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日本の誇る 炭素繊維 とDSS振動板

2025年04月29日 | オーディオ談義

 

 高性能で高品位な炭素繊維は、日本が世界シェア No.1 であることをご存じでしょうか? 今や航空宇宙産業では欠くことの出来ない構造用材料です。

 炭素繊維は、正しくはCFRP(炭素繊維強化プラスティックの略)という材料名になります。即ち炭素繊維の生地に樹脂を浸み込ませて固めた材料です。そして、ひとくちに炭素繊維と言っても、その硬さには様々なものがあります。スピーカーの振動板等に使用される一般的なものは、ハガネと同じ程度の硬さを持つ炭素繊維で作られています。非常に硬い特殊な超硬炭素繊維の場合は、ダイアモンド並みの硬さのものもあります。尚、「硬さ」は技術用語で「弾性率(伸び縮みのし難さ係数)」と呼びます。数値が大きいほど硬い材料となります。(参考:下記に弾性率比較表)

 

 

 そして最新のDSSカーボン振動板では、超硬炭素繊維を採用する事で極限の性能を追求しています。

 本当にそこまで硬い素材が必要なのかと思われますか? 実はダイアモンドでも大したことはありません。極薄の振動板では、ダイアモンドでさえ指先でフニフニと曲げられる状態です。振動板が”しなり”ながら音を出す事で音楽の躍動感が損なわれている事がDSS振動板の性能向上とともに明確になりました。従って、紙は勿論、ガラスや金属類、汎用の炭素繊維などの振動板ではお話にならないのです。

 そして、ダイアモンドの硬さでも不足するので、素材に頼るだけではなく、内部に筋交いが沢山入った三次元補強構造として、構造と素材の両面を強化する事で初めてDSS振動板ならではの音作りが可能になったのです。

 ところで、超硬炭素繊維は、対共産圏輸出規制の対象品となっています。ほとんどのスピーカーユニットが某国(わかりますね?)で作られている現状では、超硬炭素繊維の様な高性能素材は採用出来ない事を意味します。国産スピーカーユニットを製作する薩摩島津では、この様な優れた素材を活かせる立場にあります。今後も国産ならではのより良い製品作りに邁進してまいります。

 

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