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江夏正敏の「闘魂一喝!」 「“大漁旗”が日本の漁業を衰退させる!?」

2015年10月22日 00時16分26秒 | リバティ 学園 幸福実現党 関連  

     

幸福実現党  
江夏正敏の闘魂メルマガ vol.52
2015年10月20日発行
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江夏正敏 幸福実現党
政務調査会長のオフィシャルブログ
http://enatsu-masatoshi.com/

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1、江夏正敏の「闘魂一喝!」
「“大漁旗”が日本の漁業を衰退させる!?」


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「マグロが食べられなくなる? ウナギが高い! サンマが大ピンチ!」このような報道をよく見ます。
さらに「漁師さんたちは大変そうだし、漁業って斜陽産業なのだろう」と漠然と思っている方が多いのではないでしょうか。
果たして日本の漁業に未来はあるのか、ないのか。この問題について切り込んでいきたいと思います。

●日本はかつて世界一

日本は四方を海に囲まれ、漁業は生活に密着していました。今でも世界第6位の排他的経済水域(EEZ)を持ち、1988年頃までは世界最大の漁業国だったのです。
世界中の国々から日本の漁の仕方を学びに来ていました。その名残で、今でも、日本の古い漁船が、他国で使用されているところもあります。
水産物の買付けにおいても、日本の基準が世界の基準になっていました。何が価値があり、何がおいしいのかを、日本人が世界の人々に教えていたのです。

●世界の水産物生産量は右肩上がり

また、世界の水産物生産量は右肩上がりに増加しています。日本にいるとスーパーで魚が普通に売っていますし、あまり変化を感じられないかもしれません。
しかし、世界の水産物の需要は、恐ろしいほど伸びており、供給量を上回るほどなのです。
下手をすれば、輸入できない事態になって、「魚が足りない」ということも起きうるかもしれません。
なぜなら、世界人口が100億に向かおうとしており、世界全体の水産物の需要は確実に伸びていくからです。

●水産業は成長産業

ということで、本当は、漁業は成長産業であるはずなのです。

世界の漁業従事者は1990年に3100万人だったのが、2010年には5500万人に増えています。
世界の水揚げも1950年に2000万トンだったのが、2011年には1億5400万トンと増加しています。
特に、養殖物が増えており、2020年には供給の6割を占めると言われているのです。日本は養殖のための広大で豊饒な海があります。
さらに巨大な人口を抱えている中国をはじめ、東南アジア、インドというアジア市場に近いとうい強みもあります。
日本と同じような海洋国であるノルウェーやアイスランドでは、漁業に対して補助金を出すのではなく、儲けているので増税の対象となっているほどです。
日本は今でも、1人当たりの水産物消費量が54.5キロ(2009年)で、人口100万人以上の国では最大の消費国です。
これだけ有利な環境が備わっているのに、なぜ漁業は斜陽産業のようなイメージが付きまとうのでしょうか。

●なぜ日本の漁業は衰退したのか―「売れない、獲れない、安い」

なぜ、最強だった日本の漁業が、ここまで落ちぶれていったのか。簡単に言うと「最強であるがゆえに、世界中の魚を追いかけて、攻めの漁業をしていたけれど、世界各国が漁業資源を日本やソ連に獲られないように守りの漁業を展開した結果、資源管理という守りの漁業が主流となり、日本はイノベーションができずに置き去りにされた」ということになると思います。具体的には、

(1)1976年頃から200海里漁業専管水域を世界的に制定され、海外の漁場から撤退を余儀なくされたこと、
(2)厳格な漁獲枠を設定できず早獲り競争を続けてしまったこと、
(3)国内の水揚げ量の減少と買負けによる輸入減のため取扱量が減ったこと、
(4)水産物の消費が減退したこと、

これらの要因で「売れない、獲れない、安い」という状況に陥ってしまったのです。
漁業が発展している国々とは真逆の状態と言えるのです。

●最大の原因は乱獲―大漁で資源が枯渇

そして、日本の漁業が衰退した最大の要因は「乱獲」と言われています。
冒頭で述べたように「クロマグロ、ウナギ、サンマなどが獲れなくなってきている」とよく聞きます。漁獲量が落ちているのです。
漁業が衰退していくパターンは次のようです。

・魚が多いうちは魚をどんどん獲る。
・もっと獲るために漁具が進化していく。
・漁業者はもっと投資をして魚を獲ろうとする。
・しかし、獲り過ぎて(乱獲)、魚という資源が減り始める。
・魚が小ぶりになり価値が低い魚が増える。
・成魚に成長していない小さな魚も獲ってしまう。
・獲り急ぐため、おいしくなる時期(旬の魚)まで待てず、味の悪い魚が出回る。
・産卵する親魚がいなくなるので資源が激減する。
・魚が小さいので、低い価格となり、水揚げ金額も減少していく。
・「獲れない、売れない、安い」という状況に追い込まれる。
・儲からないので後継者がいなくなる。

このような悪循環で、日本の漁業は斜陽してきたのです。
大漁旗を振って、大漁に歓喜するだけでは、未来がないと言えます。
再生産のためには、どれだけの親魚を残さなければならないのかを科学的に検証した上で、それを超えた余剰分だけを獲っていかねばなりません。
ノルウェーでは「大漁」と聞いたとき、良いニュースとは受け取らないようです。漁業者にとって大切なことは、水揚げ金額が多いことです。
大漁でも、単価が下がってしまっては、儲けが減るからです。ですから、ノルウェーでは価格が下がらないように、分散して水揚げをしたいと常に考えているのです。

●漁業者への配慮が漁業者を自滅させる

当局が「これ以上魚を獲るな」と言っても、漁業者から「我々の生活をどうしてくれるのだ」と猛反発が来ます。
しかし、このままでは、結局、漁業者も先細りにならざるを得ません。悪循環をどこかで断ち切らなければ、日本の漁業の復活はないでしょう。
誰かが乱獲を止めなければならないのです。
漁業者も現在のやり方が良くないことは分かっているのですが、当局が規制しようとしたら、猛反発してしまうのです。

●問題を直視しよう―環境の変化ではない

漁業者へのアンケートで、資源が減少していると感じている割合は87.9%です。多くの人が「魚が減っている」と感じているのです。
ただ、その理由が「水温上昇などの環境の変化にある」と考えている人があまりにも多い。
環境の変化を原因と考えれば、「仕方がない」となってしまいます。問題を直視しなければなりません。
大漁旗を振って大漁を崇めることを止める時期が来ています。乱獲で親魚まで獲りつくしてしまったら、元も子もありません。
これを漁業関係者だけの責任にしてはなりません。
長い間、正しい情報が伝わらず、資源管理政策が機能していない政治の無策にあると考えます。
今こそ、悪役を買ってでも政治家がリーダーシップをとってかじ取りをする時期だと思います。

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2、編集後記
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有権者の皆様から、TPPの影響をよく聞かれます。
漁業関係者の皆様にもお会いします。
今までの経緯などから、変革には大きな力が必要でしょう。
しかし、座していてはもっと悪くなります。
現在は、イノベーションのチャンスだと感じています。
次回は、どのように変えたらよいのかを具体的に考えていきたいと思います。

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◆ 江夏正敏(えなつまさとし)プロフィール 
1967年10月20日生まれ。
福岡県出身。東筑高校、大阪大学工学部を経て、宗教法人幸福の科学に奉職。
広報局長、人事局長、未来ユートピア政治研究会代表、政務本部参謀総長、
HS政経塾・塾長等を歴任。
幸福実現党幹事長・総務会長を経て、現在、政務調査会長。
http://enatsu-masatoshi.com/profile
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◆ 発行元 ◆
江夏正敏(幸福実現党・政務調査会長)

◇オフィシャルブログ http://enatsu-masatoshi.com/
◇公式Facebook https://www.facebook.com/Enatsu.Masatoshi.HR

 

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1 コメント

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昔々… (行きずりの人)
2015-10-22 07:26:33
或食品検査機関に居たとき、ハタハタの味醂干しを持ち込んで来た日本海側の業者さんが「資源が枯渇してもうこの商品を製造するのも終わりかもしれない、どうしたものでしょうね」と言われたので、そりゃ単純に獲りすぎたんですよ、北海道の鰊だって結局そういうことでしょ、ここは思いきって3年くらい禁漁してみたらどうですか、何もやらなきゃ鰊と同じ事になりますよ。…業者の方は漁協の人達にも相談してみます。と言って帰っていった。しばらくして三年禁漁の報道があった。さて、アドバイスが効いたのか、ハタハタの資源回復は多少はあったようですね。
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