吹く風ネット

ペキーン放送局です

 ラジオで深夜放送を聴き始めた頃、ダイヤルを回して選局しているといると、突然大きな音で音楽が流れてきた。独特な旋律で、日本のものではない。「さて、どこの国の放送だろうか」と聴いていたら、程なく音楽は終わり、女性の微妙に訛りのある日本語が始まった。
「こちらはペキーン放送局です。こちらはペキーン放送局です」
「チューコクの偉大な指導者モータクトー同志は・・・」

 国交回復前の中国ブームへの興味と、異国の文化への憧れもあって数ヶ月、ぼくは毎日聴いていた。
 ところが、どこそこの農作物が豊作だなどという、どうでもいいニュースや、女性が甲高い声を張り上げて歌う歌番組にだんだん飽きて、そのうち聴かなくなっていった。

 それから数年後、たまたま聴いた北京放送で、『チューコクの偉大な指導者モータクトー同志』の死去を知った。1976年9月9日のことだった。

 日本向けの、日本語版の北京放送、今もまだやっているのだろうか?もしやっているとしたら、前にも増して思い上がった、居丈高な放送をやっていることだろう。

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