見出し画像

吹く風ネット

占いおじさん

 嫁さんの会社に、姓名判断専門の占いおじさんが出没しているらしい。何でも、最近商売を始めたばかりらしく、会う人ごとに名前を見てやっているというのだ。

 先日嫁さんが名前を書かされた。
「小さい頃だいぶ苦労されてますねえ。親兄弟との縁が薄かったでしょう?」
「小さい頃苦労はしてませんし、両親はいましたし、6人兄弟ですけど」
「いや、それは名前に出ているだけで…」

「おお、おたくの夫婦は珍しい」
「えっ?」
「普通は一方が歪んでいたら他方は真っ直ぐなんですが、おたくたちはどちらも歪んでいる。似たもの同士なんですよ」
 ぼくたち夫婦は歪んでいるらしい。

「あなたは家庭運がとてもいいですね」
「えっ、さっきと話が違うじゃないですか。親兄弟との縁が薄いんでしょ?」
「いや、それは子供の頃の話で、今後良くなるということです」

「ほう、後家運が出ていますなあ」
「どうして家庭運が良くなるのに、後家運なんですか?」
「いや、それは…。ははは」

 あるパートさんは、この占いおじさんから「ご主人は、あと2,3年で死ぬでしょう」と言われたらしい。占いの世界では、人の生き死にについて語るのはタブーとされている。救いようもない悪運の持ち主に出会っても、希望を持たせてやるのが、占い師のつとめだ。このおやじ、占い師としては最低である。


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事