女の子になる方法、教えます!

性同一性障害になやむ若いMTF当事者に向けてのメッセージです

「青い鳥」はどこにいるの?(努力について②)

2008-08-22 22:50:21 | 努力について
 男性と生きるのが苦しく、何か本当の自分でないような気がする。女性的なものにあこがれ本当の自分はそこにあるような気がして、そこにいけば女性になれれば幸せになれそうな気がする。自分の居場所を探している人たちがいます。「自分探し」と表現してもいいでしょうか。そのような本来の自分を探すような生き方では、絶対性別移行はうまくいかないと思います。あなたの本質は「女性」なのではなく「男性が嫌な自分」であり「女性になりたい自分」でしかありません。その表現が嫌なら「女性だと感じる、確信する自分」と表現してもかまいません。勿論私もそのほかのGIDすべてそうです。
 環境が変わる(女性になる)だけでは幸せにはなれないのです。

 けれど、性が変わることで幸せになれた人たちはたくさん、本当にたくさんいます。どういうことなのでしょうか。それは、性を変わる過程で、あるいは違和感があった故に、さまざまな苦しみに打ち克ち、乗り越えてきたからです。逆説的ですが、性を変わるような困難な壁を乗り越えてきたので、その過程で自分が鍛えられ強くなり、その結果移行後のストレスも耐えられる幸せな人になれたのです。

 性別移行は「自分探し」ではなく「自分づくり」のようなものなのです。

 最近ある福祉系の若い大学教員と話をしていた折、「最近はノーマライゼーションから再びリハビリテーションへシフトしてきている」ということをおっしゃっていました。もし毎日の苦しいリハビリがなければ、長嶋茂雄さんはあそこまで回復しなかったのは明白です。(ノーマライゼーションがだめと言うことではありませんよ。念のため。)GIDも同じです。毎日の自分づくりが幸福な移行を成功させるのです。

 あなたは、偏見のない社会でどこから見ても男性でかつ過去の偏見のせいで働けない同情される「女性」になりたいですか。それとも、偏見があろうとなかろうとふつうに「女性」として働き、家庭を築き、人一倍努力する魅力ある人になりたいですか。

 青い鳥はどこにもいません。遠い理想世界にも、今のあなたにもいません。一生懸命自分づくりをした未来のあなたにしか幸せの青い鳥は住んでいないのです。


 では、「自分づくり」とは何なのでしょうか。外見を磨くにはお金と時間があれば苦労せずにできます。外見は努力できて当たり前!
「自分づくり」とは、今の自分のおかれた状況から逃げないことです。ちょっと考えれば当たり前のことですが、女性になれば今以上のストレスがやってきます。今学校に行けないあなたが扱いが女子に変わったらどうでしょうか。女子達みんなを説得できる人間性はありますか?あるいは、転校してまったく知らないところで女子としてやると仮定します。女性としての経験のないあなたが、どろどろした女子の人間関係を作っていけるのでしょうか?今、簡単な男の人間関係さえつくれないあなたが。勉強もそう!勉強に性別は関係ありません。今やる気がないのに、性別が変わったからといって、急にやる気なんか出てきません。逆説的ですが、女性としてうまくやっていける人は、男性として最低限のことができる人だけです。
 今あなたの抱えている学業、人間関係、大人なら仕事、そういうことから逃げずにやっていくことが、「自分づくり」なのです。


 けれども、それができないのです。
 どうすれば今の現実に立ち向かっていけるのか。
 それを伝えたいのがこのブログです。

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