『好ましい上昇志向』

「お金持ちになろう」「権力をもとう」「有名になりたい」
というのも上昇志向です。
でも、この種の上昇志向は争いの元です。

良い上昇志向をもつことを願ってください。
良い上昇志向とは自分の意識次元を上げることです。

どんなに欲に駆られた人でも、
悪い心をもった人でも、どこかに真我の片鱗が見られる。

立派な人間とそうでない人間の区別はついています。
その立派な人間に少しでも近づく努力が好ましい上昇志向です。

それはすなわち、真我の扉を開こうとする努力といってよい。
目先の現実にばかりとらわれず、いますぐ、
その方向へ努力を振り向けてみましょう。

思いがけない光の世界がたち現れてきます。

『真我と善悪』

もともと宇宙に善悪は存在しません。
なぜなら、完璧に調和した世界が宇宙の本質だからです。

人が善悪をいうのは、観念と業から出た判断といってよいでしょう。
真我に目覚めれば、善という考え方はなくなります。

人はいままで善悪を言い、正義を語りながら、どれだけ争い、人を、自分を、不幸にしてきたことでしょう。

「自分は善だ」
「自分は正しい」
と思うところから人への非難や争いが始まります。

戦争はいつも「正義」の名の下に行われてきました。

真我に目覚めるということは、善悪を超越した世界です。
成否を問わない世界です。
この世界に到達すれば、すべての争いはなくなるのです。

『危ない信じ方』

「信じる者は救われる」という言葉は、
すごい罠です。
「盲目になりなさい」
と言っているのと同じだからです。

物事は、最初はむしろ疑ったほうがいい場合があるのです。
大きく目を見開いて、すべてをまず疑ってかかることです。
目指す真実の追究は、人から与えられるものではなく、自らが発見するものだからです。

たとえば、本物のダイヤモンドとイミテーションを並べて、「一つあげますよ」と言われたら、イミテーションをつかまされる確率は二分の一あります。

きっちり本物を手に入れたければ、ルーペをもってきて調べたり、鑑定士にお願いしたりしなければなりません。

そういうとき、「疑うな」と言う人は「真実を問うな」と言っているのと同じ。
そういう人の言葉を額面どおり受けとっていては、なかなか真我には近づけません。

徹底的に疑って疑って疑いきれなくなった先に真実が浮き彫りになって、真我に早く到達できるのです。

『真の理解とは』

頭で「わかった」と言うのは本当の理解ではありません。
本当に理解したといえるのは、
体感、体得、体現の三拍子がそろったときです。

「体感」というのは頭で理解するのではなく
「ああ、これなんだ！」

と感じる世界です。

「体得」というのは、自分のものにすること、
「体現」は、それを現実の世界に現していく世界です。

この三要素がそろって初めて
「わかった」と言えるのです。

「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」
と孔子が言った「道」の理解とは、
このような理解を意味していました。

現代という高度情報化時代に生きる私たちは、
いろんなことを「知っているつもり」
になっていますが、この基準に照らして、
どこまで理解しているのでしょうか。

もう一度よく考えてみる必要がありそうです。

『真我と潜在意識の違い』

真我を潜在意識と誤解する人がいます。
広い意味では潜在意識といえなくもありません。
というのは、真我が「潜在した状態」にある人がほとんどだからです。

でも、決して潜在意識そのものではない。
潜在意識とは、顕在意識との対比で用いられる言葉です。
もし真我が潜在意識そのものであるなら、
顕在意識に上がってくることはありません。

真我は、それに目覚めれば、明確な意識として体感、体得、体現できます。
ですから潜在意識ではないのです。

真我とは「あなたの本質」であり、
それは愛の意識、
宇宙意識そのものといえます。　

従来の潜在意識論は、顕在意識から出発しています。
たとえば、お金を人より多く稼ぐこと。
まずそういう顕在意識があって、
その実現に潜在意識を活用することができる、
というのが潜在意識の開発理論です。

たしかに、人間には潜在する大きなパワーがありますから、
潜在意識を活用して大きな願望や目標を達成させることは可能です。
しかし、その先、欲の争いが起きても不思議はありません。
実際にそういうことは頻繁に起きています。

しかし、真我は宇宙の心、愛の心ですから、
決して奪いあったり争ったりはしない。
ここが真我と潜在意識による達成とが決定的に異なっているところです。

『真我とは』

真我とは何か。

それは「本当の自分」ということです。

心の奥の奥にある真の自分意識、
それは宇宙意識であり、
愛と感謝の意識でもあります。

『二者択一』

人生には二つの道があります。
一つは自我（エゴ）の道、
もう一つは真我の道です。

自我の道は自分の満足のため、
自分を守るための道です。

真我の道は自らが愛そのものになり、
他人のために尽くすことを喜びとする道です。

二つの道を同時に歩むことはできません。
さて、あなたはどちらの道を選択しますか。