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女性専用墓地が人気「死んでまで同じ墓に入りたくない」

2021-04-24 13:30:00 | 日記

下記の記事は日刊ゲンダイデジタルからの借用(コピー)です


今月亡くなった脚本家の橋田寿賀子さん(享年95)の納骨式が、愛媛県今治市内の寺で行われた。橋田さんの両親が眠る寺に納骨されたが、生前、静岡県内にある「夫一族の墓には入らない」と明言していた。

 ◇  ◇  ◇

 夫や妻の死後に「縁戚関係を切りたい」と考える配偶者は増えている。

 橋田さんの場合、1989年に死別した夫でTBSのプロデューサーだった岩崎嘉一さんの一族の墓は静岡県内にあるが「そこには入らない」と明言していた。

 生前、雑誌のインタビューなどを通し、「姑から『寿賀子はうちの墓には入れない』と宣告されていたから」とその理由を語っており、“有言実行”した形だ。

 自身が手掛けたドラマ脚本を地でいく嫁姑の骨肉の憎しみ合い。夫や、その親族と同じ墓に入りたくないという妻は少なくない。

 葬儀相談員の市川愛氏が言う。

「夫だけでなく、夫の親族と同じ墓に入りたくないと考えている女性の相談は増えています。姑との折り合いが悪かったり、義理の実家の介護で苦労したり、夫の親族からいじめられたりと若いころに嫌な思いをした親族と亡くなってからも関わりたくないのです。また、嫁ぎ先ではなく、『実家の墓に入りたい』という方もいますし、一代限りの永代供養や樹木葬を希望する声は増えています」

 第一生命経済研究所が60歳から79歳までの有配偶男女に対して実施した調査(2014年)では、「夫婦は同じお墓に入るべきか」の問いに男性の62.2%が「そう思う」と回答。それに対し、女性は47.3%と半数を下回っていた。「そう思わない」と答えた女性は23.1%で、意外に少ないと感じた人もいるだろうが、約4人に1人は同じお墓に入るべきだとは考えていないことが分かる。

 墓のシステムや料金の相場はどうなっているのか。死後は配偶者の墓に入らないと決めていたり、離婚率や生涯未婚率の上昇、出生率の低下などを背景に注目された合同墓などの「永代供養」は、価格的にもリーズナブル。

 将来、子どもら残された親族への負担が少ないことも時代に合っているのだろう。

 また、近年は女性専用墓地も増えている。

 埼玉県比企郡の妙光寺内にも女性向けの「共同墓なでしこ」が設置されていて、生前受け付けも行っている。合同納骨(年1回)を利用する場合は7万6000円、個別日程納骨は8万6000円。生前予約(登録料)は5000円だ。

「継承者のいらない永代供養墓です。今はお墓も選べる時代ですから、独身の方や離婚された方に限らず、見学に来られます。姉妹や母娘、『先妻さんが入っているから』と気にされている方もいました。女性も夫婦や嫁ぎ先にとらわれず『一人で入りたい』という声もあります」(仲介するNPO法人「スノードロップ」の担当者)
墓のシステムと価格一覧(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ
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死後離婚は10年で1.95倍
 墓にとどまらず、配偶者の死後に「籍」も外したいニーズも高まっている。

 熟年離婚ならぬ「死後離婚」である。配偶者の死後に「姻族関係終了届」を本籍地または住所地の市区町村役場の窓口に提出すると、死亡した配偶者とは戸籍上の他人となる。必要書類はほかに戸籍謄本と印鑑、免許証といった本人確認書類のみ。戸籍謄本には、「姻族関係終了」と記載される。

 これで義理の両親への介護や扶養の義務、義理のきょうだいや親戚との付き合いも法的に絶つことができるわけだ。提出は、配偶者の死亡届が提出された後であればいつでも可能で、期限もない。

 制度自体は戦後からあったが、ほとんど利用されてこなかった。だが、近年は増えており、09年には届け出数が1823件だったものが、19年は3551件と10年で1.95倍に急増している。届け出は主に夫に先立たれた妻が多いという。平均寿命が長い女性は、夫の死後に関係を解消し第二の人生を生きる選択をしているわけだ。

「子どもや夫側(配偶者側)の許可は一切不要です。提出したことも親族に通知されません。メリットとしては、姻族関係終了届を出しても亡くなった配偶者の遺産相続はできますし、遺族年金ももらえます。生前から不仲だったが経済的事情で別れられなかったり、周囲の目を気にして離婚に踏み切れなかった方が利用しています」(弁護士の山口宏氏)

 デメリットとしては取り消しができないので、元配偶者側の法要などへ参加ができなくなったり、万が一生活に困っても義理の実家には援助が受けられなくなる。この程度なら死後離婚を考えていた人にとって問題ではないが、子どもがいる場合は注意が必要だ。

「子どもと配偶者の親族との関係は続いているので、子どもに相談なしに籍を抜けると揉める可能性があります。義父母の代襲相続の問題や子どもが義理の親族から『あなたの母親(父親)はうちを捨てた』と非難されることがある。もっとも、子どもにも『お父さん(お母さん)が亡くなってなぜ、わざわざ籍を抜いたのか』と悪く受け取られるかもしれません。子どもとは事前の話し合いは必要でしょう。また『姻族関係終了届』の提出後は配偶者側の親族に一言報告しておくと後々に揉めるリスクを減らせます」(山口宏弁護士)

 夫の方は同じ墓に入るのは当たり前だと思っているだろうが、自分の死後は“他人”となり、あの世でも関わりたくないと準備しているかもしれない。

 ちなみに、橋田さんは静岡県にも別のお墓を購入しており、自身の分骨と岩崎さんの形見の時計を一緒の墓に入れてもらうことも希望している。



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