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「天気の子」感想

【ネタバレ】
公開1、2週目に見たのに今更ですが。
(ヤプログ!が2020年1月31日で終了とのお知らせが8月1日にあったので、引っ越し先を見極めつつ、更新は遅れ気味になります。)


◎「天気の子」

「これは――僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語。」

2019年7月19日(金)公開、新海誠監督/脚本/原作、田中将賀キャラクターデザイン、RADWIMPS音楽、110分。

森嶋帆高(cv醍醐虎汰朗)、天野陽菜(cv森七菜)、須賀圭介(cv小栗旬)、須賀夏美(cv本田翼)、天野凪(cv吉柳咲良)、
立花冨美(cv倍賞千恵子)、高井刑事(cv梶裕貴)、安井刑事(cv平泉成)、佐々木巡査(cv市ノ瀬加那)、カナ(cv花澤香菜)、アヤネ(cv佐倉綾音)のほか、
「君の名は。」の、立花瀧(cv神木隆之介)、宮水三葉(cv上白石萌音)、勅使河原克彦(cv成田凌)、名取早耶香(cv悠木碧)、宮水四葉(cv谷花音)など。

パンフに、新海監督が先手を打つかのように、見た人が疑問に思うことの多くについてネタバレ解説をしているので、映画を見た後にパンフを読みましょう。
新海監督は、異なる解釈をされるのが嫌なんでしょうかね。


○ やや起伏に乏しいこと、状況が見えてくるまでが少し長いことのほか、何の関係があるのだろうという、とって付けたような突飛な状況がいくつかあり、まあ伏線だろうな、と思いはしましたが、前半は少し退屈でした。
伏線はあとで回収されるので、ああなるほど、とは思いましたが、それでもとって付けたような感じ、物語(特につなぎ。)が少しぎこちないという感じ、は残りました。

全体としては楽しめたので、上中下で言ったら中の上か上の下といったところでした。


・演技を上中下と分けた場合に中以上なら私は構わないのですが、声優が本業ではない人の何人かの演技が今一つでした。メインの2人は、これはこれで良いか、という感じ。

・帆高の家出の事情にほぼ触れられていないのは、それでも物語に支障はないからアリでしょう。
それにより帆高に感情移入がしにくくはなりましたが、家出の事情によっては、それこそ感情移入がしにくくなるので、それはそれでアリでしょう。

「君の名は。」より前とは客層が違ってきている、「君の名は。」で客層が広がった(客の年代が広がっている、女性も増えている、コアなアニメファン&新海誠ファン以外が増えている。)と思われることから、10代の悩みを明確に描いても共感を得られるか分かりませんし。
帆高の一言二言を元に、各自が家出の理由を想像すれば良いということでしょう。

・女子小学生2人の声が花澤さんと佐倉さんというだけで新海誠ファン兼深夜アニメファンならニヤリとできますし、警察の監視下で児童相談所に保護された凪の面会にカナが来ていて、その後に来たアヤネが「花澤綾音」と名前を書いていましたが、ここも新海誠ファン兼深夜アニメファンならニヤリとできるところです。

「君の名は。」のメインキャスト総出演(瀧と三葉はきちんとしたセリフあり。他3人は一言。)というところは、やややりすぎな感じはするものの、楽しくもあるので、アリでしょう。「君の名は。」からのファンには特に良かったのかも知れませんが、映画館での周囲の反応はなかったので、想像でしかありません。

花澤さんと佐倉さん出演を含め、古くからの新海誠ファンにも新規のファンにも配慮した、ということでしょうか。


○ 陽菜が冒頭で屋上の鳥居をくぐったら雲の上に舞い上がったところ、それほど驚いた表情ではなかったのは、状況を飲み込むのに時間がかかったということでしょうか。

帆高が、時々、大げさな表情をするので、陽菜の表情がおとなしく感じてしまいます。帆高の表情が大げさなだけで、比較するから陽菜の表情のおとなしさが不思議に思えるだけなのでしょうけれど。

あるいは、陽菜は夢で何度も見ていたから、とか?、明確に認識していなかったもののそうかも知れないと思っていたことが起きただけだから、とか?。


○ 結末には賛否両論あるだろうと公開前やパンフで言っていた新海監督ですが、客がどちらを望むかということであれば(本音か建前かは別として)賛否が分かれるでしょうけれど、物語の流れとしては不自然ではないので、そこ自体に賛否は無いでしょう。

帆高と陽菜からすれば、世界よりも自分たちの方が大事というのは自然なので、2人の側から見れば妥当な結末となります。

陽菜が助かることによって日本は雨が何年も続いて、東京23区のかなりの部分が水没するので、社会的というか世界的というか、その側から見れば、陽菜だけが人柱となるだけで、いわゆる「普通」の天気になるので、2人の選択は間違いとなります(「普通の天気」については、パンフの新海監督コメント参照。)。

ただ、後者の選択であっても直接的に誰かが死ぬわけではなく、もとよりそういう天気だということになればそういう天気が「普通」なので、それに応じた生活をするだけ、それに応じて住む場所を変えるだけ、です。

・かの名作「銀河鉄道999」にずっと雨の惑星での話があり、それを思い出しました。その惑星では、雨以外の天気はありません。
また、この地球の中東の砂漠地帯では、ほぼいつも晴れなので、天気予報にほぼ意味がないという話も思い出しました。

これらがあるので、私は、2人の選択により東京はいつも雨になるということもすんなりと受け入れられたのかも知れません。

とは言え、現実だとしたら、陽菜を犠牲にすべきと思うだろうな、と思いました。

・なお、3年後でレインボーブリッジの道路面が水没していたので、50メートル以上も海面が上がったことになりますが、どんなに雨が降り続けても東京や日本だけがそうなるとは思えません。広い海につながっているのですから、雨が降り続けているところが多少は海面が高くなるとしても、何十メートルも高くなるものなのかどうか。

よって、地球温暖化で世界中がそうなったということのはずですが、そこは言及されていなかったはず。

帆高が陽菜を助けて戻ってきた後、2人に罪悪感のようなものが少ししかないように見えたのですが、まだ子供だから(ここでは、無邪気とか、考えが足りないとか、という意味。)ということではなく、いろいろと考えて昇華した結果として陽菜を助ける選択をしたので、助けると決めた段階で済んだことだからでしょう。

世界の秘密(陽菜の能力の理由。)を知っている人は、この件に身近に関わった数人(大人と子供。)だけだと思われる上に、元からそういう天気だったと思えばいいと思っている様子で2人の選択を誰も責めていないので、なおさら罪悪感をあまり感じないのかも知れません。

(日本の人々が事情を知ったら、間違いなく帆高と陽菜を責め、須賀圭介らも守り切れなくなり、須賀らも責められるでしょう。)

また、罪悪感の描写に時間をとるとエンターテインメントとしての性格が薄れますし(少しだけ描かれている。)、少なくとも長くなり過ぎるのでエンターテインメントとしては避けたいのでしょう



○ ED曲が2曲続けてというのは、まあ、気にしないこととして。しかし、1曲目の1回目のクレジットは主な人のみでしたが、2曲目の2回目でも同じ人が出てくるので、クレジットが2回というのは不要だったのでは。
せめて、1回目ではクレジットを入れないか、1回目の人を2回目では外せば意味は分からなくは無いのですが。


○ 写真
・やはり、TOHOシネマズ新宿が一番宣伝に力が入っていたような。




新宿ピカデリー。新宿バルト9は、これにプラスして外に大きな看板がありました。


・新聞広告。
2面見開き。


前日広告。


・3月のアニメジャパン2019。




・ついでに「君の名は。」の新聞広告。紙面の表裏で、光に透かすと2人が出会う映画のシーンになるというもの。
1、2枚目は表裏、3枚目は紙面で透かして見たもの(敢えて三葉の側(裏側)から。)。





【shin】
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