大晦日にうるう秒が1秒足される
https://jp.sputniknews.com/science/201612303202136/
サイエンス 2016年12月30日 23:22短縮 URL 0 33021 国際地球回転・基準系事業(IERS)は2016年の12月31日が終わった瞬間にさらに1秒が補足されることを明らかにした。この発表は同事業の公式サイトに掲載された。
このいわゆる「うるう秒」は世界時UTIとの差を調整するために追加、または削除されるもの。
地球の回転速度が遅くなるために標準時として使われている世界時と実際の太陽時との長さに誤差が生じてしまう。世界時はこの太陽時を土台にして組まれている。 うるう秒での調整が行なわれるのは12月の終わりか6月。 過去数十年、こうした調整では1秒を加えられる事例が多かった。前回行なわれた調整は2015年6月30日で1秒加えられていた。 先に伝えられたところによると、NASA太陽観測天文台は巨大なコロナの穴のビデオ撮影に成功した。
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英紙「The Guardian」によれば、これから先、地球の自転が徐々にスローダウンすることで、1日の長さが現在よりも1時間増え、25時間になるという――200世紀先の話だが。
■1日の長さは100年ごとに約2ミリ秒ずつ長くなっている
イギリス・ダラム大学の天文学者チームは「過去2735年の間、地球の自転はいかに変容してきたか」を解明するため、日食と月食に関する紀元前720年~西暦2015年までの膨大なデータの精査を試みた。
最も古いデータは古代バビロニアで情報伝達の手段として使われていた粘土板で、くさび形文字で書かれていた。他にも古代ギリシア、中世ヨーロッパから中国の巻物に至るまで歴史的資料が総動員されたという。これら古文書には当時の人々が、さまざまな天体ショーを、いつ、どこで目撃したかが記録されており、加えて西暦1600年以降は、月の掩蔽(天体が他の天体を覆い隠すことにより地球から見えなくなる現象。星食という)も研究の対象となった。
「The Guardian」の記事より
そして、コンピュータによるシミュレーションと実際の記録との比較が行われた。
「もし、地球の自転速度が常に一定だったとしたら、我々のシミュレーションと実際に目撃された場所と日時にはズレが生じないはずです。古代の記録は大ざっぱではありましたが、2つのデータには確かに差異が認められました。つまり、地球は異なるスピードで自転してきたということです」(ダラム大学の天文学者レスリー・モリスン博士)
そして、今回の研究では、1日の長さは100年ごとに約2ミリ秒ずつ長くなっていることも発見された。これにより地球の自転は徐々に遅くなっているという結論が導き出され、計算上、約2億年後の地球では1日の長さは25時間になるのだという。
■海水の動きが地球の自転をスローダウンさせている
なお、地球の自転にブレーキがかかる主な原因は、月の引力による潮の満ち干きだそうだ。「海水がどんぶらこすることにより地球のスピンに負荷がかかるのです」(レスリー・モリスン博士)
また、気候変動による海水レベルの上昇など、さまざまなファクターにより地球の自転スピードに影響が及んでいるという。
「The Guardian」の記事より
また、イギリス・リーズ大学の地球物理学者ジョン・モーンド博士は、この研究チームには参加しなかったが「地球の進化を観測するなんて人間の時間軸では到底測り切れないタイムスケールで、非常に困難だったのではないでしょうか。なにしろ、“地球の自転”については地質学的証拠は何も提出できないわけですから! しかし、いろんな意味でこの結果には驚かされました」と話している。
時間は、いくらあっても足りないのが現代人の悩みだろう。とはいえ、2億年先といわず、年の瀬(原稿執筆時)の雑事に忙殺されている今すぐにでも1日1時間伸びてくれたら……と欲張るのは母なる地球への不敬かもしれない。
(文=佐藤Kay)
参考:「The Guardian」、「The Guardian」、ほか