SHIMAKEN BLOG

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11月12日(土) 「The Musical of Musicals」&「Sweeney Todd」

2005-11-12 13:36:29 | Weblog
ブロードウエイでは水曜と土、日曜日にマチネーがあるので、この日は昼夜で2本観ました。
昼に観た 「The Musical of Musicals」はオフ・ブロードウエイ作品です。オフやオフオフには
低予算で規模は小さいけれど、アイディアのすぐれたものや芸達者な役者さんが出ていたりと、なかなか
面白い作品が多いのでよく観に行くのですが、今回のオフ作品はこれだけでした。ちなみにオフとかオフ
オフ・ブロードウエイというのは劇場の場所ではなくキャパシティーのことで席数100未満がオフオフ、
100以上500未満がオフ、500以上がオン・ブロードウエイというそうです。
会場は一つの建物の中に5つの小さな劇場が入っているシネコンならぬシアコンで、ここは初めてだったの
で、さすがブロードウエイ !!と感心しました。「The Musical of Musicals」は同じプロットをロジャース&
ハマースタイン風/ソンドハイム風/ロイドウエイバー風/カンダー&エブ風/ジェリー・ハーマン風と5通り
の代表的なミュージカルスタイルで見せるというもので、アイディアを聞いただけですごく面白そうで
楽しみにしていました。 ステージにはスピネット・ピアノ(アップライトの背の低いもの)がおいてあるだけ、
キャストも男性2人女性2人の4人だけ、音楽は男性キャストの1人が弾くピアノだけ(これがまたウマイ !!
ときには他のキャストも交代して弾いてました!)と超シンプルだけど、やはりアイディアが面白いので
かなり楽しめました。ただ僕的に勝手に想像を膨らませて、すごくおしゃれなものを期待しちゃっていたので、
結構ベタなパロディー部分(特に音楽的に)はちょっと(?)という感じもなきにしもあらず・・・でありました。


★5つの劇場が入っているDodger Stages. (50th.st)


夜は「Sweeney Todd」を観ました。スティーブン・ソンドハイムの1979年のトニー賞7部門受賞作品で、
今回の再演は最初ロンドンで作られたものです。 ソンドハイムは25歳でウエストサイド・ストーリーの
作詞を手掛け、その後は作詞作曲の両方で、芸術性の高い、新しいミュージカル音楽のスタイルを築いた巨匠
で、僕も大ファンなので、これも本当に楽しみでした。 内容はかなり異色で、舞台は19世紀半ばのロンドン。
妻を陵辱され娘を誘拐された床屋スウィーニー・トッドが、パイ屋の夫人と協力して復讐を果し娘を取り返そう
とするうちに次々と客を殺して、ナント人肉パイにして売ってしまうという、こわ~いお話。原作はイギリス
の小説で映画にもなっています。ソンドハイムの作品のなかでも最もオペラ的といわれるだけあって、登場人物
の感情や人間関係を複雑に入り組んだ重唱で表現する音楽は本当に素晴らしく、ミュージカルを超えて歌劇場
のレパートリーにもなっているほどです。さてさて、幕があがると出演者達(10名)がそれぞれ楽器を持って登場。
む、む、何事!!と思う間もなく演奏が始まり、皆演奏しながら唄って芝居するという前代未聞な出来事にビックリ!! 
いわゆるオーケストラはいなくて出演者がオーケストラでもあるわけです。(大女優パティー・ルポンもですよ!) 
しかもクラシカルで難しい音楽を譜面も無し、指揮者も無しで見事に演奏しているうえに、ピアノを弾いていた
人がトランペットを吹いたり、アコーディオンを弾いていた人がフルートも吹いたりと、もう唖然です(^_^;) 
ブロードウエイでは唄って踊って芝居が出来るのは当たり前、さらに楽器の一つや二つ出来る人がたくさんいる
のは知ってるつもり・・でしたが、いや~ここまでやるとは!! かなりやられて帰ってきたシマケンでありました。


★開演前で賑わっているEugene Oneill Theatre。 (49th.st)