【コピアポ(チリ北部)=平山亜理】チリ北部・サンホセ鉱山の落盤事故で、閉じこめられている33人の生活が大幅に改善している。1日からは温かい食事を取れるようになり、サッカーW杯を録画したDVDを見たり、ゲームをしたりしている。2日にはローマ法王からロザリオが一人ひとりに贈られた。
作業員には現在、直径15センチの穴に「パロマ(ハト)」と呼ばれるカプセルを通し、1日に70回以上、食料や洋服、薬、手紙などが届けられている。2日のメニューはストロガノフに桃の缶詰のデザートで、1日に2600キロカロリーを取っている。建国200年に当たる18日は、エンパナーダと呼ばれる肉入りパンとチリ産赤ワインで祝うという。
数日前に地下から送られてきた新しい映像では、作業員たちが赤いシャツを着てひげをそり、顔や体もきれいになりさっぱりした様子で現れた。初めての映像の時とは見違えるように顔色も良く、「みんな、救助してくれてありがとう!」「チリ万歳」と口々に叫び、チリの国旗を振り歌を歌っている。
せっけんやシャンプー、歯磨きなども送られており、清潔に保つことが出来るという。簡易ベッドも届けられた。落盤事故の前から、地下には化学処理も出来る簡易トイレがあり、用はそこで足している。マニャリク保健相は「作業員たちはかなり清潔な生活を送っている」と話している。
同保健相によると、当初、5人にうつの症状が見られたが、カウンセリングの効果で抗うつ剤などの薬物を使わず快復しているという。
また、作業員たちは坑内で、11人ずつ、当直、休養、睡眠の三つのシフトに分かれている。掘削が進むに連れて、地下に落ちる4千トン近い岩石の破片を作業員たち自らが除去しなければならず、シフト制をとることで体調を整えている。
30日から始まった救出口の掘削作業では、2日正午までに41メートルまでが掘られた。既存の通気口の内壁を削って広げる「プランB」と呼ばれる別の掘削も近く始まり、石油掘削の技術を応用した「プランC」も試みられる。
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