2009年2月のある日。お客さんへの説明を頼まれました。
ふつう、あたしたち、正職員が行う入会説明。
でも、鬱明けで30日目、
人と話すのがしんどい。まったく自信がない。戸惑いがありました。
頼んできたのは、派遣社員のS子さん。
口ごもる私に、彼女が助け船を出してくれました、
資料があれば、私が、説明しましょうか?
文章にすると、なんてことないでしよ。
でも、あたし、嬉しかったんですよ。
何でも自分でやろうとしなくていいんだって。
しんどい時は、助けてもらって、いいんだ。
その時は、勇気を出して、説明しました。
彼女のカウンターの前でお客さんに。
何とか大丈夫だったんです。
彼女に、教えてもらったのね。それから背中を押してもらったのね。
S子さんは、お客さんへの人当たりのうまさと、素直な人柄で
上司や役員にも評判の良い派遣社員さんでした。
そのあと、あたしと同じ町に住んでいることもわかって。
単純なわたしは、簡単に彼女を好きになりました。
うつの原因になった、イベントはその年の秋にやってきて、
なんとかやりとげたあとは、楽しい半年を過ごしました。
今と、やっていること、あんまりかわらないなあ。
でも、お客さんとの接し方、積極的に前に出ること。
病気がよくなってきてから、
彼女を通して教わったこと、覚えたことは、今の自分に生きています。
S子さんが居なかったら、社会人としての、いまのアキはありません。
彼女は、あたしの恩人なんです。
今日は彼女の誕生日。84年4月11日生まれのS子さん。
お元気ですか?
もう結婚されましたか?
今でも、貴女の恩は、忘れません。