goo blog サービス終了のお知らせ 

さとくーの取りあえず「ときめきブログ」

日常で感じた楽しいことからトホホなこと、果ては好きなモノまで節操無しに呟いてますv

「最後の証人」他

2010-10-18 23:34:12 | 読み物
「最後の証人」、柚木裕子氏

内容(「BOOK」データベースより)
元検察官の佐方貞人は、刑事事件を専門に扱うやり手弁護士だ。
そんな佐方の許に、かつて在籍した地検の所在地で起きた殺人事件の弁護依頼が舞い込む。
高層ホテルの一室で起きた刺殺事件。物的証拠、状況証拠ともに、依頼人が犯人であることを示していた。
男女間の愛憎のもつれが引き起こした悲劇。世間やマスコミの誰もが、依頼人に勝ち目はないと見ていた。
しかし佐方の、本筋を見抜くプロの勘は、これは単純な事件ではないと告げていた。
敗戦必至の弁護を引き受けた佐方に、果たして勝算はあるのか。
やがて裁判は、誰もが予想しなかった驚くべき展開をみせる…。


他の人のレビューを見ると賛否両論なのですが、自分としては「臨床心理」(第一作)よりよいなぁと思いました。
否定的な方の多くは裁判(裁判員制度も含め)について不勉強だ、実際にこんなことはないと
話のリアリティについて述べており、確かに(入念な)取材は必要なのだろうと思います。
が、自分も詳しくないのでそんなもんかと読んでたので↑のようには思わなかった次第。
それは有能な検事から弁護人に立場を変え、また弁護人としても優秀な佐方という人物が
よく書かれていたからだと思います。
転身した理由、裁判に対する姿勢、信念を曲げない姿等魅力的に映りました。
これまたとあるトリックが最後の方に明かされますが、多分それだけを狙ったわけではない(そこに重きを置いているわけではない)と思われるのですが…またかいと思ったのも事実。


「野良女」、宮木あや子氏

アラサー女子5人の赤裸々な本音をコミカルに描いた一冊。
しっとりとした感じの作品、耽美的な作品と色々な書き方のできる幅の広い作家さんだなぁと。
↑のつもりで読んでいくとあけすけな物言いに引く人も出てくるかも。(笑)
それを共感とまでいかずとも受け入れて読める人なら赤裸々な女性像を痛快に捉えられ
楽しめるのではないかと思いました。
個人的に(色々なダメ!?男が出てくるのですが)、その中でもポエマーな男と
それに対す手の突込みが受けました。

「キング&クイーン」

2010-10-14 22:15:26 | 読み物
「キング&クイーン」柳広司氏です。

内容(「BOOK」データベースより)
ある事件をきっかけに警察官を辞めた元SPの冬木安奈。六本木のバー「ダズン」で働いていた彼女に、
行方をくらましていた元チェス世界王者の“天才”アンディ・ウォーカーの警護依頼が舞い込む。
依頼者の宋蓮花は、「アメリカ合衆国大統領に狙われている」というが…。


期限に追われつつ読むのは読書方法として正しくない気がしますが、予約本ラッシュの
期間は仕方ない。(そしてまた端境期に入る予定)

それはさておき、この本について。
う~ん、作家として一気に読ませる力はあると思うのですが、ジョーカーゲーム等と
比べると幾分と肩透かしを受ける感じが正直しました。
それはチェスというものがこの本でも触れられているように日本で馴染みがあまりないこと、
結果、チェスについて割かれているページ(歴史、手法等)が多くて中だるみを生み出している気が。
あと、元SPのキャラ、いわくありげなバーの店長、元上司等扱いによってはもっと
魅力的になのでは?と思う登場人物がごくごくノーマルな書かれ方をされていて、
活き活きと紙面を動いているという感じがしなかったかも。
トリックについては登場人物に仕掛けられたもの、そして読者に仕掛けられたものが
ありふれていて特にこれという目新しさが無かったのも読後に残らない原因かも。

にしても、単なる偶然か、このところ同じ(読者への)トリックばかり続いて読んでいる気がするなぁ;

「天国旅行」他

2010-10-10 23:56:24 | 読み物
「天国旅行」、三浦しをん氏

内容(「BOOK」データベースより)
そこへ行けば、救われるのか。富士の樹海に現れた男の導き、死んだ彼女と暮らす若者の迷い、
命懸けで結ばれた相手への遺言、前世を信じる女の黒い夢、一家心中で生き残った男の記憶…光と望みを探る七つの傑作短篇。


「心中」をテーマにした短編集(だと手に取って初めて知った)ということで、
暗く重い話が多いかと思いましたが思ったよりは明るい印象を受けました。
男女が色恋のもつれから、家族が抱える問題から逃れるために時を同じく、
一緒に死ぬのことが多いので「心中」という言葉から悲惨な印象を受けますが、
そういった重さを感じさせる話にも救いがあったり、恐怖よりは静謐な雰囲気をより
醸し出していたり、ちょっとユーモアを含んでいたりと同じテーマで色々な雰囲気の話を
繰り出されていて読みごたえのある一冊だと思います。

「警視庁幽霊係の災難」、天野頌子氏

幽霊と話せる刑事、彼の守護神!?成仏できない高校生幽霊の結花シリーズ。
コンビニ強盗に居合わせた柏木刑事はこともあろうに人質となってしまった。
犯人の要求はとある中学の教師だった男を連れて来いという、果たしてその真意は?

シリーズ物なのである意味お約束のメンツと行動に安心して、かつ気軽に読める本。
いやいやここまで胃弱じゃやってられないだろうとか警察にオカルト専門部署なんてあるわけがと
突っ込むよりもそのシチュエーションを楽しみましょうというところか。
謎を一つ残しているところは次作(以降)の伏線なんでしょう。

「紅葉する夏の出来事」

2010-10-06 23:33:09 | 読み物
「紅葉する夏の出来事」、拓未司氏

内容(「BOOK」データベースより)
高校受験の失敗から両親との確執が深まり、不良仲間と付き合いはじめる悠馬。
ラーメン屋の起業を機に、転落の道を歩みはじめた元エリート・サラリーマンの伊東。
そして、全身を真っ赤に染め、ゴミ屋敷に暮らす老婆RB(レッドばあさん)。
ある日、彼らが暮らす街で高校生による両親殺傷事件が起こって…。
どうしようもない現実を生きる3人の運命が交錯し、夏の“紅葉”は激しく乱れ散る。


それぞれがそれぞれなりに追い詰められた立場になっていく様子がキチンと描かれているなと思う。
特にサラリーマンから水道修理の仕事をするようになった伊東はキャラとして
充分に存在感を放っていると思うし、ゴミ屋敷に住むレッドばあさんもまた然り。
その二人に比べれば悠馬の転落ぶりは自らの責任もあるような気がするけれど、
若さからかということなのか。
氏は殺人事件を核に本書をミステリ風に仕上げているけれど、正直最後のどんでん返しは
いらないような気も。
<途中で消えた登場人物なんかがいたのでうっすら見えてしまったし。


以前作ったストラップ(のモチーフ)が取れてしまったので修理を頼まれてました。
思い出して金具(Cカン)を付けて(外れてしまっただけだった)いたんだけど手元がぶれる~。
新しいモノでも作ろうかと久々に思ったのですが、それよりもやらなきゃいけないことが
あるんじゃないかと自重。
<というか、それやったらまた肩と目に優しくないから…orz


「夜行観覧車」

2010-10-04 23:45:46 | 読み物
「夜行観覧車」、湊かなえ氏

内容(「BOOK」データベースより)
父親が被害者で母親が加害者―。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。
遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と、向かいに住む家族の視点から、
事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。


まず、読みやすいというのが作者の前の作品と比べての印象。(そこかい;)
一人称というのも一つの技法であると思いますが、長編になるほど次第にうっとうしく
感じてしまうのは自分だけでしょうか。
そういう点では、この本の中に一つの視点として一人称記述の部分も出てきますが、
文字通り「視点を変えて」という意味で新鮮さをもたらしていると思います。

で、話の中身については、といいますと。
事件そのものについては残念なことに昨今では珍しいと感じなくなるほど多発しているもので
目新しさという点では告白等のように衝撃的なものではないなと。
それでも事件について当事者(の家族)、その家族に劣等感的なものを感じていた向かいの家、
そして事件の中身よりも事件が起こったことで不名誉な名を立ててしまった高級住宅地を
思う昔から住んでいる者から見た事件の側面。
それぞれの面からの心情(そこに共感できるかどうかは別として)を、特に女性心理は
うまく描かれているなぁと思いました。


「御不浄バトル」、羽田圭介氏

内容紹介に
ブラック会社に就職した青年の奇妙な闘い
広告代理店と思い入社したのは、高額教材を扱う悪徳会社。
精神的に追い込まれる日々の唯一の愉しみは、駅や会社のトイレで寛ぐこと。
とありましたが、そういうテーマ(一行目)なのかと(読んでても分からなかった)

装丁借りの部分もありましたが、基本的にトイレが寛ぐ場所であるという哲学が
分からなくもないのですが、そこで飲食その他行為を行うという点で自分的にアウト。
薄いので簡単に終わるかなと思ったのですが、本には引き込む力が必要なのだと改めて実感。

読了

2010-09-27 23:40:53 | 読み物
「ジョーカーゲーム」、柳広司氏

昭和初期、軍部が台頭する時代、結城中佐が設立したスパイ養成機関は通称D機関と呼ばれた。
軍人ではなく飛び抜けた能力を持つ一般人がスパイとしての手ほどきを受け、暗躍する。

「このミス」に選ばれた本ですが、ミステリーと「スパイ」という二つを組み合わせて、
ワクワクしないはずのない設定の着眼点がうまいなあと。
使命に燃える情熱を持ちつつも冷静に行動する粋な男たちの話であるので、多分男の人の方が
受けはいいんじゃないかなぁと個人的には思いました。
細かく考えたら突っ込んじゃダメ的な部分もありますが、その分エンタテイメント性が上がっているのも確か。

「ダブルジョーカー」、柳広司氏

D機関の暗躍を快く思わない軍部は対抗し、軍人のスパイ機関を設立した。
スパイ組織は二つもいらない、果たして勝ち残るのはどちらの機関なのか?

ということでジョーカーゲームの続編。 
初っ端から対抗機関の出現にD機関はどう出るかという出だしで掴みはOK。
前作に引き込まれた人は、ライバルの登場とそれに対する行動に今回もワクワクするはず。
…で、自分ですが、うん、確かにキャラが書かれている結城中佐(しかも勝手に渋いオッサンで
脳内変換されておりますw)の魅力は感じるのですが、個々のスパイの人物までも
書ききれていないからか(そもそも自分の身を他にやつすスパイに個性を出せという方が
無理な注文なのかもしれませんけれど)、読後に余韻が残らない気がします。

読了

2010-09-21 23:25:24 | 読み物
他にすることがある気が果てしなくしますが、ええ。

「0号室の客」、石原健次氏

装丁借りをしてきたものですが、元はテレビの深夜ドラマ枠で人気の作品を担当した脚本家が
原作を書き下ろしたものだそうです。(ということを読み終わってから知った)
ジャ/ニ/ーズ系だそうですが、当然ドラマの方は見ておりません。

都会の片隅に怪しく佇む洋館HOTEL・POINT、その『0号室』に宿泊した客は、
遺伝子から割り出した自分の点数を知ることができるという。
自分の点数を知った者たちは、その後どうなったのか?

確かにビジュアルが先に来る作だな~と思いました。
数字で表すというとつい知能やテストが出来るというところになりますが、それを人間性全部を
ひっくるめて点数で表せるという装置を出すことによって起こる騒動。
点数に対しての反応が多彩で、誰もがどれかの人物について当てはまりそうです。
ノベライズと思い気軽に読める一冊。

「誘拐」、五十嵐貴久氏

日韓友好条約が締結されようとしている前に、首相の孫娘が誘拐された。
犯人からの要求は「条約を結ばないこと」と「身代金」。
警察は組織の犯行とみて警護に大量人員を投入する裏で、誘拐事件としては少な過ぎる人員で
捜査にあたる、果たして…。

話は壮大なのですが、若干腑に落ちない点もあちこちに。(突っ込むなと言われそうな;)
今の時代を象徴するかのような犯人の要求や身代金の受け渡し方法は面白いなとも
思いましたが、完全犯罪を目指す(あるいはそうでない人物として書きたかったのか?)人間
らしからぬミスで結末が肩透かしを食らったような気がします。
なぜ犯人が誘拐事件を起こそうとしたか、それと首相の孫を狙った理由は、そして真の目的は?
と見どころがありそうなのに、登場人物のキャラ描写が不足してるので実感として迫ってこない
のが残念かなぁと。


9月も下旬というのにエアコン&扇風機未だ稼働中な我が家。
しかも、明日は気温が高くなりそうだと? 外に出たくない~<待て;

読了

2010-09-17 23:38:47 | 読み物
「ロードムービー」、辻村深月氏

勉強も運動も得意なトシは気の弱いワタルと仲良くなったことでクラスから孤立するようになる。
そしてとある問題が起こったワタルとトシは家出を試みるが…。

どうも借り方に問題があったよう; 他の著書の後日談や前日譚にあたるものらしい。
というわけでこれだけで(一冊の本として)読めない訳ではないのですが、
登場人物の背景を知っていた方がより楽しめるんじゃないかなぁと。
にしても独特のフェイクを仕込むのは氏の特徴的な技法なんでしょうかね?

「太陽の座る場所」、辻村深月氏

高校卒業後行われるクラス会、その話題の中心は出席しない元同級生で今は女優のキョウコ。
彼女の出席を望むそれぞれの人物の思惑と、彼女自身の出席しない理由とは?

う~ん上でも書きましたが、続けて3冊同じ技法を同じ作者に見せられると(書いている順番は
違うのでしょうが)どうなのかな~という気も。(さすがに読めた)
それと登場人物が自分のエゴを剥き出しにしているので読んでいて楽しいとか面白いよりは
若干辟易するかも。(そうだと同調できれば、また印象も違ってくるのかもしれませんが)


先週と比べれば涼しいというだけで、平年からしてみれば9月でも充分に暑いということを
つい失念しそうになる;
そんな中明日は久々に大学の友人と会ってきます。

読了

2010-09-13 23:50:44 | 読み物
ネオチの間に何をしていたかっていえば、これ。(苦笑)

「隣の若草さん」、藤本ひとみ氏

退官した大学教授の父、秘書の長女、モデルの三女、受験生の百合子、それらを家で
支えるのは次女の桃子さん、飼い犬元帥の目から見た若草家の日常を描いた作。

文体は(昔のコバ/ルトで慣れているからかw)非常に読みやすく、肩肘張らずに読める一冊。
どこの家にもおこりそうな日常を描いているので「ああ、あるある」「女姉妹だと
父親ってこういう立場よね」と共感しながら読める部分も多し。
…何気に強烈な四姉妹ではありますがw
<そしてこの頃犬視点の話を読むのが何気に多かった件。(桜庭氏、山本氏と並び)

「ただいま」不知火京介氏

記憶喪失になった盲者は何を求めていたのか、美女のはずなのに何故か印象が薄く
忘れ去られてしまう人に恋をした僕、死別した夫の面影と求婚者の間で揺れ動く母に
娘が見せた夢、色々な人の記憶に関する短編集。

書架から適当にチョイスしたものですが(適当言うな;)、好みのタイプでした。
(がっかりしたというのはあまり無い…と思うのですが、読むのが苦痛になった本はあるので)
ミステリーではないですが(江戸川乱歩賞受賞者なので)、ちょっとミステリアスな
謎と「記憶」を上手く絡めて(「記憶」がそれぞれの登場人物の契機になっている)
書いているなぁと思いました、読後感も悪くないし短編なのでさっくりと読めるし。

「女男(変換できない; これで『おとこ』と読んでください)の一生」、西烔子氏

いきなりコミックですw
30代OLのつぐみは大企業に勤めていたが、亡くなった祖母の家(の離れ)で
祖母の知り合いだったという50代の大学教授と出会う。

「これ」という事件は起こりませんが、淡々とした日々の中、次第に打ち解けていくが
つぐみは過去の恋愛体験から、臆病になっている。
片やオッサンの域に入っている大学教授が大変自由気ままで、飄々として、
それでいて大人!?の魅力も振り撒いているという。
多分、若い人にはおばさんとオッサンなカプに見えるかもしれない(=恋愛対象にならない)
かもしれませんが、ショタ(やめい;)年下よりはオッサン好きなのと
この歳だからこそ、自分はアリと思いました。

以下、面倒くさくなったのでタイトルのみ。<待て;

・「薔薇を拒む」近藤史恵氏 
ミステリーとしては物足りない点もありますが作品の雰囲気は良かったです。

・「暁英」 北森鴻氏
鹿鳴館に隠された秘密とは? 絶筆、500ページ越えで未完が非常に残念。

・「1950年のバックトス」 北村薫氏
短編集(SSに近いかなぁ) 

・「つばさものがたり」 雫井修介氏
雰囲気自体は嫌いではないものの未消化な点もあったような。(←伏線回収が不十分)

・「記憶の海」 松田奈月氏
シナリオ大賞ということらしいが、ジャンルとしては何だろう?<それで終わりかい!

・源平六花撰 奥山景布子氏
歴史小説。 源平の乱に関係する6人の女性について

・「遊郭(さと)のはなし」 長島槇子氏
ホラー大賞特別賞作。 

・「恋する空港」 新野剛志氏
シリーズ物2作目だった;(1作目は未読)

・「V.T.R」 辻村深月氏
氏の作品の中の登場人物が描いた作という設定。 ラノベっぽいか?

そしてこれだけ打つのに打ち間違いが何度…orz

読了

2010-08-29 23:56:37 | 読み物
溜まってきたので纏めてメモ。

「吉野北高校図書委員会」1~3、山本渚氏

これは先月から合間合間に読んでいたもの、ラノベですね。(全3冊)
男友達が後輩と付き合いだしたことで初めて気付く微妙な想い、司書の先生に抱く淡い
恋心、
他の男を目で追う女友達に一途な想いを抱きながら友人として接する男心。
どれをとっても「ザ・青春」みたいなキュンキュンする想いを味わうべきなのかもしれんが、
若干年の行った自分には、もどかし過ぎる内容。(笑)

「失恋延長戦」、山本幸久氏

女子高生が同じ放送部員の男の子に恋をした。
が、内気な性分から言い出すことが出来ずに高校生活は終わってしまう。
自称親友の藤枝、犬なのに人間臭いベンジャミンが見守るこの恋はどうなるのか?

うっかり、また「でっていう」と言いそうになりました。(汗)
本気で恋愛小説に向いていないのかと; が、本書は「恋愛小説」というには恋愛要素
の描写が弱く(というか弱過ぎて失恋したのかも分かりにくい;)、穏やかな話の
流れ方を楽しむ本なのかなぁと。 が、若干消化不良気味。

「ぽろぽろドール」、豊島ミホ氏

主人公と人形を巡る色々な想いを描いた短編集。
ある者は叶わぬ恋の完成形を人形造りに投影し、ある者は他者への憧れを人形に託し、
ある者は人形を心の、生きる拠りどころにしている。

人形を単なる物としてしか捉えられぬ人にとっては一種異様とも思える偏りぶりに
付いていけない部分もあるかもしれないが、「人形」という形ではなく、
それぞれに思い入れのある物に対して抱く何らかの想いというのは誰にでもあるのでは。
個人的には分かる部分もありますが、ただ対象が人形(人の形をした)にそういう
想いを抱いたことはないかなぁと。

しかし、8月も最終週って言うのに、この暑さ…orz
特に今日は湿度が半端無い気がする;<湿気が一番堪えるよね
とりあえず、脱熱帯夜希望です、マジで。<まだ当分無理そうですが

読了

2010-08-25 23:57:39 | 読み物
「少女七竈と七人の可愛そうな大人」、桜庭一樹氏

真面目であった母優奈が突然(本の中では「辻斬りのように」という言葉が用いられているが)、
数々の男たちと関係を持ち、生まれたのがとても美しい娘、七竈。
男を求め出奔を繰り返す母、自分とよく似た美しい風貌を持つ男友達の雪風、
閉ざされた世界の中で、少女と彼女を取り巻く大人たちの行く末は。

う~ん、何というか、まぁ独特の雰囲気を文章全体から感じる作家さんですね。
品行方正からいきなりの男を求めて自由に生きる母親と、誰が父親か分からぬ娘の関係が
7つの話(時には飼っている犬の視点からも語られていますが)を通して
描かれていますが、文章自体に静謐な空気が纏い、それでいて思春期の不安定さが
バランス良く配合されているような気はするのですが、自分の好みかといわれると微妙。

「ファミリーポートレイト」、桜庭一樹氏

一人の女性を描いた二部構成からなる長編。
前半は幼い頃、逃避行を続ける母とその母が絶対であり、神だった駒子の、
潜伏先での二人の暮らしぶりを描き、後半はその駒子が成長し、母という絶対的存在から
自分の足で立っていく姿(でいいのだろうか?)を描いたもの。

…正直好みは分かれると思いました、そして向かない人には苦痛な長さかも。
前半の部分は独特の暗さと通常ではちょっと信じ難い母と子の在り方に、
その行く末共々陰鬱な気持になりました。
後半も退廃的な雰囲気は相変わらずで、そこにところどころ本筋に直接には関係ない
フィクション部分が織り込まれているのですが、…完全に斜め読みしてしまいました;
ので氏がこの書で伝えたいことまで読み取れていない気がしますが、
自分には読み終えるまでが限界かなぁ。

どうでもいいというか今更ですが、氏が女性だと知ったのはつい最近のことです。(汗)

「SOSの猿」

2010-08-23 23:53:21 | 読み物
伊坂幸太郎氏、「SOSの猿」です。

内容(「BOOK」データベースより)
ひきこもり青年の「悪魔祓い」を頼まれた男と、一瞬にして三〇〇億円の損失を出した
株誤発注事故の原因を調査する男。そして、斉天大聖・孫悟空
―救いの物語をつくるのは、彼ら


↑これじゃ分からんて; そして読んだ後も実はすっきり感がしない;
新聞の連載、あるいはマンガとのコラボという実験的な作品作りに挑戦しているという
感じは受けるし、ただ「話を書く」だけじゃないという意欲はかうのですが
…それが読み手側(特に過去の伊坂氏のような作風を求める側)との距離感が否めません;
かきたいものを書くという気持は分からなくもないですけどね。
(プロと趣味を同じ俎上で話すな;)

引き篭もりの青年に対し「悪魔が付いているからではないか」と進んでではないにしろ
向き合うことになった青年の話と原因調査の男の話が交互に続くのですが、
何故ここで「エクソシスト」だの「孫悟空」だのが出てくるのか(しかも、実際に
目の前に「孫悟空」が現れているのを認識しているような書きかた)とず~っと
首を捻りつつ、その首が最後まで元に戻らなかったっていう…orz
マンガの方を読めば分かるのでしょうかねぇ。



「無理」

2010-08-18 23:32:35 | 読み物
奥田英朗氏、「無理」です。

内容(「BOOK」データベースより)
合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。
相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。
久保史恵―東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。
加藤裕也―暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。
堀部妙子―スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳。
山本順一―もっと大きな仕事がしたいと、県議会に打って出る腹づもりの市議会議員。
出口のないこの社会で、彼らに未来は開けるのか。


久々の読書メモですが、すでにちょっと忘れかけてるかも。<待て;
地方都市に暮らす5人を交互に追っていく形で話は進められます。
奇をてらったものではなく、それぞれに抱える不満、不安、希望が淡々と続きます。
住んでいる場所(地域)が違うからか、寂れた感じの否めぬ一地方都市の実情が
自分自身理解できないところもあるのですが、レビューを見ると「忠実」に
(=今、まさに地方都市が直面している問題や状況)描かれているそうです。
一人ひとりがどう次を切り拓いていくのかという点でページを繰らせる力は相変わらず
だなあと思いますが、個々に対して共感できる部分よりも、なんだかなぁと
思ってしまうのは氏が淡々と人物を描いているからでしょうか。

別々に話が進んできた5人ですが、最終的にとある事件で同じ場に居合わせることになります。
その結果も、そして本の結末もある意味賛否両論ある気もします。
個人的にはご都合主義で「そんな!」と思うよりもこの結末の方がありかなぁと思いますが、
これだけのページを割いてそれもまた微妙に空しさも感じたり。


前の日記で「重かった」というのがこの本なのですが(500P越えってやつ)、
そういや、この間電車の中でipadを見ている人がいました。
一つの端末で色々出来るし作品も電子書籍として読めるということですが、
アレ、絶対疲れそうだよな~と。

一日遅れの

2010-08-11 23:50:14 | 読み物
…本日の図書館行きと相成りました。

う~ん、まぁ、昨日の予定が丸まる変更になったのはどうしようもないというか、
自分が決めたことで誰に対して何を言えるわけでも言うつもりも無いんだが…なぁ。
後で悔いることのない様にと思いつつ、どこかで負の感情を抱く自分に嫌気を覚えたりも。

それは置いておいて。(なら書くなよ;)
結局先月はほぼ本を読んでいる暇が無かったので…語弊がありました、
多分読める時間も充分あったはずですが、気持ち的に後回しにしていただけで。
予約本ラッシュとその前のエアポケット時に借りた本がそのまま積んであったのですが、
とりあえず文字を見よう(←読もうじゃないのか;)、と。
そして今日までの取り置き期限が一冊あったので、夕方になってから図書館に行ってきました。
もう一冊くらい届くかと思ったのになぁ。←何度も行きたくないずぼら加減が如実に出てますね;
以下、返す前に薄さで読んだ(=出来れば返す数を増やしたかったので)本。
<そういう読書の仕方もどうかと思いますけどね;


「花が咲く頃いた君と」、豊島ミホ氏

氏の本は初読ですが、この方のL/25に書かれていたエッセイは幾度か読んだことが。
ヒマワリ、コスモス、椿、桜、四季の花と共に語られる短編小説です。
一番印象に残ったのは「椿」の話。 
同居する祖父と高校生の主人公、日常での同じ話題を探すことは難しいけれど、
その関係を深いところでの繋がりをきちんと書かれたいいお話だなぁと思いました。
小さな頃、眠れないと祖父の布団に潜り込んだ昔、静かにそれでいて存在感のあった
祖父は帰らぬ人となってしまう。
慌しい後、初めて失ったことを実感して涙する心情や気持が痛いくらい伝わってきました。
そういう経験って、これくらいになると一つ二つありますよね。

「Nのために」

2010-08-01 23:57:09 | 読み物
湊かなえ氏、「Nのために」です。

内容(「BOOK」データベースより)
「N」と出会う時、悲劇は起こる―。大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。
台風による床上浸水がきっかけで、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。
努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、
やがてある計画に手を染めた。すべては「N」のために―。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件


昨日途中で眠さに負けた本。<内容がどうのと言うわけじゃなく、単に眠かっただけですが;

「告白」同様一人称で事件について、10年後について、事件の裏に隠されたそれぞれの
思惑についてが係ったそれぞれの口から語られている。
登場する人物に全てが「N」とついているからタイトルなんだろうけど、誰がどのNのためにか、
というのが、読んでいると分かりにくい気がしました。
頭が働いてないのもあったんでしょうけど、主人公という位置付け以外の人物も
同様に事件について語らせているのですが、背景の書き込みが足りない(と感じた)分、
その誰に対しても感情移入が出来ないな~と。
一つの事件の裏に思惑が隠されていたという点はミステリとしても面白いと思うのですが。
あと、個人的には登場人物の一人が最後にどうしてあの位置(場所?)にいるのかが
分からなかったんですが、何でだろう?(聞くなって;)
そして読み返す気力は、ない。