長野での聖火リレーの様子をテレビ各局で見たが、沿道での五星紅旗ばかりが目立って、一体どこの国の出来事なのか分からなくなった。
自分の国のことを誇りに思うことに対してどうこう言うつもりはないが、他所の国であれだけの行動を起こしたときに、どのような印象を与えるかは全く分からないようだ。少なくとも普通の日本人の感覚ならば、あの様子を見て中国に対して良い印象を持つ人間など居ないだろう。そして、イギリスでも、フランスでも、アメリカでも、タイでも、オーストラリアでも同じような状況だったのではないかと推測する。
職場にも多くの中国人技術者が派遣されてきて、私も職場の仲間としてお付き合いしている。良い奴もいれば、日本人に対して露骨に嫌悪感を示す奴もいる。ただ、共通して言えるのは、彼らにとっては中国の価値観が全てであって、それが例えアメリカに暮らしていても全てに優先するようだと言うこと。海外と接することに慣れていないという点では何十年か前の日本もそうだったのかも知れないが、今の姿勢が変わらないなら、似たような衝突はこれからも繰り返されるのだろう。
国境なき記者団の事務局長が言っていた「中国側も、チベット側も、自由に意見が言えるこの環境こそが民主主義」という言葉は非常に重い。また、第三国の方から、日本のことをそのように評価していただけたことは素直に喜びたい。その事務局長を「理由はないけど入国拒否」しようとしたこととか、「ジャーナリストの一線を越えている」とか「国境なき活動家じゃないの?」という無礼な質問をしたこと(フランス人らしくエスプリでかわしたらしい)が事実なら、非常に情けなく思う。
中国の人達が、真の民主主義を知る日は来るのだろうか。
Unfortunately, it will never happen in the near future.