女の子になる方法、教えます!

性同一性障害になやむ若いMTF当事者に向けてのメッセージです

RLEはとっても重要です!!(移行前の心得⑥)

2008-10-15 20:37:17 | 移行前の心得
 よく、誰にもカミングアウトせずにホルモンをフライングで服用していたりなどという例があるということを伝え聞きます。もしそれが大の大人ならその負の責任も本人が負うので別に私からどうこう言うことではないのですが、あなたが未成年でもしホルモンを自己判断で服用することを考えているとすれば、私は大反対です。
 ただし、反対しない医師もいます。
 今の若い当事者にホルモンをさせないことで被る不利益に私が責任を持てない以上、助言にとどめるしかできません。ので、助言です。

 性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン
http://www.jspn.or.jp/05ktj/05_02ktj/pdf_guideline/guideline-no3_2006_11_18.pdf
 には、以下の用件を条件を満たす時に、ホルモン療法などの身体的治療に移るとしています。(条件は省略)

①性別違和の持続
②実生活経験(RLE)
③身体的変化に伴う状況的対処
④予測不能な事態に対する対処能力
⑤インフォームド・デシジョン
⑥身体的治療を施行するための条件

 この中で、客観的かつ自分自身で判断できるものは、②のRLEです。
 実際に女性としてやってみて、「うまくやれそうだ」と感じたり、「しっくり感」が生じたりするかどうか、これが(未成年の場合)もっとも重要な判断基準のひとつだと思います。

 ふつうに今女性としてやっていけない小学生や中学生が、親以外誰にもカミングアウトしてないような「何も行動を起こしていない」子がどうして先にホルモンになるのでしょうか?どうして、女友達と仲良くなって、「女子」として一緒に遊びに行ったりしないのでしょうか?
 あるいは、今いくら女性として見られているからと言ってどうして現実社会に適応できてないあなたが、どうしてホルモンをはじめるのでしょうか?困難から逃げおおせると思いますか?
 ホルモンはRLEの後です。パスし、埋没し、周りを説得し将来の見通しがついた後にホルモンをするのです。あなたが空想の世界で「女性」だと思っているに過ぎないのか、あるいは仮に絶対的規準で「心が女性」だとして現実に女性としてやっていけるのか。それをRLEはなんとなく確認することができます。もっと言えば、あなたが仮にGIDでないとしても、RLEをうまくやり通し24時間一生女性でやっていけそうだという見通しが立てば、性別を変えても(適応上の)問題は生じないでしょう。
 
 RLEは、いくつかの次元と段階に分けられると思います。
(一連の行動での段階)
 ①自室内
 ②外出
 ③活動
 
(他者との関わり)
 a非接触
 b買い物やあいさつ程度のかかわり
c理解者とその友人(ノンカム)とのかかわり
 dノンカムのみとのかかわり

(密度)
あ;短時間
 い;数時間一緒にすごす
 う;数週間から数ヶ月の内継続して、一緒に活動する
 
 人によっては、①-a-あ のように、「数時間家で女性としてたった一人で生活してみたらとても心地よかったです。だからRLEはうまくいきました。」という結論もありえます。けれども、それでは、まったく判断できません。できれば、③-d-う のように、自分の体の性別を知っている人が誰もいないコミュニティで、習い事やサークルなどをやってノンカムの友人を作る、そしてそれが苦痛でなく心地いい、という感覚が得られるような必要があると私は考えています。正直、ホルモンは料理にたとえるとダシのようなもので、他のものがすべてクリアーされていればその効果は生きてきますが、そうでないばあいは意味がありません。

 ③-d-う のような状況になるには、その他に様々な問題がクリアーされてなければなりません。その前に女の子の友達と一緒に遊んで彼女たちから違和感なく受け入れられることも必要でしょうし、そのためには(限定された相手への)カミングアウトも必要になってくるでしょう。

RLEについては、また機会をあらためて、もう少し具体的に章を起こして書くかもしれません。

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