司馬万太郎の残日録

司馬遼太郎の小説を読むことが好きな建築士の日常雑想録
  (競輪)・(中日ドラゴンズ)・(晴耕雨読)そして建築のこと

建築パトロール

2012年10月11日 | 建築
 本日は全国一斉建築パトロールの日。という事で、私も行政の方と一緒に市内の建築現場パトロールに同行させていただきました。
約2時間ほどのパトロールで25件程の現場を回りました。確認表示板の未掲示が2・3件あったように思いましたが、実は先日の台風で掲示板が避難をしていてよく見えない部分にあったり、監督がしまってしまったままだったりしていた。というのが現実でした。という事で、違反現場はありませんでした。
昨年と比べると工事現場の数が明らかに増えています。

消費税法案の影響で、まだ駆け込みとは言えないのですが前倒しの建築計画になっているようです。工事現場の安全を願ってパトロールを無事終えました。

  ・・・・・今日は、ここまで。

景観条例など

2011年11月13日 | 建築
 先週、しばらく会っていない息子に荷物を届けながら、夫婦で横浜に行った。
丁度、学園祭だったのでバザーでお腹を満たしながら、学内を散策しました。結構いい運動量になりました。息子の部屋の模様替えを手伝いましたが、結構自由を謳歌している様子が伺えました。やたらファッション雑誌が目につきました。服・靴、それなりのセンスで買い替えてありました。金掛かっていそうでした。まぁー、年頃ですので仕方ありません。
 その日の夜は3人で、予約をしておいた中華街に出かけて夕食をしました。共に酒を飲みながら、ひさしぶりに息子といろいろな話ができました。

 翌日は、夫婦で横浜を散策しました。浜スタ公園・山下公園・みなとの見える丘公園・昼間の中華街を経て、ゾウの鼻から赤レンガ倉庫に向かいました。いわゆる「みなと未来」地域です。赤れんがで土産を買ったあとで話題のカップヌードルミュージアムに行きました。百助やアインシュタインとならんで記念写真を撮ってきました。オリジナルヌードルは予約が必要で作ることはできませんでした。後で知ったことですが、来年の3月頃まですべて予約でいっぱいだったんです。
 赤レンガからカップヌードルに向かう途中、すべての帆を揚げた日本丸を見ることができました。日本丸が27の帆すべてを揚げるのは年に12回とのことだそうです。
われわれは偶然その日に遭遇したわけです。息子に感謝です。

 カップヌードルミュージアムには、ジャイカビルの裏側を通って行ったため、たぶんそうだろうなと思いながらも、これがその建物だと確信がありませんでしたが、正面に回れば明らかに目当てのビルであることは一目了然でした。
この建物は企業の広告塔にはもってこいであり、建物周囲の眺望も開けているのに建物には日清の広告やロゴは一切ありません。わずかに正面に「!!!cupnuodoru mujiumu」と箱文字が刻んであるだけです。建物の裏側にも企業表示や商品広告は一切ありませんでした。さすが業界№1の日清。奥ゆかしい!とその日は思ったのですが、・・・・
家に帰ってふと思ったんですが、そういえば浜スタの周りやインポートビルでカラフルな広告や大きな看板は記憶になかった様なと思いました。ひょっとしてと思い、検索しました。「横浜 みなと未来 景観条例」ありました、ありました。めちゃ厳しいです。色は特に厳しいです。
 今、日本で一番きれいでおしゃれな街 横浜「みなと未来」どうやらその秘密はその辺にありそうです。

   ・・・・・今日は、ここまで。

トトロの住む家

2011年10月17日 | 建築
 塚森の主・・・トトロ

トトロの住む家とは

・ひっそりとした家
・植物へのいたわりを忘れない家
・軒の深い玄関

 陽だまりの縁側に腰をおろして
寒梅のようやくほころぶさまなどを眺めつつ、煙草をくゆらす。
夏には、縁側のガラス戸をすべて開け放ち、
風の通る座敷で、座布団を枕にうたたねをする。
子らは、縁側の雨戸の、母親が開けしめする音で目を覚まし、
沓脱石にもまだ登れない仔犬の鼻をならす声にはね起きるのだ。

 
 しかるに、

 家は外界追い出そうと、ますます気密化を進めていく。
それとともに、この民族の精神構造は、確実に変化していくにちがいない。

「昭和初期の、中産階級の中の下のティピカルな建物ですよ。」

子供が育つには、光や暖かさだけでなく、闇や迷宮も要ると考えている。

 「世の不思議」をただよわせる家がいい

「となりのトトロ」に出てきた、
後ろに山を背負い、前には小川が流れているような家。


    ・・・・・きょうは、ここまで。

地震保険鑑定の建築士が不足しています。

2011年04月15日 | 建築
暫く更新しないでいた間に大変な事態が起きてしまう事になった。

個人として、または団体の一員として気持ち程度の募金でしか応援できてはいないが、何とかくじけないでいて欲しいと願うばかりだ。


 保険会社が地震保険の鑑定に対して圧倒的な人手不足でこまっている。
多くの建築士の参加を募集している。時間的に余裕(一週間程度の単位)のある建築士の方は是非参加していただければと思っています。
これはボランテアではありません。業務としての職能の発揮ですので、交通費・宿泊費・日当は全て支弁されます。残念ながら私は一週間という単位では現在時間が取れないため参加できませんが、時間の取れる建築士の方は是非、職能を発揮して復興に協力していただきたいとおもいます。

 多くの鑑定事務所が募集していると思いますが、私の知っている事務所をお知らせしておきます。この事務所は、愛知建築士会にも正式に協力依頼を申し入れて来ている事務所なので、問い合わせの際は愛知建築士会の会員である旨を報告いただいた上でお話をしていただければと思います。

 (有)グローバル鑑定事務所  社長:近藤直貴
      TEL:052-581-0139


    久々の更新なのに・・・・・今日は、ここまで。

一級建築士学科試験結果

2010年09月08日 | 建築
 昨日、一級建築士の学科試験の合格発表があった。
合格基準点は88点で以外に低い点数となった。90点を基準とするべく行なわれた試験であったにも関わらず例年並の合格者を輩出するには88点がボーダーになった。ということだ。絶対試験と公言しているにも関わらず、説明付きの発表となっていた。ややあきれるばかりである。早々に合格率を想定した相対試験であると公表するべきである。
 まぁ感想についてはそんなところだが、以外な点数に息を吹き返した受験者も多数いる事だろう。
アトリエ的な事務所で日々設計計画に携わっている者はこれから製図試験の準備に入ってもそれほど心配はないだろうが、そうではない者は今からの独学ではまず合格はないだろう。
各都道府県の建築士会のホームページを調べて、建築士会の開催する講習会にでも参加してみるといいだろう。少なからず参考になるはずだ。しかも参加料は安価である。
中には、複数日に渡る講習会もあるはずだ。
 昨年の製図受験経験経験者と対等に競うなんてことはあきらめたほうがいい。
良問課題を手に入れて、何とかその手法を展開して回答していく方法をとるしかないであろう。が、決してあきらめる必要はない。
講習会の開催日をよく調べてみれば、隣県や交通の便の良い他府県の会場であれば、掛け持ち参加が充分に可能なのだ。時間はタイトになるかも知れないが、交通費を別途払ってもまだ充分に安い費用で参加できるはずだ。一度調べてみることをお勧めする。

  ・・・・・今日は、ここまで。
 

応急危険度判定士

2010年01月18日 | 建築
 建築士資格保有者の多くが、地震時の建物被害を判定する応急危険度判定士の講習を受けて判定士登録をしている。
地震発生後の震災地に出向いて、残存建物の被害状況を3種類に分けて、建物利用による二次被害を防ぐのが目的だ。だが、ことは個人資産の価値判断を行なうのに他ならないからいろいろな問題が発生する。保険金・見舞金といろいろな金にまつわることに影響してくるからとても厄介な仕事?だ。
今日、その想定連絡訓練が行なわれた。阪神大震災の教訓をここにも生かしているわけだ。
連絡員として、地域の判定士10人に連絡を入れ、召集体制が取れているかどうかを確認するわけだ。私が担当している判定士(建築士)はほとんど顔なじみの方々で中にはその家族までよく知っている方もいる。勿論こちらも知られている。ので非常にスムースに連絡が取れた。おかげで短時間の間に行政に最終報告が出来た。
 だが、これが訓練ではなく、本当の地震だったらと思うと・・・だ。

震災時に他人の被害を調べにいくには、まず自分の家が被害の無い状況出なければ判定には出かけられないだろう。幸いに今棲んでいる家は自分で設計した家で耐震診断でも1.5程度の強度は保有しているので、ある程度は安心しているのだが、事務所にしている建物はかなりの年代物で耐震性はほとんど無いに等しいことを思うと、何とかしなければと思うのだが、先立つものが無いのでなんともできないでいる。
息子が建築に興味でも持っていてくれれば、思い切って建て替えも考えないではないのだが・・・・どうやら全くその気はなさそうだ。彼はどうも地球環境分野に興味を持っているのらしい。地球環境なんてかっこいい分野名だが、工学的分野では簡単に言えば土木の事だ。今の大学工学部はほとんどの大学で土木工学科という名前が無くなって、耳障りのいい学科名になっている。土木という響きが若者に敬遠されるからだ。表向きは幅広く環境面まで考える学科だからという事らしいが、講義内容は土木だ。本人が選ぶのだから、親が建築にしろとは強制できない。彼には彼の人生がある。やりたいことをやればいい。個人的には建築の方が個人の裁量で決められる範囲が多くて面白いとおもうのだが、高2の彼は真面目に地球環境改善を考えているようだ。どうも建築はスケールがちとばかりチッコイらしい。
我が事務所も一代で終わりのようだ。現役として建築と向き合えるのも後10年チョイという事だろうか。今の時代工学系に進路を決めたなら、大学院まで覚悟しておく必要があるだろう事を思うと、あと7年か8年は最低でも彼のために金を貢がなければならないだろう。何とか帳尻は合いそうだ。その後10年何とか建築を楽しみながらの人生を送っていけるといいのだが・・・・さてどうなることやら。

    ・・・・・今日は、ここまで。

リラックス? 氷河期突入?

2009年10月17日 | 建築
日付が変ったのでもう今日のことだが、休養日という事にする。
丁度いい具合に共同通信社杯も始まるし、夜はセリーグのCSもある。
退屈せずに済みそうだ。

競輪の方は二人の慎太郎と慎平それと好きな選手である岡部辺りを中心に買ってみるつもりだが、出走表さえ見てない段階なのでさてどうなる事やら。

CSシリーズの方は、どうやら藤井君も復帰してベンチ入りはするということのようなので、彼の出番を期待することにしよう。できればスタメンで出て欲しいとは想っているのだが、へそ曲がり監督のことだからあまり期待しないでおくことにする。

それにしても建築需要の落ち込みは酷い。惨状という言葉がぴったりだ。
昨年度比で30%超の落ち込み。だそうだ。昨年の今頃も同じような数字だったような記憶がある。つまり、一昨年と比べると半分以下ということになる。
そこへ来て、政権交代の影響で公共工事予算の大幅削減。完全に建築業界は冬の時代に突入するだろう。言ってみれば、「平成の氷河期」といえるくらい冷え込むだろう。もともと公共工事予算の中には今までに構築した建造物の維持管理費が30%程度盛り込まれているのが従来の予算のわけだし、それらの予算はあまり削減できない仕組みになっている。一昨年更には今年の予算内にはそれらの予算の占める割合が高いのだ。つまり予算に占める新規公共事業予算は50%程度という事なのだ。
勿論、税金なのだから無駄な公共事業に使う必要はない。必要な部門に使ってもらって一向にかまわないのだが、・・・・それにしてもという想いが無いわけではない。

公共工事を専門に研究する分野が必要ではなかろうかと想っている。大学などの光学系の分野ではなく、経済を大局な見地からみる中で公共工事を考える。社会学として考える。なども必要ではなかろうか?ということだ。

こんなことを言うのもどうかとも想われがちだが、公共工事の現場には大勢の人が作業員として働いている。決して安定的な仕事とはいえない人たちも大勢いる。
もし、その人達が職が無くて、生活に困って・・・・いけないことなんだけど、犯罪などに・・・魔がさしてしまったらと想うだけならいいんですが。
一つの犯罪が起きると、命にかかわるような犯罪が起きると、現行犯でおまわりさんだけで解決したとしても、一億円くらいのお金が事件解決~犯人の更正までにかかるそうです。逃亡があって捜査などと余分な労力が生じた場合はその倍は軽くかかってしまうそうです。日本は狭いようでけっこう広いです。いろんな地域でこんな事が起きたらたいへんです。治安の維持の根幹にも影響を及ぼすでしょう。
 これって市民生活に直結するための予算と多くの人が思うと想います。
これって、公共工事やってれば使わずに済むってこともあるでしょう。その辺のところまで含んで、費用対効果を調べて欲しいなんて想ってます。
少し時間に余裕ができると、つまらないことを考えたりします。

  ・・・・・・今日は、ここまで。

前原大臣に期待

2009年10月13日 | 建築
前原国交省大臣が建基法の改正案を来年一月の国会に提出と会見したようだ。
申請の簡素化、確認業務の迅速化、違反に対する厳罰の三つが柱だそうだが、個人的には、建築士法についても改正をしてもらいたいと想っているのだが・・・・
 まぁ、とりあえず、今よりは良い制度にしてもらいたいと強く期待をするしかあるまい。
意見募集はまだのようだが、多くの建築士の意見を反映してもらいたいものだ。勿論私も意見募集には参加したいと想っている。

・・・・ひょっとすると変るかも、という期待を込めて、
  ・・・・今日は、ここまで。

富士ハウスの破産

2009年02月03日 | 建築
2/2東海地区有数の住宅(在来)会社である富士ハウスが破産した。
発表によれば、原因は昨年の建基法改正による新築の落ち込みと工事停滞、原価高騰、そして新規展開への投資が結果的に過剰投資となってしまった。ということのようだが、原因の発端は国交省による建基法改正にあることは明白だ。

住宅関連では、年末の新東住宅や松本建工(FPの家の元締め)の会社更生法申請に次ぐニュースだ。これらは在来工法住宅を多く手がけているだけに下請けとして働いていた地元職人達への影響が心配される。特に大工職達の活躍の場はまた狭まってしまった。と言えるだろう。

住宅以外の建設工事も低迷している。回復の兆しすらない。我々建築士にとっても昨年は設計の仕事は厳しい状態だったことを思えばここに来て、中堅以上のメーカーが倒れていく事にはなんの不思議は無いのだが、腹立たしいのは国の姿勢だ。建基法の改正の反動として、こんな事態は容易に想像されていたにも関わらず、このブログでも昨年書いたが天下の悪法を実施してしまった事だ。

悪法(改正建基法)の内容を挙げれば限がないが、決定的なのは手続きが煩雑になり迅速な処理が出来なくなってしまったことだ。安全性の確保をお題目に掲げてはいるが、ほとんど効果はないだろう。

一番腹立たしいのは改正の経緯だ。もともと姉歯といいSKGグループといい耐震偽装はほとんど、○○学会に関連した会社の行なったことなのだ。SKGとは○○学会のロゴそのものなのだ。そして改正を行なった国交省の大臣が公明党の冬柴なのだ。事件の本質にある○○学会を世間の目から遠ざけるため、建築士の資質問題と民間審査機関の問題に摩り替えたのだ。審査機関のいいかげんさは、役所であれば役人の責任となってしまうし、民間審査機関であればその組織内にある天下りにまで問題は発展する。

役人を擁護する自民党と○○学会を守りたい公明党の利害と役人の利害が一致して今の悪法である改正建基法が出来た。つぶされた審査機関は唯一の完全民間審査機関だったのだ。たくさんのずさんな審査をしていたERIはほとんどお咎めなしとなった。残った審査機関は民間審査機関とは名ばかりで全て天下り関連なのだ。

耐震偽装の原因追求をゆがんだ方法でおこない、解決方法を間違ったツケが建設業界で働く国民に廻ってしまったということだ。

ホテル経営を建設から指導していたコンサルのSKGは○○学会
姉歯に設計を押し付けて分譲マンションを建設していた会社の社員はほとんど○○学会
アパホテルの社長は時の総理(安倍)後援会の中心人物
偽装を見逃した審査機関はほとんど天下りと行政
時の国交省大臣(冬柴)は公明党。

これが改正建基法の背景なのだ。欺かれたのは国民で、建築士などは鼻にも欠けられなかった改正だったという事だ。10万人を超える会員のいる建築士会のなんと無力な事か。基本的に政治団体を持たない組織や献金をしない団体は犠牲になるということだ。

・・・・・今日は、ここまで。

環境と建築

2008年11月15日 | 建築
 エコとかCO2の排出とか地球環境への関心が高まっている中、現実の脅威となってきた温暖化に対して、我々建築に携わる建築士の無関心が許された時代は終わった。と認識しなければならないだろう。
何も難しいことをしなければならないという事ではない。
建物を設計したり建築したりする時に雨水利用を考えたり、ソーラーシステムの導入を提言したり、積極的に外構計画での植栽(緑化)を取り入れるとか、比較的簡単な事で大きな効果が期待できる。
中でも植栽などは比較的簡単で施主にも受け入れられやすい。更にいいところは、ソーラーや雨水利用には期待できない他の動植物への効果が期待できるところだ。
植物の種類や大きさで地球環境に対する効果が数値化できる時代なのだから、建物の大きさとか利用人員とかで植栽の義務化とか公的補助とか減税措置とか、何か積極的な施策が必要ではないかと想う。
 勿論、我々建築を生業とするものは、地味な努力を個人個人のレベルで心がけることが大事だろう。

・・・・・・今日は、ここまで。

個室ビデオ店放火(雑居ビル内)に想う

2008年10月03日 | 建築
 個室ビデオ店放火で15人死亡

 おそらくこのビデオ店を改装オープンさせた関係者の中にには建築士も介在していただろう。報道では建築基準法や消防法には触れていないとの事だった。が、個室ビデオ店の利用の仕方は百も承知の上で、計画しているのだ。担当してしまった建築士は今どんな思いでいるだろうか。
 世間を騒がせた耐震偽装の姉歯さんは一人も殺してはいなかったのにあんなに断罪された。もっとも事件が明るみになってから自殺者が二人、変死者が一人出たが何れも偽装関係者側の話だ。
 15人もの犠牲者からは裁判を要求されるだろう。おそらくその過程ではその建築士も証人席へ立たされるだろう。ひょっとすると被告人の中の一人になってしまう事もあるかも知れない。十分に考えられることだ。
 ビデオ店が用途変更で改装したのなら、おそらくその届出は消防法書類も含めて建築士が提出しているはずだ。建築基準法は最低限の指針を示しているに過ぎない。少なくとも人命が失われた要因がその建物の利用にそぐわない設備や基準で設計しているのを、知った上で携わってしまっているのだから、結果的な災難はある程度予想できたはずだ。建築士が世間から認められある程度尊重されるには、このような建物がなくならなくてはならないだろう。
 被害者の方は大いに怒り、これに関与し報酬を得た建築士の職責に関する考えを追求して欲しいものだ。

建基法の条文を守ればコンプライアンスを果たしたなどという考えは大きな間違いなのだ。建基法の目的は財産そして生命を守ることなのだ。担当した建築士にほんの少し配慮があれば自体は変わった筈だ。それが許されないというのならそんな仕事は断れ。・・・・同業の者としては少し悲しい事件だった。

 ・・・・・・今日は、ここまで。

中国地震のすごさ

2008年05月15日 | 建築
 四川での地震はどうやら死者が5万人を上回るのではないか、と新華社が発表した。想像できない数字が現実のものとなってしまうのだろうか。
一刻も早い被災者の救出を願うばかりだが、改めて地震対策の重要性を思わなくてはならない。
特に建築に従事する我々建築士の責務は重大だ。いくら予算の都合とか言われても毅然とした態度で建物の耐震性を説明していくことが特に大切となっていくだろう。
監理を受託できない建物については業務受託を遠慮させてもらった方がよさそうだ。特に耐震に関してあまり関心のない大工や工務店からの仕事はその関わりを遠慮させてもらうほかあるまい。考え方によっては犯罪に加担するようなものだ。
工程完了時の検査などいくら詳しく現場検査を行なってもなんの確証も得られない。やはり工事中の現場状況を自分の目で確認できないものは、施主の引き渡すことは出来ない。
 全国の建築主予定者の方は、安全に暮らしたいのなら設計管理を設計者に直接依頼していただきたい。くれぐれも業者任せにして、後で泣きを見るようなことはしないでください。
 いくら「良心的な業者だから」と言ってもミスはつきものです。ましてや建築は良心的な作業者一人では完成しません。様々な業者が分業で建物を造ります。一番良心的でなければならないのは様々な建築基準を熟知している建築士であることは言うまでもありません。その建築士が殆んど現場に目を光らせていない現場なんて信用できるはずがありません。勿論、建築主は現場監理者である設計者に報酬を払わなければなりません。
 このブログを読んでいるあなたは家を建てるときに直接設計者に依頼しましたか?そしてその設計者に監理を委託しましたか?そして設計者に直接お金を払いましたか?・・・・・「いいえよく知っている工務店(大工)がめんどくさい事は全部やってくれたので、そんな事は気にもならなかったし、第一どんな建物でも設計者と監理者を選任しなければならないなんてしらなかったよ。」なんて言うんじゃないでしょうね。
もしそうだとしたら・・・・・おそらくあなたの建物は震度6クラスの地震で倒壊するでしょう。今すぐ耐震診断したほうがいいでしょう。
 中国四川省の地震は決して他人ごとではありません。

          今日は、ここまで。

生コン出荷量8.2%減

2008年05月04日 | 建築
 生コンの2007年度出荷量が前年比で8.2%の減少であったとの報告が業界発表された。官公儒、民需ともに揃って減少であった。官公儒は時代の流れで回復の望みなど持たないほうがいいのだが、民需の落ち込みはやや深刻に受け止めなければならない。原因は改正基準法にあることは明らかだが、残念ながら失った時間は取り戻す事は出来ず、予定された消費は時間を越えて消費されるとは想うが、果たして予定されていた場所(業者)で消費されるかどうかは全く保証の限りではない。予定どうりの消費がなされないで、消えた業者もあれば消えた人もいる。明らかに多くの被害者が存在したのだ。年金・ガソリン・後期高齢保健・道路特定財源・あきれた無駄使い、許すまじと想うことは山程あるが、オイラたち建築屋は国交省と冬柴はズーット許さんだろうな。おそらく爽快な仇打ちをするまでは、・・・・だ。

     早くあだ討ちの日時を決めろ。   ・・・お終い。

確認申請手数料の値上げ

2008年04月17日 | 建築
 六月一日から確認手数料が値上げされる。詳しくはそれぞれの自治体や民間審査機関のホームページに掲載されているが、値上げの幅が尋常ではない。
解りやすい例では、たとえば40坪(130㎡程度)の住宅を新築する場合いままでは、申請時14000円・中間検査時:15000・完了検査時15000の計44000だったものが今回の改正では申請時:41000円・中間検査時:33000円・完了検査時:35000円となってしまうのだ。合計なんと10万9000円なのだ。
 これらは全て確認するだけの作業なのだ。我々建築士はその書類を作成する側なのだから確認するだけの作業量の数十倍は時間を費やす。いったいいくら建築主から請求しろというつもりなのか。

 物事の根本に沿って言わせてもらえば、確認申請というのはあくまでも確認なのだ。法遵守の確認作業なのだ。許容の幅は広いものなのだ。その確認作業にこんなにも法外な金額を要求するとはあきれるばかりだ。
言い訳としては建築基準法の改正によって審査項目が飛躍的に増えたからだそうだ。
冗談ではない。審査項目が増えて作成書類が飛躍的に増えたのは我々のほう
だ。しかも審査するまでも無いことをとにかく図面や書類に記入させられているのだ。当然審査側は見るまでも無い書類なのだ。それなのにつまらんこじつけをして審査料の大幅な値上げをしてきたのだ。

 いったい行政の本質とは何なのだろう。以前から私は時々「この国はどこかおかしい。」といっているが改めてそう思う。
行政とは究極の住民サービスであるはずなのに、建築確認は受益者負担が原則などと訳のわからん事を言って手数料を取っているのだ。何処が受益者なのかよく考えてほしいい。
建築物の新築は多くの雇用を生み出し、その所得から税金が生まれ建築後には不動産取得税や固定資産税、さらには所有不動産による住民税までも発生してくるのだ。誰が受益者かは一目瞭然ではないか。
本来なら建築の確認申請など行政が無料で行なうべきもので、場合によっては補助金対象にしてもいいくらい地方財政を支えているのだ。
やはりこの国はどこかおかしいと言わざるをえない。

 これも自民党と公明党が行なった悪政部分の一つだが、ほとほともういいかげんに終わりにして欲しい。
テレビではガソリンや年金、後期高齢者医療保険の事などがニュース番組を賑わしているが、建築の世界ではテレビでは取り上げてもらえないがこんな事が起きているのだ。そのほかの業界でも同様のことが行政がらみで起きているはずである。これらは公共料金の値上げと同列上のものなのだ。

 現状では恨みは選挙で晴らすしかない。一刻も早く国会は解散しろ!

           今回は、ここまで。