欧州の債務(借金)危機が深まる一方で、中国など新興国の存在感が増している。メキシコ、ブラジルで開かれた二つの国際会議でも、お金を出す側として期待が集まった。米国発のリーマン・ショックから続く先進国の経済危機は、国際社会の秩序をじわじわと変えつつある。
「中国はほかの途上国に600万ドル(約4億7千万円)を支援し、砂漠化防止の技術や人材、森林保護の設備を提供します」――。 ブラジル・リオデジャネイロで開かれている「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」の会場で20日、中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相が演説すると、会場から拍手がわいた。温氏はさらにアフリカや後発開発途上国の気候変動対策として、2億元(約25億円)の支援も約束した。額は多いとは言えないが、中国は途上国どうしの「南南協力」と胸を張る。
温氏は21日には欧州の環境大臣らを集め非公開会合を主催。「13億人の就職と生活水準の向上なくしては何もできない」と途上国の立場を強調した。「世界最大の途上国」と自称する中国は先進国に環境保護と成長を両立させるための技術やお金を求めている。だが逆に、経済危機で支援を増やせない先進国に代わって援助する場面も増えている。
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