先日、読書中と書いた『The Spook's Apprentice』(邦題 : 魔使いの弟子)は、2014年に映画化されていたんですね。タイトルは『セブンス・サンー魔使いの弟子』。
そうとは知らずに偶然録画しており、サブタイトルを見て初めて知った次第。魔使いの師匠にはジェフ・ブリッジス、悪い魔女の役にはジュリアン・ムーアと、有名どころが出演しており、派手なSFXも使っているし、かなりお金のかかった大作のようですが、全く知りませんでした。
というわけで早速観てみたところ、ホラーなのかなと思っていたら、いわゆるダークファンタジーの部類。全然怖くはありません。悪い魔女や魔物達を魔使いがやっつける話で、魔女達は魔法を使いますが、魔使いは人間で魔法は使いません。ゆえに「魔法使い」ではない。いわば、吸血鬼を退治するヴァン・ヘルシングのようなものでしょうか。
映画のタイトルの『セブンス・サン』とは、seventh son of seventh son、つまり7番目の息子のさらに7番目の息子という意味で、魔使いには7番目の息子の7番目の息子しかなれないのです。
この7番目の息子の7番目の息子というのは、他の本でも読んだ事があり、ヨーロッパあたりの国や地域の言い伝えかどうか分かりませんが、何か特別な存在のようです。
原作の方はまだ少ししか進んでいないので、全体としては分かりませんが、冒頭はかなり違う感じ。何より、飲んだくれの役なら天下一品のジェフ・ブリッジスが、魔使いというのがどうもピンと来ません。
ジェフ・ブリッジスは、いつも酔っ払ってアンニュイなイメージで、『ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』とか、タイトルは失念しましたが、飲んだくれの落ちぶれたカントリー歌手の役とかは大好き。
なのに今回は、闇の強力な魔物を倒す魔使いのお爺さん役で、ガンダルフやダンブルドアよりもはるかに強いというのにびっくりです。この人こんなに動けたのかしらん?的な。
もっとも、ガンダルフやダンブルドアは「魔法使い」なので、魔法が使えるから腕力は強くなくてもいいわけですが。
とりあえず、かなり脚色はされているだろうけれど、映画を観たおかげで物語の根本的な事が分かり、本が読みやすくなったことは事実で、ずいぶん助かりました。少なくとも「魔法使い」と「魔使い」の違いが分かったのは大きな収穫です。