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終りに見た街

2006年02月16日 14時11分29秒 | ドラマ・映画 全般の話

終戦60年特別企画・山田太一作「終りに見た街」を見ました。
山田太一氏といえば私にとって“てっぱん”。脚本家について、私はそんなに多くの知識を持ち合わせていませんが、知っている限りの方々の中で倉本聰氏と山田太一氏は“99%信頼出来る”作家なのです。他に才能がある方、鬼才と呼ばれる方が多数いらっしゃるでしょうが、完全に、ドラマを味わうことだけを目的に、アラ探しせずに見ることが出来ます。

そんな山田氏のドラマなので、韓国ドラマ漬けの私も今回はやや改まって見ました。題材が戦争であることも大きな要因ではありますが・・・。

内容は、現在の東京郊外に住む平凡な一家が全員、突如昭和19年(第二次世界大戦真っ只中)にタイムスリップしてしまうという話。同時に主人公(中井貴一)の幼なじみ(柳沢慎吾)とその息子も同じ時代へ・・・。
彼らは戸惑いながら知恵を絞り、なんとか終戦までのあと1年を生き抜こうとします。
次第に環境にもなれ、精神的に余裕ができたころ、子供たちの様子が何かおかしいと気づく大人たち・・・。
「無駄な戦争だなんて馬鹿にしているけれどみんなお国のために命がけで生きている。お父さん達は恥ずかしくないんですか?」と言い出します。
空襲警報がなっても「歴史だとこのあたりは大丈夫だから」と緊張感がない大人たちに対し、非難しようと騒ぎ出す子供たち。半ば引きずられるようにとりあえず非難しようとしたその瞬間、爆音と炎が彼らを包みます。

「歴史と違う・・・」つぶやく主人公。気がつくと彼の片腕は吹き飛び、激しい出血。あたりは死体の山です。ふと見上げると、その時代にないはずの新宿副都心の摩天楼の残骸がぼんやりと見える。主人公はかすかに息のある人物に必死になって問いかけます。
「今は何年ですか?今は昭和19年?それとも・・・西暦2・・・」
男は「西暦2千・・・」とだけ言って息絶えます。

戦争は戦争でも、これは未来の戦争。東京に原爆が落とされた──というブラックな結末。

23年前に制作されたドラマのリメイクだそうですが、安直に
「結局現代に戻ってめでたし、めでたし・・・かな?」などと思っていた私は甘かった!
主演二人のやり取りも、やはりきめ細かくリアリティがありました。(「ふぞろいの林檎たち」を彷彿!)
子供が変化していく様子、知っている未来を教えて、少しでも人々の命が救えたらと尽力する大人たちの姿もうまく描かれていて、特別出演の柳葉敏郎など、はっきり言って怖かった・・・。

久しぶりに見た日本のドラマですが、十分2時間半弱の時間を満喫できました。事前にもっと宣伝してくれたらなぁと、やや惜しい気もしましたが、やっぱり見てよかったですm(__)m。


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