こんにちは
相変わらず暑い日が続いていますが、体調など崩されていませんか?
今の時期は、熱中症を特に気をつけないといけないようです。
水分はこまめに、暑い時の外出は特に注意してください。
今回は、ある施設の介護用の大型浴槽の改修の相談が施設長からあり、浴槽の縁をカッして階段手すりを設置し、容易に浴槽に入れるようにして欲しいとのことでした。
その後、細部の打合せをしに介護ケアの方たちと浴室で打ち合わせをすることになりました。
現場は大型浴槽が三つあり、向かって左側の浴槽には、出入りのため、あらかじめ手すりと階段がついていました。残り二つの浴槽には出入りの階段等はありませんでした。
介護ケアの方いわく、「左側の浴槽は比較的軽度な介護の方用にケアスタッフが介助しながらご自分で浴槽内に出入りしてもらうようで、残り二つはわれわれが抱えたりしながら、浴槽に浸かってもらう用なんです」と、説明を受けました。「このままだと軽度のご入居者の方も、ご自分で入ることも出来ないし、ごらんのとおり浴槽の縁も大きく滑りやすいのでわれわれが抱えて入れるのも危険と重労働なんです。」と悲痛とも思えるお話でした。
アップで近くを見てみると、石材を貼った浴槽の縁は、高さと奥行きがかなりあることがわかりました。浴槽内にはモザイクタイルが貼られており、腰掛けられるようなのか、段差がありました。
石材をカットして、階段を作り、浴槽内は既設の段を利用することで出来ないかとのことでした。
言うのと実際にやるとでは、大違いで、浴槽外と浴槽内の高さが違う関係で、段の高さと奥行きをバランスをとるためにサイズをどれくらいにするか。
また、洗い場と干渉しないようになおかつ昇降がスムーズに行える踏み込みとけこみのサイズが必要で、洗い場側が良くても、浴槽側の段の高さとかなり差があると昇降の際に、足を踏み外したり、足先をぶつけてしまうこともあるので、削るサイズも含めて、段ボールの模型を作って実際にケアさん数人に試してもらったりして、ようやくサイズが決まりました。
しかしこれで終わったわけではありません。いよいよ困難な施工にかからなくてはなりません。
既設の浴槽の表面に貼ってある石材にカッターを入れてゆっくりと水を加えながら切っていきます。
その後、床面タイルの表面もカットし剥し、型枠材にモルタルを詰めて段を作り、モルタルが乾くのを待ちます。次に表面に同様のタイルを貼りこみまた乾くのを待ちます。
最後に両側に手すりを取り付けますが、支柱が極力足に当たらないように段の角ぎりぎりの位置に取付したのですが、特殊形状のため、あらかじめ製作してこなくてはならず、現場合わせのカットや接続が出来ず何度もスケッチして角度も含めて計算して、また現場でもメジャー等で確認で測りました。
そのおかげか、きちんと納まりました。
以下が完成後の写真です。
既設の設備に対して後からのこのような工事は難しく、またリスクもあるため、業者によっては、断るなんてこともあろうかと思います。
労力と時間と困難さを加味したら、とても合わない金額での施工でしょうが、ケアスタッフさんたちから感謝のお言葉を多数いただきました。
それがなにより明日の原動力になります。
千広(せんひろ)デザインサービスでは、インテリア・リフォームを手がけて26年、介護施設の改修やメンテをまかしていただいて18年の経験を生かして毎日頑張っています。小回りのきく良きパートナーを目指しておりますので、どんなことでもお気軽にお問い合わせください。
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