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「囮物語」感想。利己的で甘ったれでガキで狂気な撫子が可愛いと思うのは花澤香菜の声のおかげ。でもリアルでは大嫌いなタイプ

 2013年夏から続く物語シリーズ2ndシーズンの感想の続きです。

◎「囮物語」(おとりものがたり)

 「かみついて、君を感じる 罠の中。」(「かみ」=噛み、神)
 「なでこメドゥーサ」其ノ壹(1話)から其ノ肆(4話)まで。


○ なでこ可愛い、なでこ可愛い、なでこ可愛い、なでこ可愛い、なでこ可愛い。
 でも、リアルでは大嫌いなタイプ。



 このアニメでの、利己的で甘ったれでガキで狂気な撫子が可愛いと思うのは、キャラがそれなりに可愛いことだけではなく、花澤さんの声のおかげでしょう

 花澤さんが沢山のアニメに出ているのに飽きないし重複感がないのは、魅力的で印象的な声なのにスーと入ってくる声だからキャラがキャラとして生き、花澤さんの顔が消える声だからかなあ。相変わらず、凄い声だなあ。


 まあ、このアニメは、それなりに出番があるキャラで嫌われ者はいませんし、いる必要もありませんし。





○ 因みに、「囮物語」の後の「総集篇Ⅲ」は「偽物語」でした。
 そういう話でしたね、思い出しました。「何もかも、みな懐かしい。」(宇宙戦艦ヤマトの名言。)


 1話冒頭、千石撫子(中2)(cv花澤香菜)の可愛い自己紹介からの、、、、、例の北白蛇神社で、撫子の髪が白蛇というメドゥーサ状態で、阿良々木暦(cv神谷浩史)と忍野忍(cv坂本真綾)にとどめを刺したような、瀕死にとどめたような。


 なんだかんだで、実は阿良々木は強いと言うほどではなく、「猫物語(黒)」では忍の妖刀と忍の助けで何とかブラック羽川(cv堀江由衣)に勝っただけですし、「猫物語(白)」では虎(cv斎賀みつき)の不意を衝いて勝っただけですし、「化物語」の「するがモンキー」編では神原駿河(cv沢城みゆき)に負けたと思われたところに戦場ヶ原ひたぎ(cv斉藤千和)に助けられたのですし。


○ 可愛さ余って憎さ百倍で、止めを刺したかのようなところで狂った高笑いをする撫子、そして撫子のナレーション

 「イヤイヤホント、どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?。どうして・・・」

 で、オープニング曲を経て何故に大好きな暦お兄ちゃんを殺そうとするようになったかの撫子の、10月31日からの回想へ。


 撫子のナレーションが、ヒョウヒョウとした感じ、悪びれた様子がない感じ。

 つまり、自分が100%正しくて相手が100%間違っていると思い込んでいる時の語り口、自分で自分に暗示をかけて思い込んでいる時の語り口。


 子供の純粋さ純真さを無条件に褒める人が多いですが、そんな人は、世間知らずな人、かつ、他人をよく観察したことがない人(=自分にしか感心がない人)、かつ、何よりも自分自身をよく見つめたことがない人であり(珍しく、断言します。)、純粋さ純真さゆえの大人以上の子供の残酷さというのをもう少し知るべきです。


○ 1話後半、中学の公衆電話から阿良々木に電話して、白蛇が見えるから相談に乗ってくれと言い、夜に忍が起きてから会う約束をした撫子。
 それを「楽しみにしてるね」と、つい言ってしまうなど、阿良々木に会いたいという気持ちが撫子に白蛇を見させたのかと思ったのですが。。。


 受話器から出てきた白蛇のクチナワ(cv上田燿司)に、神社に来るように言われて夜に行き、神社で、神様であるクチナワの本体(ご神体)を探すために取り憑かれることを了承した撫子。

 「化物語」での「なでこスネイク」編で何匹もの白蛇を切り刻んで殺したお詫びとしてクチナワに求められたからですが、う~ん。。。(4話で、ここで取り憑かれたのは、撫子の妄想と分かりましたが。)

 撫子も、「無理な相談だと思いました。けれど、断る方がより無理でした。」と回想していますが、そういう子なんだということですね。

 加害者意識につけこませることによって、加害者なのに被害者意識を持つことが出来るという。

 そして、良い子でいたいからとか嫌われたくないから頼まれたらイヤとは言えないとか、頼まれたからやって上げているという安全な立場でいたいとか、だから仕方なくしたので失敗しても自分のせいではないと言えると。

 自分が可愛いと。自分だけが可愛いと。

 自分が可愛いことを(半分無意識的に)最大限に利用して生きてきたと。
 それだけずる賢いと。
 それだけ性格に裏表があると。



 2話OP前、神社に行ってクチナワがシュシュに化けてからは気のせいとして阿良々木とは会わないことにしました。

 それはちょっと変だなあ、と思ったのですが、ここは、4話で撫子が、9月頭からイロイロと妄想したり都合が悪い記憶を閉じ込めたりしていたとのことだったので、阿良々木と忍に会うと自分の妄想だとバレると(無意識に)思ったのでしょうかね。



○ それにしても、1話前半で、忍野メメ(cv櫻井孝宏)の姪の忍野扇(cv水橋かおり)が撫子から見たら初対面なのに、撫子と以前会ったことがある話しぶりでしたし、「しまった、まだ私は千石ちゃんとは知り合ってなかった。」と言っていたということは、扇は並行世界に行けるとか時間旅行ができるとか、そんなところなのでしょう。

 だから、「傾物語」で並行世界のメメが阿良々木と忍が別の並行世界から来たと容易に見抜けたのでしょう。


○ それにしても、忍(2話後半)も阿良々木月火(cv井口裕香)(3話OP前)も、撫子はとても可愛い、自分の次に、と言っていたり、戦場ヶ原は撫子に、可愛いガキが嫌いと言っていたり、女性は自分が一番可愛いと思っている一方、自分より可愛い女性がいることは認識しているけれど誤魔化していて、自分より可愛い女性が嫌いということでしょうか。
 となると、誤魔化しているからこそ、化粧をして更に誤魔化そうとしているのかなあ、と想像してみたり。


 そう言えば中学の時、お相撲さん並みとまでは言いませんが、そのくらいに明らかに太っている女子が「私、太ってないよね?」と別の女子に言っていたという話を聞きました。

 女性が使っている(心の)鏡は特殊なようです。


 2話前半(11月1日)。撫子、学級委員長を押し付けられていたんですね。

 1話前半で、「偽物語」で貝木泥舟(cv三木眞一郎)が流行らせた「インチキおまじない」で、皆が誰が好きで誰が嫌いか、誰が誰をどう思っていてどうしたいのかなどの本音を出してしまってクラス中が疑心暗鬼になってしまったと撫子が言っていましたが、誰もやりたがらないから、大人しい撫子が押し付けられたのだと。

 クラスの不和の解決を撫子に押し付ける担任の笹藪先生(cv成田剣)はどうかしていますが。


○ 3話前半最後から後半始め、解決を何度も催促され、そんな担任にキレて怒鳴る撫子

 3話後半、その勢いで、担任に解決を求められたので、撫子が教室でクラスメイト達に、適当なところで折り合いを付けなければならない、お前らはサイテーでクズだ、だけどクラスメイトだろ、みたいなことを叫びます。

 花澤さんならもっとドスの効いた声、怖い声を出せるはずですが、もとは大人しい撫子ですし、撫子の声でやるので、少し抑えた口調になったのでしょう。

 それとも、4話からして、これも撫子の妄想で実際は怒鳴っていないし、何も言っていないとか?


 ここは実際に言ったことにした方が、学校にいずらくなって早退して孤独を感じるところも、そしてそれを機により狂気になるところの理由も分かりやすくなりますから、言ったのだと思いますが。

 ただ、怒鳴ることで撫子は抑圧を解放したのでスッキリしても良かったのですが、恥ずかしい気持ちの方が強く出たというのは、撫子らしいのでしょう。恥ずかしかったからこそ、撫子は自分を追い詰めてしまい、狂気に近付いたのだということです



 4話(11月2日かな?)。

 3話後半で、阿良々木の部屋でご神体を封印したお札を見つけた撫子。そこに入って来た阿良々木。

 でも4話前半、阿良々木の制止も聞かず、シュシュはクチナワではなくただのシュシュだったことに気付いた撫子は「手遅れなことくらい、私が一番分かってるよ。」と叫んでお札を食べると。

 忍が出てきて撫子を挑発したから、忍が阿良々木と仲が良いのを撫子が気に食わないから、撫子が食べたようにしか見えませんでしたが。つまり、忍が悪いとしか。。。


 で、クチナワと撫子が一体となり、神となり、強くなり、イロイロあって1話冒頭と撫子の妄想の種明かしへ。

 これまでの回想のいくつかは、9月頭に阿良々木に恋人がいると知ったときから妄想が始まり、戦場ヶ原に呪いをかけるために神社に通い、撫子が妄想したり記憶を捏造(ねつぞう)した、だから撫子は正しい記憶を直ぐには思い出せないのだとか。更に、神様を復活させて阿良々木と付き合えることを叶えてもらおうとしたのだとか。


 手の込んだことをして撫子の狂気を上手く表したものです。


○ 4話前半最後、淡々と撫子「じゃあ殺そうか、暦お兄ちゃんを。

 少し驚いてそれで良いのかと確認するクチナワに淡々と、「う~ん、だってしょうがなくない?。生きてたら暦お兄ちゃん、どうせまた彼女とか恋人とか作るだろうし。そのたび失恋するのもしんどいよ。

 白いシュシュを付けた右手を上に上げ、微笑んで撫子「絶対に叶わない恋をし続けるって意味なら、暦お兄ちゃんに死んでてもらう方が、ずっとロマンティックじゃない?。


 呆れてクチナワ「もう、そのレベルで狂ってんだな、お前は。

 最初は普通に、最後は強い口調で撫子「仕方ないよ、撫子は怪異なんだから。だけど、それは撫子であって、私じゃない!


 理性を前提にした行為なら同情や共感も出来ますが、狂っている部分が大きいとそれも難しいと。統合失調症の発症が思春期や青年期に多いように、思春期と狂気は近しい関係にあります(撫子が統合失調症かどうかは情報不足です。なお、統合失調症は、鬱病と変わらないように見える軽いものもあれば、狂気になるものもあります。念のため。)。


○ 阿良々木と忍+戦場ヶ原を殺すつもりの撫子ですが、2人にとどめを刺そうとしたら戦場ヶ原から電話が。

 4話後半、半年後の卒業式後まで、戦場ヶ原の命と引き換えに2人を助けてくれという旨の取引を、いつもの高慢な口調で撫子に言うと。撫子があっさりとOKしたのは意外でしたが。


 違う形で出会っていれば友達になれたかもと、しおらしく言う撫子に「イヤ、それはない。悪いけれど、私はあなたのような可愛いガキが、昔の自分より嫌いなのよ、千石撫子さん。」と冷たくあっさりと言って電話を切る戦場ヶ原。

 その間、雨音が徐々に強くなり、電話が切られた直後に空を見上げる撫子の表情が、孤独と悲しみに満ちた微笑み、イッチャッテイマス。



○ 「化物語」等で高校生である羽川翼と神原駿河が怪異にとり付かれたときにも阿良々木を殺そうとしましたが、それに比べて、阿良々木と忍と戦場ヶ原(更には神原や羽川が卒業式後に来れば2人も。)を殺すことに、中学生の撫子は遠慮やためらいがないのですよね。

 それは、元からの利己的な撫子を表しているとともに、子供らしい(中2の割には少し幼いけれど。)純粋さと純真さからくる、子供らしい残酷さの表れでしょう。(あと、ビョーキ。)



 だから、羽川と神原の阿良々木への殺意には葛藤が背景に見えるので同情や共感をしやすいのですが、撫子の殺意には同情も共感もあまり持てないな、と。勝手にやっていろ、と。


○ 4話エンディング後に撫子が卒業式後を想像して、阿良々木、忍、戦場ヶ原だけでなく、神原と羽川のフルキャストだったら最高であり、5人そろえば「ラスボス冥利に尽きるというものです。」とヒョウヒョウと言い、更に、5人相手でも負ける気がしないと笑顔で言う撫子ですから、いつでも殺せるから半年後でもそれはそれで面白いとでも思ったのでしょうね。


 大好きな暦お兄ちゃんはどうやっても振り向いてくれないけれど、阿良々木(と戦場ヶ原)を苦しめることによって撫子のことを常に考えさせるとか、撫子の存在感を常に示すとか、そんな残酷なことができますし。

 そして、最後に、阿良々木を自ら殺すことによって撫子が阿良々木を手に入れ、阿良々木を永遠に自分だけのものにできますし。


 まあ、ここで撫子に思いとどまってもらわないと物語上イロイロと困るので、別に構わないのですけれど。


 さて、ラスボスと言うからには、卒業式後の話は2ndシーズンの最後で描かれるのかな。

 阿良々木達は撫子を殺さずに撫子を倒せるのかどうか。撫子が本当に狂ってどうしようもなくなり、阿良々木らに殺されるか、撫子が勝って世界が滅ぶ方が物語としては自然ですっきりしますが、物語シリーズですから撫子は助かるのでしょうね。

 ED後、戦場ヶ原の顔だけ、撫子が卒業式後を想像したシーンでも映されなかったことから、撫子は戦場ヶ原を精神的にオソレ(恐れ&畏れ)ていることが伺えます(物理的に戦えば撫子が戦場ヶ原に勝つことは撫子も分かっているはず。)。そのオソレという人間性が、撫子が狂気から逃れる可能性を、ほんのわずかではありますが、示しています。

 そこまでの持って行き方が楽しみです。


【shin】
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