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コロナ撲滅目指さぬ欧州、共存へ準備着々

2021-08-20 12:00:00 | 日記

下記の記事はダイアモンドオンラインからの借用(コピー)です

欧州の新型コロナウイルスとの闘いは長期かつ緩やかな戦術へと移行している。感染終息を目指してきたドイツ、イタリア、フランスなどはコロナとの共存に備えようとしている。
 欧州で感染が拡大してから3度目の冬を前に、各国政府は感染を抑制するための予防接種、マスク着用、頻繁な検査、限定的なソーシャルディスタンシング(対人距離の確保)などを推進する計画を立てている。
 その背景には、社会的な規制に比較的寛容な市民の存在がある。米国ではウイルスの威力が薄れたとの楽観が広がる中、複数の州が早々に規制を解除した。欧州では春から夏にかけて感染者が急増し、コロナ終息に大きな期待が寄せられたことは一度もない。
 ドイツはこれまでコロナ関連規制を完全に解除したことがない。同国では今週、感染者数が極めて低い水準を下回らない限り、レストランや病院、その他の屋内施設への入場許可はワクチン接種者や感染症から回復した人、最近のコロナ検査で陰性だった人に限ると発表した。密閉空間や公共交通機関では、ワクチン接種者でもマスク着用が無期限に義務付けられる。
 8月に新学期を迎えたベルリンでは、子どもたちが学校内でマスクを着用し、週に数回、コロナ検査を受けている。政府は今週、新型コロナワクチンの接種対象となる子供の家庭向けに、接種を促す通知を送った。
フランスやイタリアなどでは、ワクチン接種や感染からの回復、あるいは最近の検査の陰性証明を、日常生活を送る上での必須条件とする傾向が強まっている。フランスのレストラン経営者は、顧客をチェックしなかった場合、最高9000ユーロ(約120万円)の罰金と1年間の禁錮刑を科されるリスクがある。
 米国でもこのところ、カリフォルニア州など一部の州や都市が同様の規制を発表している。
 ワクチンは重症化や死亡のリスクを低減させた。だが感染力の強い変異株「デルタ型」は、ウイルスへの完全な勝利とコロナ前の生活への完全復帰という希望を打ち砕いた。科学者によれば、各国の計画は、新型コロナがその発生時のような速さで消滅することはなく、インフルエンザのような日常的に病気や死を引き起こす呼吸器系の病気に加わるという現実と、それに対する認識を示している。
 そうした状況になるまでにどれくらい時間がかかるかは不明だと科学者は言う。だがワクチンのおかげで、コロナ感染流行の最も深刻な局面はほぼ確実に過去のものとなり、政府がウイルスを封じ込めるために再び全国的なロックダウン(都市封鎖)を導入することはなさそうだ。
 欧州の入院率は過去の感染急増時を下回り、ワクチンの効果が鮮明だ。欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、フランスの8月8日までの週の入院患者数は100万人あたり65人で、前回ピーク時の3月から3分の2減少した。ドイツとイタリアでは、人口100万人あたりの入院患者数が直近のピーク時に比べて90%減少。英国でも80%減少した。
 欧州でも米国でも、コロナ感染による新規死亡者数は以前の水準に比べればごくわずかとなっている。
 欧州のワクチン接種はおぼつかないスタートだったが、その後は進展している。オックスフォード大学の「アワ・ワールド・イン・データ」プロジェクトの集積データによると、欧州連合(EU)の全人口の53%がワクチン接種を完了した。これは米国の50%をわずかに上回る。英国は60%となっている。スペインは63%に達し、ドイツとイタリアは55%超、フランスは50%と出遅れている。
 それでも科学者たちは、ワクチン接種や感染によって国民が十分に免疫を獲得し、ウイルスのまん延を防ぐことができる「集団免疫」は、たとえ達成できたとしてもまだ先のことだと言う。防御策をすりぬける新たな変異株が発生する恐れもある。
 英イースト・アングリア大学のポール・ハンター医学教授は、将来的には他のコロナウイルスと同じように、ワクチンによってウイルスの威力はなくなるものの、時に感染症や死亡を引き起こすという状況に落ち着く可能性が高いとみる。企業や経済が時間と共に新たな基準に適応できると当局者は期待している。
 コロナ感染者に対する渡航制限や隔離措置は欧州で広く導入されており、当面は続く公算が大きい。各国は変異株をより正確に追跡するため、遺伝子調査を強化している。世界保健機関(WHO)は世界の貧困地域の接種を優先するよう訴えているものの、欧州では高齢者や高リスク者への追加接種が検討または積極的に計画されている。多くの国の政府は、感染者を発見するため広範かつ定期的な検査を拡大しており、接触者追跡システムも取り下げるどころか強化している。
 英政府はやや異なるアプローチを採用している。感染を抑制する上で、大半の規制を撤回し、ワクチンと国民の行動を信頼することを選んだ。ボリス・ジョンソン首相は、他の呼吸器系の病気と同様に、このウイルスとの共存を学ぶよう国民に呼びかけている。
 英国では規制が緩和されたにもかかわらず、国民が依然として慎重な姿勢を崩していないことがデータで示され、ウイルス拡散の抑制において行動が重要な役割を果たしていることが浮き彫りとなっている。調査会社ユーガブの世論調査によると、英国で規制が緩和された後の7月下旬、英国人の70%が公共の場でのマスク着用を続けていると回答。この割合は2020年春からほとんど変わっていない。多くの店舗や交通機関では、現在も顧客にマスク着用を要請しているが、実施状況はまちまちだ。
 米グーグルがまとめたデータによると、英国では8月上旬、レストランやショッピングモール、映画館など娯楽施設の訪問者数がコロナ前の水準を約3%下回った。また、公共交通機関の利用は3分の1減少。職場への出勤も42%減っていた。
(The Wall Street Journal/Jason Douglas and Eric Sylvers)



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