などもってのほかだ。中学の頃、美術の作品をまともに提出したことがなかったのだが、それもこのことが根底にあったのだ。

 もちろん高校の芸術課目は美術を選択しなかった。同じく作品を提出しなければならない書道も却下。結局人前で歌うだけで点数をもらえる気楽な音楽を選んだのだった。

 その後、竹久夢二や谷内六郎の画に興味を持ったことはあるのだが、観るのがやっとで、画を描いてやろうなどとは一切思わなかった。
 ということで、今世のぼくは、画とは縁のない人生を歩んでいるのあります。

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コメント一覧

しんた
まかろんさん、おはようございます。
その後、ぼくの関心は書き物や作詞作曲の方に移り、画を描くことに興味を持つことはありませんでした。
現在は、画や写真を文章で表現できないかと模索しているところです。
しんた
@sancha おはようございます。
この話、昭和40年にあったことなのですが、当時はまだ個性を尊重するような時代ではなかったのでしょうね。(世間が個性個性と言い出したのは、翌年にビートルズが来日してから後のことだったと記憶しています)
ただ、ぼくの画は、個性以前の問題でした。

コメント、ありがとうございました。
まかろん
https://blog.goo.ne.jp/macaronteaparty
しんたさん、今日は。
嫌な思いをされましたね。

もしまだご興味があるなら、何か描けたらいいですね。

私は今では数百の詩を書き、10万字の物語や、1万字の短編をいくつも書いている身ですが(素人です)

10年ほど前まで、読むばかりで、
自分が詩だの物語を書くなど、思いもよりませんでした。

中学のころも、文学部の人たちを羨ましいと思いこそすれ、何も書いたことはないです。


それがひょんなことから、10数年前、
人の誘いでツイッターを始めて。
始める気などなかったのですよ。

で、140字で何かうまいこと書こうとしていたら、いつのまにか、少し情緒的な文になって。

これ、詩じゃね?

と思っていたら、それが140字で収まらなくなったので、

ブログを立ち上げて、詩を発表するブログにして。

そこで数百、詩を作ったのですが、
だんだん物語調に長くなっていって。

これ小説じゃね?

と思っていたのですが、
まあその後、いろいろあって、

今は物語を書いています。


なので、もう絵なんかつまらない、と思うなら別にする必要はないですが、

もしまだ絵が好きな自分がいるなら、

いつか道は開けます。
手を伸ばしてあげてはいかがでしょうか。


まあ、どうでもいいことですけどね😊
楽しい1日をお過ごしください🌸
Unknown
おはようございますm(_ _)m

読んで、「えーっ!( ;゚皿゚)ノシ」と思いました
独創性をケナスなんて~
いろいろあって、いいんじゃないかな
と思いました。

せっかく描いたのに、ショックでしたよね。

でも、いまは、縛りはないから
自由に好きなように描けますよ!
いつか、描いてみたらどうかなと思いました。( ・∀・)
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