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公営競技(特に競輪)ファンの私が競輪をはじめとした公営競技のイロハを適当に綴るブログでございます。

競輪の未来のためには

2007-01-27 22:57:41 | 競輪
現在小倉競輪場では特別競輪の競輪祭が開催されております。
ですが、明日が最終日だというのに映像などで見る限りスタンドはガラガラ。
私は現地に行ったことがないのでキャパは分かりませんが、せいぜい数千人いるかいないかといった感じと見て取れます。
かたや、モノレール1本でつながっている「ライバル」小倉競馬場。はっきり言ってしまえばこちらに客を取られている感が否めません。で、入場者数は小倉競輪が5640名、小倉競馬が7388名。
後者はいわゆる「裏開催」で入場者数は中央場所よりも劣るとは言われていますが、そこのそれよりさらに人が少ない競輪。一応GⅠなんですけど。

かつては競輪の方が物凄い人気を誇っていて、中央競馬は競輪に遥か及ばない時代がありました。私が生まれるかなり前の話です。
ところが、時代はテレビという媒体を中心に動いていき、いつからかそのテレビを大いに活用した中央競馬がぐんぐんと隆盛を極め、他競技は段々と右肩下がり。

では何故これ程までに差が出来てしまったのでしょうか?

まず、競輪関係者が創成期の異常なまでの人気に胡坐をかいていたがために、思考がその時代で停止してしまい、結局時代の変化に対応しきれず衰退していった事が挙げられるでしょう。
一方中央競馬は新規ファン開拓のために、大人の男だけが来る鉄火場のイメージを払拭する事から始めていき、結果として家族連れや女性といった新たなファン層をつかむことに成功し、この流れは今なお続いています。
「なあに、客なんか黙っていても勝手に入るさ」という考えを当時の競輪関係者がずっと曲げなかった事により、今尻に火が点いて取り返しのつかないところまで来ているという事です。

次に、現在活きのいいスター選手が皆無であると言うことです。
スター選手、ちょっと端折って挙げてみても、松本勝明、高原永伍、平間誠記、阿部道、藤巻昇・清志、吉井秀仁、中野浩一、井上茂徳、滝澤正光、山口健治、神山雄一郎、吉岡稔真等々…。
いずれも錚々たる顔ぶれ。こういった選手と肩を並べられる選手っているでしょうか?私は今の段階ではいないと思います。特に「どんな状況でも勝ち続ける選手」という意味では。

まず理解してほしいのは、競輪という競技はただの「スポーツ」ではなく「ギャンブルスポーツ」だという事です。ここんとこが分かっていない選手がかなりいるのはちょっと悲しいかな。

競輪や公営競技というのは着順を争うギャンブルですから、少なくとも3着までに入らなければ自分に賭けてくれた人の金を全てパーにするわけです。
その時に「着順が悪かったけど自分では満足」といったようなコメントを残す選手がたまにいます。ただのスポーツならば、見ている方としては「まあ今回はダメだったな。また頑張れ」で済むかもしれません。
ですが、競輪はギャンブルスポーツです。自分の金をパーにされた客からすれば、そんなぬるい言い訳は通じるわけもなく「金返せ」「死ね」「ボケ」「カス」等容赦なく罵倒されます。人様の金を背負うということはこれだけの重み・プレッシャーがあるわけです。

その金の重みというギャンブル面、且つ自転車競走に対するスキルを上げていくスポーツ面、この両者を十分に理解し兼ね備えた選手こそスターと言えるのです。

結局のところ何を言いたいのかと問われると、宣伝媒体を使ったアピールも大事ですが、もっと大事なことでいえば施行者や自治体さらに選手等が一体となって真剣に取り組む様をアピールする事が大事であると感じます。
そのためには前の首相じゃないですけど、「痛みを伴った改革」をしていかなければなりません。
例えば全く連に絡まずに賞金だけキッチリ貰って帰る「泥棒選手」の全てをさっさとクビにする事、競輪学校もそういった選手を出さないように成績の悪い生徒は容赦なく振り落とし、優秀者だけ選手登録させる(競艇では既に行っています)など。

競輪の人気が落ちた原因っていうのは、そういった所にあるのかもしれません。