自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

こだわりを手放す~禅の思想とトラウマ治療

2015-07-03 08:05:49 | ワークショップ
ときどき、それも突然、過去の忌まわしい自分を思い出すことがある。


そういうことってありませんか?


その瞬間は、そのときの罪悪感や、怒り、時には悲しみや孤独感がよみがえってくる。


胸が締め付けられるようなこともある。


年月も経過したことで、そういった突然の記憶の回帰にも、あまり動揺しなくはなったのだけれど、やはりあまり気持ちの良いものではない。


そういった心の構造を理解したり、あるいはその時の自分を許したり、丸ごと認めたり、と、いろいろやってきた。


それでも、心の中のその出来事は忘れ去ることは出来ないみたい。


白雲自在、と言う禅の言葉があります。


空に浮かぶ白い雲、何のこだわりもなく、自由自在に風と共に流れていく、


風によってカタチも変わるのだけれど、だからと言って雲自体の実在は失われない。


人間の心も周囲にとらわれることなく自由無碍にしておきたいものだ、と言った意味。


これをボクたちの心に当てはめてみると、なかなかそうはうまくいかない。


”あのとき” のことを思い出すと、苦しくてつらくて、そのことが頭から離れなくなってしまう、なんていう人は多いんじゃないだろうか。


すぐ忘れるから大丈夫、なんていう人もいるけれど、記憶の中から完全に追い払うことは決して簡単なことではない。


じゃぁ、こういう話は信じられるだろうか。


「 嫌なことを思い出したら、眼球を左右に素早く動かすと、気分がよくなる。 」


にわかには信じがたい話だけれど、これが、トラウマ最新治療法と言われているEMDR。


アメリカの臨床心理士フランシーン・シャピロ氏が発表した、かなりの成功例を持つ注目の心理療法。


眼球運動だけで?と疑いたくもなるけれど、日本EMDR学会理事長の市井雅哉先生のインタビュー記事を読むと、その成功例に驚いてしまう。


過去の記憶を消すわけではないのだけれど、ふと思い出してしまったとしても、そのことに伴う忌まわしい感情に影響されずに済む、ということらしい。


阪神淡路大震災後の被災者の治療にも、効果が大きかったようだ。


単純に考えてしまえば、こだわりというものは、「 視野が狭くなって、その出来事に執着してしまっている 」 状態のことなのだから、眼球を動かすことによって、「 視野が広が 」 っていく、のかもしれない。


さらにこのEMDRの素晴らしいところは、「ほかのさまざまな治療と組み合わせて使われることも多い」ということ。


EMDRじゃなきゃダメ、なんていう執着がないこともいい。


実は、ボクたちがやっているアートセラピーも、 「 ほかのさまざまな治療と組み合わせて 」 使われる。


アートセラピーは、「 クライアントが自由に表現するアート 」 と言う手段で、クライアントのトラウマの形成にアプローチし、その治療に効果を上げてきている。


EMDRも、アートセラピーも 「 白雲自在 」 の心境に至る、画期的な治療法なのかもしれない。


8月1日2日の両日で、その 「 アートセラピーとEMDRが出会う 」 ワークショップが行われる。


カナダの公認アートセラピストである、ブルース・トービン博士が来日する。


もうすでに席は半分ほど埋まっています。


申し込みはお早めに!















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