さっき、おひるごはんの後東京新聞を買いに行って、コーラ飲んでから帰ってきて一面見ていたら、右傘の下のほうに小さく、上田利治さんの死亡記事があった。80歳だという。
あたしが中学生の頃、近鉄バファローズの中継はごくたまにあるNHK総合テレビのデイゲイム中継、あるいは火曜、木曜、土曜日のNHK第一放送
ナイター中継に限られていた。ラジオ大阪の存在は、知られていなかった。
午後六時十五分 開始
西宮球場の阪急対近鉄戦は、彼我の戦力差が顕著に出る試合であった。
1回の表、近鉄の攻撃、一番平野 三振。二番 小川 ファーストゴロ。三番佐々木、ライトフライ。
最下位らしい、あっけない攻撃で終了する。
1回の裏、阪急の攻撃
パリーグの王者、阪急ブレーブスである。
近鉄のような生易しい攻撃では終わらない。中学生のこっちは
もう、聞きながら怖いのである。
一番福本 ライト前ヒット。
二番大熊
二球目、一塁走者の福本、盗塁。
ビビる近鉄の某投手。
盗塁世界記録保持者の福本である。知ってんだろきみ?
結局大熊は四球
三番 加藤秀司
二球目をライト前ヒット、阪急一点先制
四番 マルカーノ
センター前ヒット 阪急二点目
五番 島谷
センターバックスクリーンへの二点本塁打
阪急ノーアウトでもう四得点
~ってなイメージの
強打、巧妙野球の阪急ブレーブス。彼らを率いていたのは
最初が西本幸雄、昭和49年から上田利治監督であった。
あたしは、強豪の阪急ブレーブス、そして、上田利治が大嫌いで高校三年まで通した。
だから、昭和53年の日本選手権シリーズ。上田がヤクルト 大杉の本塁打をファールだといい続けたときも、早くやれ上田、負けたくないんだろうと、ずっとヤクルトを応援し、上田を毒づいた。
翌年、上田のいない阪急ブレーブスをようやく倒して、近鉄はリーグ優勝。
日本選手権シリーズは昼間、浪人生なのに、家でNHK総合テレビの中継を見続けた。
解説者は上田である
試合中、近鉄の先発投手鈴木が、ゴロ処理を誤って、ちょっと足をひねり気味であった。痛がっていたが、なにしろ精神力の強い(草魂)鈴木だから、いまのへなちょこと違って、すぐにマウンドの上で仁王立ち、つぎのカープのバッターを待っている。
二球目の投球に入る前に、解説者の上田利治さんが、ぼそっと言った。
(鈴木の)怪我の具合を見るために、ドラッグバントしてみるのもおもしろいですね。
19歳の俺は、感心したね。
攻撃の一環ではないんですね。
けがの具合を知りたいだけのために、バントしてみるのいい、
こういう発想をするモンなのか。大人の世界はこういうものなのか。
伊達に、長嶋巨人を倒して3連覇?だったかな?してはいないのである。
偉大な阪急ブレーブスには、こういう智将がいたから強かったのである。
それ以来、上田さんへは、憎しみゼロ、尊敬しかなかった。
やめていく、自由契約になる選手の話。
今井雄太郎さんに麦酒を飲ませて先発させた話。
みんな、大好きだった。
正直言えば、阪急の監督のまま、終わってほしかったと思った。
80歳。ご冥福をお祈りいたします。
あなたが作り上げた阪急ブレーブスは本当に素晴らしいチームだった。
思春期に、あのブレーブスを見ることができて、もりしたアキは本当に幸せ者です。
あたしが中学生の頃、近鉄バファローズの中継はごくたまにあるNHK総合テレビのデイゲイム中継、あるいは火曜、木曜、土曜日のNHK第一放送
ナイター中継に限られていた。ラジオ大阪の存在は、知られていなかった。
午後六時十五分 開始
西宮球場の阪急対近鉄戦は、彼我の戦力差が顕著に出る試合であった。
1回の表、近鉄の攻撃、一番平野 三振。二番 小川 ファーストゴロ。三番佐々木、ライトフライ。
最下位らしい、あっけない攻撃で終了する。
1回の裏、阪急の攻撃
パリーグの王者、阪急ブレーブスである。
近鉄のような生易しい攻撃では終わらない。中学生のこっちは
もう、聞きながら怖いのである。
一番福本 ライト前ヒット。
二番大熊
二球目、一塁走者の福本、盗塁。
ビビる近鉄の某投手。
盗塁世界記録保持者の福本である。知ってんだろきみ?
結局大熊は四球
三番 加藤秀司
二球目をライト前ヒット、阪急一点先制
四番 マルカーノ
センター前ヒット 阪急二点目
五番 島谷
センターバックスクリーンへの二点本塁打
阪急ノーアウトでもう四得点
~ってなイメージの
強打、巧妙野球の阪急ブレーブス。彼らを率いていたのは
最初が西本幸雄、昭和49年から上田利治監督であった。
あたしは、強豪の阪急ブレーブス、そして、上田利治が大嫌いで高校三年まで通した。
だから、昭和53年の日本選手権シリーズ。上田がヤクルト 大杉の本塁打をファールだといい続けたときも、早くやれ上田、負けたくないんだろうと、ずっとヤクルトを応援し、上田を毒づいた。
翌年、上田のいない阪急ブレーブスをようやく倒して、近鉄はリーグ優勝。
日本選手権シリーズは昼間、浪人生なのに、家でNHK総合テレビの中継を見続けた。
解説者は上田である
試合中、近鉄の先発投手鈴木が、ゴロ処理を誤って、ちょっと足をひねり気味であった。痛がっていたが、なにしろ精神力の強い(草魂)鈴木だから、いまのへなちょこと違って、すぐにマウンドの上で仁王立ち、つぎのカープのバッターを待っている。
二球目の投球に入る前に、解説者の上田利治さんが、ぼそっと言った。
(鈴木の)怪我の具合を見るために、ドラッグバントしてみるのもおもしろいですね。
19歳の俺は、感心したね。
攻撃の一環ではないんですね。
けがの具合を知りたいだけのために、バントしてみるのいい、
こういう発想をするモンなのか。大人の世界はこういうものなのか。
伊達に、長嶋巨人を倒して3連覇?だったかな?してはいないのである。
偉大な阪急ブレーブスには、こういう智将がいたから強かったのである。
それ以来、上田さんへは、憎しみゼロ、尊敬しかなかった。
やめていく、自由契約になる選手の話。
今井雄太郎さんに麦酒を飲ませて先発させた話。
みんな、大好きだった。
正直言えば、阪急の監督のまま、終わってほしかったと思った。
80歳。ご冥福をお祈りいたします。
あなたが作り上げた阪急ブレーブスは本当に素晴らしいチームだった。
思春期に、あのブレーブスを見ることができて、もりしたアキは本当に幸せ者です。