市民大学院ブログ

京都大学名誉教授池上惇が代表となって、地域の固有価値を発見し、交流する場である市民大学院の活動を発信していきます。

智恵のクロスロード第3回「着地型観光と地域活性化」金井萬造

2014-07-07 12:34:28 | 市民大学院全般
                                     2014年7月7日(金) 金井 萬造
 着地型観光の取組みの取組みでの観光地のCBT(コミュニティ・ベースド・ツーリズム)による地域活性化はどのような要素を考慮した対応で実現していくのか、もたらせられるのかを比較的に事業化が成功している地域の取組みの分析から、見えてきている状況にあります。
 地域活性化をもたらす取組みの方程式を紹介します。今後、更にソフト面の対応を進める中で、見えてくると思います。

基本となる地域活性化式について

 地域活性化の取組みは、4つの構成要素の結合により活動が開始され、地域ぐるみの取組みとして展開されていくことが、日本の各地の取組みから認められる。
 地域活性化の取組みは、この4つの構成要素がすべて稼働して、地域活性化が動き出すと考えられる。

 地域活性化式=危機感×地域資源×人材(組織化)活用×市場(流通)対応

 対象地域に対する地域維持についての危機感(情熱)を持っている核になる人を中心にして、地域の資源に着目して、同じ想いを持っている人材に呼びかけ、取組みの組織を立ち上げ、資源から観光素材を選びだして、市場に乗せて観光商品の販売・流通のより、経済的対価としての事業収入を獲得していく取組みです。

 地域活性化式を構成する要素については、サブのモデル式が以下のように示される。現段階では、構成式の完成に向けての試行段階であり、仮設として提示したい。

①危機感=情熱(地域)×地域認識×生活・生業×地域連携

地域活性化の取組みは、その地域の将来に対する危機感・情熱を持った人材の核となる人的資源が出てくることが必要です。

②地域資源=文化的景観(ストック)×生活文化×生業(農・技芸)×市場対応

観光地の空間を自然・生活・生業・文化活動の実践の場(ステージ、プラットフォーム)として捉える。市場流通に活かせる資源は、観光地のコミュニティの空間と活動のストック(社会資本)とそれを活かしている地域活動の内容が主な対象になる。

③人材(組織化)活用=地域資源×調査研究×価値創造×発信(地域ブランド)

地域資源を活かした観光客との交流による感動を通しての付加価値づけに向けての創造展開であり、地域からの発信により、事業としての展開になる。

④市場(流通)=地域商品×発信(情報)×流通(経路)×受入体制(地元)

地域観光商品の地域からの発信・流通・もてなし・感動等の観光客対応と経済的活動である。

地域活性化式の実践により取組みを進めていくにあたって、それらを総合的に支援するソフトな支援体制・支援制度(事業制度、税財政措置等)は、次の構成式で表せる。

⑤事業推進の対応=支援組織・行政×資金対策×法と税財政措置×研究機関

CBT事業の推進のための対応であり、事業の立ち上げと運営・持続(継続・発展)に向けての地域社会のシステム構築が課題となる。

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市民大学院の講義計画

7月 8日(火)17時半 繁昌文化研究学 西端先生
7月 9日(水)13時半 観光経済学 金井先生
       14時半 現代観光政策 近藤先生
       16時  文化経済学 中谷先生
       17時半 教学会議
7月12日(土)16時  中国語研究会 横川先生
7月14日(月)16時15分 たらちねNIPPON共催企画「夏感コミスタ」
7月15日(火)17時半 京都まちづくり学 山田先生
7月16日(水)16時  ラスキン学 内藤先生
       17時半 文化政策・文化経営学 池上先生
7月18日(金)14時  萬世学研究会 岸本先生
       16時  中山間マネジメント論 古畑先生
*参加希望の方はホームページ(http://bunkaseisaku.jp/)のお問い合わせからお申込み下さい。