散歩がてら近所のコメダ珈琲店でブランチ。サラダバゲットとアメリカンコーヒー。11時までなら無料のモーニングがいただけたのだけれど、すでに11時過ぎで残念至極。
ところでアメリカンコーヒーって、最近あまり聞かないですよね。そもそもアメリカにはアメリカンコーヒーなんてないんですから。
では、なぜアメリカンコーヒーと言うのか?昔、NHK英会話で以下のようなフレーズを勉強しました。
American coffee is weaker than the regular one.
アメリカンコーヒーは普通のコーヒーより薄いんです。って、そのまんまの説明ですが、これを覚えてアメリカに行っても、使いようがない。アメリカンコーヒーというものがないし、そもそもアメリカのコーヒーは薄い。
アメリカのコーヒーは薄いから、日本では薄いコーヒーをアメリカンと称するようになったのでしょうが、アメリカ人にとっては、それがレギュラーだから、アメリカでアメリカンコーヒーと言うと、さらに極薄なコーヒーということになる。
というわけで、上記のフレーズは日本以外では使えません。できれば、in Japan または、Japan only などの単語を付け足した方がいいかも。
ちなみに、アメリカのコーヒーが薄いのには歴史的な理由があります。皆さんも世界史の教科書で習った「ボストン茶会事件」に大きな関係があります。
《ボストン茶会事件》
1773年、イギリスの制定した茶会条例に反対して、ボストンの急進分子が東インド会社の茶船を急襲した事件。
当時イギリスから移住した人々は、そもそもイギリス人ですから、本国同様に紅茶を飲んでいました。それがボストン茶会事件で、船に積んで運んで来た大量の紅茶を燃やされてしまい、紅茶が飲めなくなってしまったのです。
さて、何はなくともまずは紅茶を一杯というイギリス人達は、困り果てた挙句にどうしたか?
すでにアメリカにあったコーヒーを、紅茶の色になるくらいに薄め、紅茶のつもりで飲んだのです。その後もそうしてコーヒーを飲んでいた為、それがアメリカではレギュラー化し、今も薄いのです。
そういった歴史を考えれば、アメリカンコーヒーという言葉は言い得て妙ではないかという気もしないではないような。
私はどちらかといえば紅茶派で、苦いコーヒーは飲めません。日本でコーヒーが美味しいと思ったことはありません。でもアメリカのコーヒーは好き。言うまでもなく薄いから。家でインスタントコーヒーを飲む時は、粉をティースプーンに軽く一杯程度が適量。まさに紅茶の色。
今日飲んだアメリカンコーヒーは、全然薄くなかったので、私的にはアメリカンには思えませんでした。日本の極薄アメリカンが、アメリカでのレギュラーではないかと。
ところで「ボストン茶会事件」が教科書に載っているのは、もちろんアメリカのコーヒーが薄い理由としてではありません。アメリカ独立運動の契機の一つとして重要だからです。蛇足とは思いますが、念のため記しておきます。