お気楽おばさんの徒然日記

お気楽に生きているおばさんの毎日を徒然なるままに。。。。

ヒストリカルロマンス。

2015-10-19 19:54:01 | 日記
このところヒストリカルロマンスを読んでいる。
きっかけは世界中で爆発的に売れ、映画化にもなった
アメリカ人女性が書いた倒錯的なロマンス?小説と、
ふと手にした英語のロマンスブックとその翻訳本だった。
なんでSMまがいの小説が世界中で読まれているのだろう?
今売れている、または特殊な分野の本とは?ということに
興味があった。
読んでみての感想は、今の世の中、政治や経済や宗教に
触れずに、心の癒しをあり得ないくらいの設定で、
根源的な男女の魂の結びつきを描くという世界に癒しを求める、
いわばまったき他者との融合の夢のお話ということ。
ロマンスだから当然男と女の話。
描かれるのは14世紀から19世紀にわたるイギリス社会。
特にイギリス社会の爛熟期に当たるリージェンシーの時代。
それにしても熱愛状況がそのへんのポルノ小説より迫力があるのには吃驚。
性愛の描写が外国人と日本人のメンタリテイと大いに異なる。
とまれ、すべて女性作家なのにすごい迫力。うまい。
毎回当然同じ事をする訳だけれど、それにしても描き方が個性があって
行為にいたるまでの紆余曲折がなかなか巧み。
この分野にはこの種の翻訳家の学校もあるようだ。
話の運びが定番ということが多いが、翻訳家によっても作品がかなり違う。
描かれる男女のパターンはあるがそれぞれ工夫をこらしている。
それにしてもヒーローのタフなこと。
ヒロインの気の強いこと。
男と女のあくなき戦いが興味深い。
色々読むにつれて当時のイギリスの女性の扱いが馬並みなのも
面白い。舞踏会は牝馬の品評会、男の持ち物だと良くわかる。
今は良い時代なんだろうが、それでもインドの現状などを見ると
あまり変わっていないのかもしれない。
純粋なロマンスは小説の中だけなのかもしれないと
今も昔も人間は変わっていないと、読むたびに思わせられる。
それ故に叶わぬ夢をロマンス作家は紡ぎ続けるのかもしれない。

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