自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『とんび』重松清とNHK

2012-01-21 12:01:01 | 児童文学
父親と息子の話は、それがどんな形であれボクには気になる話。


ボクには父親はいたけれども、父親を味わったことはほとんどない。


だから、自分が父親になったことで何をどうしてあげたらいいのか、かなり戸惑った記憶がある。


もっと言えば、自分が受け取れなかった愛情を、たっぷりと注いでやろうと気概だけはあったように思う。



父と息子。


なんだか不器用な父親像が浮かぶ。


まさに、その通りのストーリーがこの『とんび』



小説で読むつもりが、NHKのドラマになっていたので、例によって録画で見た。



事前に千桂子先生から、「涙なしでは観られない」と言われていたので覚悟はしていたけれども、涙腺がますます弱くなったことを痛いほどに自覚した。



重松清は瀬戸内をよく描く。



出身がそうなんだろうが、言葉や風景によってストーリー味わいが増す様な気がする。


港湾の積荷作業をする父親と、その息子の話。


母親は、息子が幼いころに事故で亡くなる。


その息子が、父親の絶対的な愛情と、その周辺の人間にたっぷりと愛されて育っていく。


その父親の不器用が故の葛藤が胸を締め付ける。


ボクのオヤジは、無口だった。


手先は器用だったけれども、愛し方は不器用だった。


いや、愛されたという記憶はないけれども、きっとあれが愛情だったのだろうという推測はできる。



もしかすると、父親の愛情は、そんな不器用なほうがいいのかもしれない。


まっすぐに生き、まっすぐな愛情を傾け、我が息子を誇らしげに語る。



あいにく我が家には息子はいないけれども、そんな父親像に憧れる。


本を読んでみよう!

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