女の子になる方法、教えます!

性同一性障害になやむ若いMTF当事者に向けてのメッセージです

事実~これから移行しようと悩んでいる若い当事者へ~

2020-03-04 20:35:53 | 移行後の情景
 このブログを書き始めてからもう10年以上になります。その間、本当に時代も変わり、自分も変わりました。性同一性障害(性別違和?ジェンダー?)を取り巻く環境も大きくかわりました。しかし、悩んでいる若い当事者が初めて接する情報は、特例法ができた当時から、ほとんど変わっていないような気がします。私が知らないだけかもしれないのですが。もう日本でも一万人くらい?の戸籍の性別変更者がおり、様々な形で社会に溶け込んでいます。これから生き方を変えようとしている人、身近にもがいている人がいて何かできないか悩んでいる人にとって、アクセスできる当事者の情報は、①ユーチューバーなど、移行を明かして活躍している人②社会や偏見をかえていこうと活動している人③同じように悩んでいて当事者グループでピアサポートをしている人しかありません。あたり前ですが、移行した多くの埋没移行者には出会うことができないのです。
 そうなると、多くの可視化されないふつうの当事者の実情ではなく、①②③の特殊な状況の当事者が、一般的な当事者の実情であるかのような印象を受け、性別を変えふつうに生きるということがリアルに感じにくいかもしれません。当事者の生きる環境は、決してすべて解決したということはなく、今も違和感や社会の偏見故に苦しんでいる当事者の方はたくさんいます。あなたもそうかもしれません。

 けれども、一方で、本当に多くの埋没当事者、要するに、普段「性別を意識しないで」(周りから認識される性別=自分の性別)生活している移行者が(たぶん)たくさんいるのです。

 例えば、ある学校に「もっとLGBTへの理解を」と講演に来た方の話に生徒が感動して「もっと理解していきたい。偏見なくかかわっていきたい」と感想をもらした学級の担任の先生が埋没移行者だったり。悩みを打ち明けてくれた生徒に「あなたのつらさのほんとうのところは分かってあげられないかもしれないけど、一緒に解決していこう」とアドバイスをする養護の先生が埋没移行者だったり。もしかしたら日本のどこかでもう埋没当事者の校長先生がいてもおかしくないですね。
 例えば、市役所の窓口に「あなたは性同一性障害の苦しみを分かってない。もっと支援をしてほしい。」と訴えてきた当事者に対応している職員が実は埋没移行者だったり。
 例えば、美容院で「MTFとばれないような髪型に」と頼んで切ってもらう美容師が埋没当事者で「そうなんですね。そういう方尊敬します。自分をしっかり主張できるひとうらやましいです。」と何食わぬ顔で励ましていたり。
 それが埋没当事者の(たぶん)ふつうの姿です。

 ほんとにそんな人がいるとしたらどんな人をイメージするでしょうか?
 人によってはパス度もとても高く誰から見ても気づかれないような人もいるでしょう。けれど、私なんか、パス度はそんなに高くないのです。ただ、知り合った誰もが一度「女性」と認識すると、まさかトランスジェンダーがこんなとこにいるなんて思わないから、「女性」と疑わず認識されるだけです。何が言いたいのかというと、埋没のハードルは高くないです。あなたがイメージする当事者①でも②でも③でも、もしカミングアウトせずふつうに社会で生活していたら、「あれ?あの人性別変えた人?」とは思いません。違いがあるのは、カムしたかしないかだけです。

 MTF初心者のあなたが、将来なりたい姿をイメージしたとき、それが国連職員かもしれないし、アパレルの社長かもしれないし、看護師かもしれないし、専業主婦かもしれません。もしかしたら、そこまでの道のりは純女さんとは違った、少しハードルの高い山をいくつも越えないといけないかもしれませんし、努力だけでなく運もあるかもしれません。けれども、そこにたどり着けないとは限らないし、すでに上に書かれているような仕事に就いている人はたくさんいます。そういえば新型コロナウィルスの神対応で名を馳せた台湾の大臣もトランスジェンダーでしたね。

 MTFだからといって、将来の目指す像が純女さんより劣っているあるいは限定されているということはないし、現に今ふつうに幸せに女性として生きているMTFがたくさんいる、そのことを信じて、トランスをスタートして欲しいと願っています。

 そして、いつかそう遠くない日に、私の仕事の業績も、パス度も、人間性も、パワーも、追い越して、魅力ある後輩MTFに出会えるのを本当に楽しみにしています。そんな後輩にもうすぐ会えることを確信しています。

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