道尾秀介氏「カラスの親指」です。
内容(「BOOK」データベースより)
“詐欺”を生業としている、したたかな中年二人組。
ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。戸惑う二人。
やがて同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。
失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは。
書きかけて飛んだ、地味にきついな;
同僚が作って消えたために代わりに借金を背負った男は負債を整理する代わりに闇金の仕事をし、
一人の負債者を自殺に追い込んだ。 そして娘も火事で失った。
以来社会に背を向けて詐欺を働きながら生きてきた一人の男。
ひょんなことから出会ったもう一人の男と詐欺を働き生きて行くが、
その男は妻を闇金からの執拗な督促による自殺で失っていた。
前半はそんな二人の働きぶり(というのもおかしいが)がコン・ゲームを見ているようで、
またテンポよくもありぐいぐいと読み進められた。
そして自分が死に至らしめた負債者の子も、仲間もおなじ闇金が係っていたと分かり、
一発逆転を狙ったシナリオを描いたのだが…という進み方は素直に面白く引きずり込まれたが、
ラストのどんでん返しの後の結末を知ってしまうとミステリとしての楽しみは薄いかも。
むしろ登場人物の心情も細やかに書かれているのでその機微を味わうところなのかも。
何が罪を償うことで、何が罪を赦すことなのかというのは一概にこれといった基準はない。
お金なのか、心情なのか、はたまたそれ以外の何かか。
登場人物達がそれぞれに抱えた罪、そして償い方は共感できる部分もあるし、
そこまでいってしまうとある意味自己満足か?と捉えられかねない点もあったが、
そういうところに比重を置きながら読むと中々深い一冊ではあると思う。
内容(「BOOK」データベースより)
“詐欺”を生業としている、したたかな中年二人組。
ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。戸惑う二人。
やがて同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。
失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは。
書きかけて飛んだ、地味にきついな;
同僚が作って消えたために代わりに借金を背負った男は負債を整理する代わりに闇金の仕事をし、
一人の負債者を自殺に追い込んだ。 そして娘も火事で失った。
以来社会に背を向けて詐欺を働きながら生きてきた一人の男。
ひょんなことから出会ったもう一人の男と詐欺を働き生きて行くが、
その男は妻を闇金からの執拗な督促による自殺で失っていた。
前半はそんな二人の働きぶり(というのもおかしいが)がコン・ゲームを見ているようで、
またテンポよくもありぐいぐいと読み進められた。
そして自分が死に至らしめた負債者の子も、仲間もおなじ闇金が係っていたと分かり、
一発逆転を狙ったシナリオを描いたのだが…という進み方は素直に面白く引きずり込まれたが、
ラストのどんでん返しの後の結末を知ってしまうとミステリとしての楽しみは薄いかも。
むしろ登場人物の心情も細やかに書かれているのでその機微を味わうところなのかも。
何が罪を償うことで、何が罪を赦すことなのかというのは一概にこれといった基準はない。
お金なのか、心情なのか、はたまたそれ以外の何かか。
登場人物達がそれぞれに抱えた罪、そして償い方は共感できる部分もあるし、
そこまでいってしまうとある意味自己満足か?と捉えられかねない点もあったが、
そういうところに比重を置きながら読むと中々深い一冊ではあると思う。