皆さんと一緒に考えましょう

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

50代ひきこもり 悪徳業者も…危険な「専門家」丸投げ

2021-05-22 15:30:00 | 日記

下記の記事は日経グッディからの借用(コピー)です  記事はテキストに変換していますから画像は出ません

ひきこもりは心の病気ではない?
――親御さんの中には、外部にアドバイスを求めて話し合うなど、様々なことを試してきた方もいらっしゃると思うのです。しかし、「解決には至らずここまで来てしまった」「どうしたらいいか分からない」というのが本音ではないでしょうか。親御さんの中には、「何らかの精神疾患が関係しているのではないか」「医療機関を受診させたほうがいいのではないか」と思い悩んでいる方も少なくないと思いますが、そもそも、ひきこもりは病気ではないのでしょうか?
あわせて読みたい
50代のひきこもり 精神科医が語る「脱出の難しさ」
うつ病治療、医師との相性も大切
ひきこもり問題に長く関わってきた筑波大学・医学医療系教授で精神科医の斎藤環さん
斎藤さん 先に述べたように、ひきこもりそのものは社会参加をしない「状態」を指す言葉であって、必ずしも治療を必要としません。「不登校」が診断名ではないのと同様の理由です。ただ、当事者にとっては抜け出せない苦しみを抱えていたり、家族にとっては経済的にも精神的にも負担になったりするので、放置していい問題ではありません。私が考えるひきこもりの問題は、精神・身体・社会など複数の領域にまたがる諸問題の総称であり、「ひきこもり関連障害」として理解することが適切ではないかと思います。
ひきこもりが長期化してくると、二次的な精神症状や問題行動が出ることがあります。症状は多彩で、抑うつ症状、不眠、強迫症、「いじめ後遺症」として起こる対人恐怖(自己臭恐怖、醜形恐怖を含む)、家庭内暴力、摂食障害などが挙げられます。2010年の厚生労働省研究班の報告では、ひきこもり当事者の80%に精神障害があるとされており、病気と無関係とは、なかなか言えません。これらを解決するためには、専門の医師やカウンセラーによる治療が必要になることもあります。
ひきこもりの長期化で出ることがある主な精神症状や問題行動
私の経験から申し上げると、ひきこもりに関連する精神症状や問題行動の大半は、他人の介入や家庭環境の変化で大きく変わります。ひきこもりは困難な問題ではありますが、治療自体はそれほど難しいわけではありません。
――病気が隠れていないかどうか、家族が見極めるポイントはありますか?
斎藤さん 例えば、ひきこもっているだけでなく、幻聴、被害妄想などがあれば、統合失調症が疑われます。ほかに誤診されやすいものとして、発達障害があります。最近は、周囲とのコミュニケーションが難しいというだけで、すぐに発達障害ではないかと疑われる傾向にあります。しかし、ひきこもりの状態は他の精神症状と似ているだけに、誤診も起きています。見分けるには、経過の違いなどに目を向ける必要があり、専門家でも鑑別診断は簡単ではありません。
――そうなると、親は誰を頼ればいいのでしょう? 本人が病気と認めたがらない。そもそも会話が成り立たないような親子関係では、いきなり治療を受けさせるのは難しいですよね?
斎藤さん そうですね。病気かどうかを家族が見極めるのはまず無理なので、まずは家族相談を受けてくれる公的な相談機関に出向き、そこで診断についても相談する、というステップが望ましいでしょう(※詳しくは次回紹介します)。
そもそも、ひきこもりの対応(治療を含む)は、段階的に進められる必要があります。それには、最初の段階で、親御さんがこの問題について十分に理解し、正しく認識することがカギになると言っても過言ではありません。しかし、残念ながら、親御さんがよかれと思ってやってきたことの多くは、逆効果のことが多いのです。ひきこもり支援には「説得やアドバイスをしてはいけない」「就学や就労をゴールにしてはいけない」「結論ありきの会話をしてはいけない」「対話の継続を目標にする」など、いくつかのポイントがあります。これらが守られないと、当事者との関係はこじれて、修復不可能になってしまいます(※詳しくは次回紹介します)。
ひきこもり対応を難しくしているのは、情報の不正確さや、両親の認識の誤り、対応機関の乏しさの方にこそあるといえます。
悪質な支援ビジネスに手を出してはいけない
――斎藤さんは、スパルタ治療で治るとうたって高額な料金をだまし取る、悪質な支援ビジネスにも注意が必要とおっしゃっています。
斎藤さん ええ。最近になって、拉致監禁まがいの手法で、強制的に就労訓練をし、親から高額な料金を取った揚げ句、「治りませんでした」と言って家に帰らせるといった、詐欺まがいのトラブルも起きています。こうしたトラブルに遭わないためにも、親御さんは「専門家に丸投げすれば解決する」という発想を捨てることが大事ですね。
悪質な業者がうたいがちなのは「困ったお子さんをなんとかします」「預ければ必ず自立させます」「短期解決」といったフレーズ。そうしたことをうたって、親の弱みに付け込む業者は信用しないことです。子からすれば、悪徳業者に自分を売り渡した親は一生信用できないと感じます。親子関係が修復不可能になってしまいますから、当事者に寄り添う姿勢がない業者とは、予防的に関わらないことが一番です。
■こんなフレーズには要注意!

「困ったお子さんをなんとかします」

「預ければ必ず自立させます」

「短期解決」
◇   ◇   ◇
今は自立できている人でも、社会や家庭の事情によって、仕事を辞めざるを得なくなりひきこもることは十分起こり得る。だから、8050問題は誰にでも起こり得ることなのだと斎藤さんは言う。そのとき、家族はどう準備・対応していけばよいのか。

斎藤環さん
精神科医、筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。1961年生まれ。筑波大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学、「ひきこもり」の治療、支援ならびに啓発活動。著書に『中高年ひきこもり』(幻冬舎新書)、『オープンダイアローグとは何か』(著訳、医学書院)、『新版ひきこもりのライフプラン「親亡き後」をどうするか』(共著、岩波ブックレット)ほか多数。テレビゲームやアニメなど、サブカルチャーにも造詣が深い。



コメントを投稿