椿山荘の枝垂れ桜。

桜の開花から一気に暖かくなり、東京の桜も終わりに。
花見を椿山荘で、と予約を入れていたフレンチ。
今回は一休のタイムセールで飲み物も含んでのお得なコース。
４０年前にホタルの時期に初めて来て以来、たまさか
来ることはあるが、桜の時期は初めて。
都心のホテルでは信じられないほどの自然が残る
別世界。すっかり暮れなずんだ夜の帳の中で
いただく春のフレンチ。前菜からデザートまで
桜をあしらった春の遊び心満載の味に加えて
思いの外にパンが美味しい。お代わりをして
しまったほど。レストランは外人さんが多い。
コースのこじんまりとした量では足りず、外人さん
達はボリュームいっぱいのお料理。フルコースで
目に春を楽しみお腹も満腹になり、さて桜をと
思ったけれど椿山荘の桜はもう終わっているという。ただ
由緒ある三重塔の下にある枝垂桜は今が満開、と聞いて
夜の庭を桜を求めて散策することに。暗い夜道をところどころ
照らす灯りにお地蔵様がぽっかり浮かんでいる。
道は整備されていて、暗闇の中の池からカエルの声も。
高く聳える塔のたもとにライトアップされ、枝垂れ桜が
佇む。暗闇に浮かぶ美人の風情。見事な桜にしばし憩う。
くるりと見回すと高いホテルの建物が闇に浮かんで大きく見える。
それでも見渡す限りは緑に溢れた空間。
椿山荘の歴史は長く、椿山の昔から人は花を楽しんだ
に違いない。闇に浮かぶ枝垂れ桜を堪能して夜桜
づくしの春は過ぎていく。