さがしもの

うがいばかりしている。
風邪は回復に向かっているのだろうか？
それとも、明日起きたら耳鼻咽喉科へ走った方がいいのだろうか。
低い鼻が重い。
しかも寒い。
なんなんだ、この寒さは。
ベルリンか仙台か、というような空が広がっている。

友だちの家で上質のゴム手袋に出会った。
使いやすい。スーパー手袋というのだと聞かされた。
ゴム手袋でこんなに違いがあるなんて信じられないとまで思った。
柔らかくて、キッチンに下げたままにしていてもいい感じ。
帰ってきて家にあるいつもの、けっこう上等だとそれまでは信じていたゴム手袋でお皿を洗った。
やっぱり全然違う。硬くなってしまっていて、ロボットの指先のようにしか使えない。
たいした事じゃない。
でもあの使い心地を知った以上、もう探すしかない。
欲しいな、スーパー手袋。
見た感じではそれほどわからない。主婦はみんな知っているのだろうか。
これは難しい。
たぶんそこらへんのゴム手袋よりはきっと高いのだろうが、一見では同じようにしか見えない。
使ってみて始めて、はっきりとわかる。

こんな事はいっぱいあるのだろう。
知らなければそれまでという事。

カシミアの場合もカシミアの中身は凄く違う。
こんなカシミアに出会えるなんてというところに、エルメスを求めたがまだ甘かった。１６万円もしたマフラーだが大きく太すぎて使いにくい。
エルメスならなんでもいいわけじゃない、値段に合った、プライドは保てたとしても。

さがしている、ずっと。
私は私をまださがしている。
最高の場所はどこなのだろうと。
もう出会ったのに気が付かなかったのかもしれない。
いまさら戻る事も出来ない。
だからさがし続ける。

スカーレット オハラを知った時に良く思った。
「ねえ、今私の人生は何章なの？第２章は終わったとして、ピークは何ページだったの？」とかってさ。

ねえ、私はスーパー手袋になれるの？
今のままなら安物のゴム手袋だわ。