しまねこ企画

SDやベアにぴったりの小物を作ってます

真面目なお話 もの作りを志した訳

2006-09-22 18:19:53 | Weblog
え~、ちょっと真面目なお話でもしてみようかと
長くなるので、それでも良いと思われたら読んでやって下さいませ

現在、しまねこはテディベアを作ったり、SDの為のグッズを作ったりしています
おかげ様で、イベントでしまねこブースに走ってきて下さる方や
新作を楽しみにして下さる方もできて、作るのにやりがいを感じ
今、とっても幸せです

でも、しまねこは…何と呼ばれるよりも<クマ職人>と呼ばれるのが嬉しいんです
最近は、テディベアのブームも陰りを見せ、有名な店が閉店したり
ショップのべアコーナーが無くなったりと
寒い季節が来ているようです
皆がゲーム機やパソコンを欲しがって
クマのぬいぐるみなんていらない、って思ってるんでしょうか?
あの、フワフワは幸せの元だと思うんですが……

なぜ、クマ職人にこだわるのか
ちょっと昔話など……

幼少の頃、しまねこは大病にかかり救急車のお世話になりました
後に聞いた話では、『首が曲がらなかったら、覚悟して下さい』と医者に言われたそうです
でも、先生のお陰で元気になりました!
子供の事なので、自分が死にかけてたなんて知りません
入院中に、大きなクマのぬいぐるみをもらいました
ただ,嬉しかったんです
クマちゃんは…長い間、しまねこの大事な友達でした

大きくなり、学校を卒業して入社した会社は、総合卸売問屋!!
そうです!!何でも卸価格で買えたんです!!

同僚達が、ファッションビルに走るのを横目に
しまねこは、ぬいぐるみを買いまくりました!!
嬉しかったんです!
自分のお金で欲しかったぬいぐるみが好きなだけ買える事が!!

月日は流れ、会社でも中堅どころになり
仕入れや、商品企画にも携わっていく中で
いつしか、ぬいぐるみ達は『買った』という自己満足の中に置き去りにされていきました

そして、あの日………
休みの日に、しまねこは出掛けていました
平日昼間の電車の中、人もまばらな車両の中にその親子はいました
母親と、幼稚園前ぐらいの女の子
どこかにお出かけ?
おしゃれしたその子は、右手で母親と手をつなぎ左手に人形を抱いていました
腕全体で抱きしめるぐらいに、まさに全身でしっかり抱きしめていた
それは、ラガディアンドール(カントリードールと言ったらお判りでしょうか?)

おそらく手づくりと思われるその人形は
どうひいき目に見ても、汚れてボロボロでした
醤油か、チョコレートのシミ?がたくさん…
裾がほつれてボロボロのドレス…

でも、その人形と目が合ってしまったんです
その時、その人形が笑っていた様に…しまねこには見えました
どこへ行くのも、彼女と一緒!!
しっかりと抱きしめられたその腕の力は
そのまま、彼女の心だったのでしょう
『なんて幸せな人形だろう!』
心からそう思いました………

自宅に帰るまで、あの人形の事が忘れられませんでした
そして、帰って部屋にあるぬいぐるみ達を見た時
思ってしまったんです!
もしも私が買わなかったら
この子たちにも、あんな風に抱きしめてもらえる腕があったかもしれない

………もの凄い罪悪感でした
今にして思えば、何もそこまで思わなくても…って思うのですが
結果,特別な思いのあるのを残し、ほとんどを手放しました
友人知人の子供達に、あげてしまいました
わずかの間でも、大事にしてもらったでしょうか?

その後、縁あってテディベアの先生に出会い
沢山のべアを作って行く中で、自分の中にある想いが出来ました
あの時の人形の様に、誰かの唯一大切な子を作ってみたいという想いです…


その後、色々あって会社を退職し、クマ職人を目指して色々な事をしました
百貨店に出店したり、アート系のフリマに出た事もあります
暗中模索な日々が続き、苦労しました(^▽^;)
でも想い続ければ、願いは必ず叶います

子供さんに渡す時には、保護者の方にこんな風にお願いします
『どうか、棚に入れて飾るのではなく、一緒に遊ばせてあげて下さい
汚れても、それは…その子とクマさんの歴史なんです』
もったいない!と言われる事もありますが
直し込んで置いておく方が、もったいないと言い続けています
手足が動き、顔の向きまで変わるテディベアは子供には実際人気があります
チャンと首の向きを変えて、一緒に本を読んだり
抱きついてそのまま寝てたり…と、大人が思う以上に子供は遊んでくれます
大人になった時、記憶の中ででも一緒にいた事を覚えていてくれたら
それに勝る喜びはありません

最近では、SDを介してクマ作りにかかわる事があったりして
本当に嬉しい限りです
また、SDの着ぐるみ作りには、テディベアの経験が生かされています
特に立体のパターンは……知らない方が見ても絶対分からないと思いますね
諦めずにやっていて良かったなぁって思います

これから先、どうなるのかは分かりませんが
私は、一生<クマ職人>でいたいと思います

大切なただひとつのクマさん……側にいますか?